Saucy Dogが結成の地・大阪で初のドーム公演、3万5千人と作った夢の大舞台をレポート
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『Saucy Dog DOME LIVE 2026 “A NEW DAWN”』 撮影=山川哲矢
『Saucy Dog DOME LIVE 2026 “A NEW DAWN”』2026.1.4(SUN)京セラドーム大阪
Saucy Dogが、キャリア初のドーム単独公演『Saucy Dog DOME LIVE 2026 “A NEW DAWN”』を、1月4日に大阪・京セラドーム大阪で開催した。『A NEW DAWN』は、バンドにとって過去最大規模となるワンマンライブで約3万5千人を動員、
撮影=日吉”JP”純平
スクリーンには一人の青年が帰省する映画さながらのクオリティのショートムービーが流れ、レトロゲーム調のコマンドから「さいしょからはじめる」が選択されたオープニング。そして、Saucy Dogの歴代のツアーTシャツがパッチワークされた衣装を身にまとった石原慎也(Vo.Gt)が、「Saucy Dog、始めます」と開口一番、「スパイス」から運命の夜が動き出す。広大なドームにぽつんとスリーピースバンドがたたずむ光景には、寂しさよりも頼もしさの感情が湧き上がり、せとゆいか(Dr.Cho)の背中越しに客席が映し出されるたび、3人が見ている景色のすごさを思い知る。
撮影=日吉”JP”純平
続く「シーグラス」でも、ライブにしっかりなじんだいつもの曲をいつものように届けてみせる飾らないロックバンドの姿に、彼らが積み重ねてきた時間と経験がにじみ出る。「今年もまだ始まったばかりですけど、みんなワクワクしてる? ドキドキしてる? 何か緊張してない?(笑)。みんなの一年が最高のものになるように」とほほ笑んだ石原をはじめ、3人が3万5千人を気遣う余裕すら感じさせ、「優しさに溢れた世界で」では満場のシンガロングを追い風に軽やかに駆け抜けていく。
撮影=日吉”JP”純平
ここで、当日は2026年初ライブという人も多かったであろうことから、まずはメンバーそれぞれから新年のごあいさつ。続いて石原が、「ここからは「Saucy Dogと言ったらこういう曲でしょ」というオンパレードでいきたいと思います!」と高らかに宣言し、多彩なギターワークで描いた「あぁ、もう。」を皮切りに、「今更だって僕は言うかな」、「魔法にかけられて」、「コンタクトケース」と珠玉のミドルチューンを連発。そこに寄り添うのはアミューズメントパークのようなド派手な演出ではなく、カメラのアングルや光の陰影で楽曲の輪郭を浮かび上がらせる繊細な表現で、スケールを増しつつきっちり解像度も上げたチームによる総合芸術には目を見張る。初披露となった「奇跡を待ってたって」では、モノクロームの映像も抜群に機能していた。
撮影=日吉”JP”純平
グッと引き込まれた真骨頂のゾーンを終え、石原が「ドキドキしながら見てるみんなの顔って何かいいな」と言えば、「相変わらずMCはノープランなんですよね、京セラなのに(笑)」とせとが笑うなど、一世一代のドーム公演とは思えないリラックスムード。秋澤和貴(Ba)が「大阪の箕面から来た人ー!」とニッチなエリアから問い掛けたアンケートでは、日本全国のみならず韓国や台湾から訪れた観客がいることに驚き、せとが「このメンバーになってちょうど10年なんですよね。長くも短くもあり、楽しいこともしんどいこともあったけど、バンドがどう動いていいか分からなかったコロナ禍に、私が書いた曲をやろうかな」といざないアコースティックコーナーへ。秋澤もギターへとスイッチし、せとがかれんなボーカルを聴かせた「いつもの帰り道」、一転、石原がドームいっぱいに力強い歌声を響かせた「紫苑」と、10年の歩みをかみ締めるように代わる代わる魅せていく。
撮影=toya
再びのショートムービーからセットリストが「東京」へ変わっても、静かなるエモーションはなくならない。ピンスポットで石原が歌い上げた「煙」は圧巻で、大規模公演=エンタメではなくあくまでライブであり続ける構成には、Saucy Dogの信念を垣間見る。
石原が「ここからラストスパート、バチバチしようぜ!」とあおり突入した「poi」では、ここまで温存してきた炎の特効やレーザービームが高揚感を上乗せ。その後も「2025年、みんなよく頑張ったな!」と石原がねぎらい、「よくできました」「夢みるスーパーマン」「現在を生きるのだ。」と畳み掛けた怒濤のラッシュにオーディエンスも大興奮。ライブもいよいよ終わりが近づいたとき、石原がこう告げる。
「ドームに立てたことがうれしいというよりも、みんながそれを見に来てくれたことがうれしい。好き。ありがとう! 本当にいろんなことがあったな……前のメンバーを入れたら13~14年ぐらい走ってきたんで、今年はこのライブで一旦半年ぐらいライブをお休みしようかと思って。休みが明けたら生まれ変わったような気持ちで、またゼロからやりたいなと思ってます。あと2曲、もうあっという間だな。MCで長く話しちゃったけど、何かそれもSaucy Dogっぽいよね。名残惜しいですが、最後に聴いてください」
そんな決意を曲にしたような「まっさら」を経て、ラストはバンドの到達点であるドームでバンドの原点と言える「いつか」を絶唱する、ドラマチックな展開で本編は終了した。
撮影=日吉”JP”純平
大きな感動とつかの間の別れという事実に一時は放心状態の観衆だったが、アンコールの声と揺らめくスマホのライトがだんだんと場内を包み込んでいく……。その熱量に応えた3人が渾身の「結」をささげたかと思えば、9月より新たなツアー『Saucy Dog ARENA TOUR 2026-2027 NEW GAME +』を実施することを発表! この思いもよらぬ吉報に、どよめきと同時に大歓声が巻き起こる。
「昨日は設営に顔を出したんだけど、PAの方が「俺、寝れなかったよ」と言っていて。今日は俺たちの緊張を受け取ってみんなも緊張してたでしょ? それはごめんねなんだけど、一緒に音楽を作ってるんだな、ライブしてるんだなという感じがうれしかったんだよね。ちょっと休むけどまたすぐ帰ってくるんで、これからもよろしくね」(石原)
「この京セラドームの下の道を通って自転車でバイトに行っていた時期があって、大好きなMr.Childrenのライブもここで見たし、10年前は身近にあるめちゃめちゃ遠いステージだったんです。一緒に緊張してくれるスタッフとか、こうやって来てくれたみんなと出会えたおかげで、変わることなく3人でこのステージに立てたと思ってます。今日は特別な日やけど唯一の日にならないように、これからも精進するので末永くよろしくお願いします」(せと)
「大阪でバイトをしながらバンドをやってたとき、バイト先の人から「音楽でメシが食えるわけないじゃん!」って言われて、その言葉がずっと残ってたんですよね。でも、そういう言葉も逆に背中を押してくれたというか、腐らずにやってきて良かったなと思って。ここに立てているのは奇跡のような気もしますし、いろんな人の助けがあったからかなと。アリーナツアーも決まっていて前向きな気持ちなので、これからもよろしくお願いします」(秋澤)
撮影=日吉”JP”純平
10年前、街の小さなスタジオで3人が向き合い、夢を奏でた先にあった京セラドーム大阪で鳴らされた「犬も喰わない」、さよならではなく再会を約束した「グッバイ」を放ったSaucy Dogが、巨大なステージの端から端まで横断し、深々と頭を下げる。3万5千人と作った忘れられない思い出を胸に、過去最高の大舞台を見事に締めくくったSaucy Dogだった。
なお、本公演の模様やメンバーの熱い思いが詰まった舞台裏映像が、3月9日(月)21:00よりフジテレビTWO ドラマ・アニメ/フジテレビ TWOsmartで放送。兵庫、北海道、東京、福岡、愛知を巡る全8公演のアリーナツアー『Saucy Dog ARENA TOUR 2026-2027 NEW GAME +』が、9月19日(土)兵庫・GLION ARENA KOBEよりスタートする。
撮影=toya
取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=日吉“JP”純平、toya、山川哲矢
セットリスト
2026.1.4(SUN)京セラドーム大阪
<SET LIST>
- スパイス
- シーグラス
- 優しさに溢れた世界で
- あぁ、もう。
- 今更だって僕は言うかな
- 魔法にかけられて
- コンタクトケース
- 奇跡を待ってたって
- いつもの帰り道(Acoustic)
- 紫苑(Acoustic)
- 東京
- 煙
- エデンの部屋
- poi
- よくできました
- 夢みるスーパーマン
- 現在を生きるのだ。
- まっさら
- いつか
- 結
- 犬も喰わない
- グッバイ
放送情報
日時:3月9日(月)21:00~23:30 フジテレビTWO
ツアー情報
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オフィシャル先行・・・1月30日(金)12:00~2月5月(木)23:59