神戸で“出会っちまった”バンドたちをプレイバック、『ロックンロールサーカス2026』2日目も大盛況に
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『ロックンロールサーカス2026』
神戸にあるライブハウス、神戸VARIT.を中心に開催される、毎年恒例のサーキット型ライブイベント『ロックンロールサーカス2026』(以下、『ロックンロールサーカス』)が、1月10日(土)、11日(日)の2日間にわたって行われた。2019年のスタートから今年で8回目となる。
“ロックンロールの年初め”として、縁起担ぎといわんばかりに全国各地からロックンロールが、ロックンロールバンドが、そしてライブハウスが大好きな人たちが集まる名物イベント。今年もSPICE編集部では本イベントの模様を2日間にわたってレポート。初日の模様については(https://spice.eplus.jp/articles/343748)をチェックしてほしい。
『ロックンロールサーカス2026』1.11(SUN)@神戸・三宮周辺
会場は神戸VARIT.、THE CASTLE、Starting Over、BLUE PORT、CHICKEN GEORGE、RINKAITEN、D×Qと、前年の6か所から7か所に。出演者も日本各地、さらには海外から、レジェンドクラスに若手、メジャーデビューしたばかりの注目株まで、個性ある(というか個性しかない)アーティストが揃った初日。神戸の街には全国から集まったロックンロール大好きオーディエンスだけでなく、出演者たちも街を闊歩。革ジャン、モッズコート、マーチンのブーツにコンバース。スパイキーヘアにスキンヘッド、長髪にマッシュルームヘアー等々。ロックンロールファッションチェックも楽しいロックンロールラバーたちが勢揃いだ。
そして2日目も、初日に負けじと個性とクセのあるアーティストが顔を揃えた。両日併せて総勢99組ものアーティスト。ここでも初日同様、出演者を総ざらいしていこう。
イヌガヨ、円盤少女、KING BROTHERS、THE DO DO DO’S、hotspring、フリージアン、The Courettes、オータムス、Muddy Jackets、TAROS、THE PRIVATES、鈴木実貴子ズ、自爆、ザ・サイクロンズ、THE CLOCKWISE、くじけな、Sally Fizz Robber、寝たふりナッパーズ、サー・ガーヴィンズ、Patrcick&Patricia、Rozzo、YAPOOL、the myeahns、THE NUGGETS、Johnny Pandora、暴動クラブ、(The)SEGARE KIDS、THE NEATBEATS、寺嶋倶楽部Z、THE BLACK DOLPHINS、Nevera、the imitation hearts、蟹光船、UNCLE JOHN、伊藤陵太郎(Merg Lou)、FRUITSinJELLY、モンスターロシモフ、ネモトラボルタ、ザ・キャプテンズ、Mikabomb、Bon Kuhara、the Tiger、THE S.O.S、The howllin’ dogs、ruggirl、まなつ、赤いくらげ、The Amaretts、THE LET’S GO’s、THE FATS、The Biscats、ザ・ビートモーターズ、平田ぱんだ(THE BOHEMIANS)、千年メモリーズ、黒猫CHELSEA、小山田壮平、ADDICTION、Mr.ワリコメッツ、SHOTGUN RUNNERS、片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ、ムステインズ、秘密のコペカチータとザ・チャンス神戸支店、THE抱きしめるズ、THE PENNY13、QUINCAMPOIX、333、CHIE HORIGUCHI、タバタヒナ、The Spanky Muds、B.I.B.S.、ザ50回転ズ、騒音寺、セックスマシーン!!、キノコホテル、KiNGONS、SA、福、TOM-ATOM、ザ・あどばん、THE こうがんず、メルシー、鮫肌尻子とダイナマイト、THE PERRY、THE☆ロケンローBOYS、ELECTRIC EEL SHOCK、つしまみれ、Kensuke Sudo、百々和宏(MO’SOME TONEBENDER)、50/50’s、ウルフルケイスケ with 空団地、武装衝突、THE KING OF ROOKIE、アフターアワーズ、The Deadvikings、The Dahlia、フーテン族、流血ブリザード、ギターウルフ、忘れてモーテルズ。
2日目の出演者も、主催者でありVARIT.の代表者である南出氏より「お好きなように観てください」というお言葉が。タイムテーブルを見つつ、事前に思案はしたものの、本当に悩ましいラインナップ。そこでチェックしたのが、南出氏が開催前に発信していた出演者全組を紹介するポッドキャストやXだ。アーティストとの出会いや出演のキッカケ、音源の紹介など、“ライブハウスの中の人”であり『ロックンロールサーカス』主催者ならではの思いがたっぷり詰まった内容の数々。しかも、Xでのアーティスト紹介については前年の8月からスタートしているという……ちょっと情報追い切れませんけど!? と、思わずツッコミたくなるボリューム。それだけイベントに懸けるたっぷりの愛が詰まっているのだから、チェックしないわけにはいかない。ということで、直前まで気になるアーティストを探りつつ、いざ2日目の『ロックンロールサーカス2026』をレポートしていこう。
THE FATS
神戸VARIT.のトップバッターはTHE FATS。ステージに現れたメンバーは全員学ラン姿で、初々しさが漂っている。それもそのはず。なんと、メンバーは現役高校生(しかもテスト直前の出演)! The BeatlesやOasisをカバーしているとあって、「She Loves You」や「「Don't look back in anger」などの名曲をさらりと披露する姿に、ロックンロールラバーたちは早くも夢中に。アンファンテリブルなステージで、今後の活躍に期待大だ。
結成21周年を迎えたザ・ビートモーターズは『ロックンロールサーカス』初出演。昨年12月に5thアルバム『THREE WHHEELER』をリリースし、リリースツアー真っ最中の彼ら。「HEAVEY METAL」など、シンプルでストイックなロックンロールサウンドに釘付けになってしまい、ついつい時間を忘れて見入ってしまう。
黒猫CHELSEA
ライブが、バンドが、ライブハウスが! とにかく、この瞬間が楽しすぎて仕方が無い! そんな気持ちがビシバシと伝わってきたのが黒猫CHELSEAのステージだ。「ベリーゲリーギャング」から、ドラムのビートもギターも弾みまくりで、渡辺大知(Vo)は破顔の笑みを浮かべながら気持ちよさそうに歌う。その空気に釣られ、オーディエンスも素敵な表情を見せていて、フロア中が多幸感で満たされていく。神戸出身の彼らは「おれらの街でロックンロールを好きって言えることが好き。音楽を好きと思わせてくれたのがロックンロール」と、ロックンロールへの愛をありったけ音に込め、全6曲を駆け抜けた。
『ロックンロールサーカス』に出演するアーティストはバンドだけではない。小山田壮平はアコースティックでの弾き語りで「メアリージェーン/AL」「すごい速さ/andymori」など、珠玉の楽曲を披露。この日が久しぶりのVARIT.でのステージであり、2026年最初のライブだったという彼。「幸せなライブです」と、「夕暮れの百道浜」など、唯一無二の歌声を響かせた。
小山田壮平
THE CASTLEは繁華街ど真ん中の生田新道にあるレストランバーということで、ライブハウスとは違って防音設備は“完璧”とまでは言い難い。会場に到着すると、1番手のTHE☆ロケンローパーティのご機嫌なギターサウンドが漏れ聞こえていた。「Teenage Kicks」、「ダーティワーク」など、生粋のロックンロールプレイヤーたちが鳴らすサウンドに誘われ、アーティスト名の通りフロアは終始パーティ騒ぎに。
百々和宏(MO’SOME TONEBENDER)は「飲んでいきんしゃい」とオーディエンスと乾杯しつつ、「高架下の幽霊」から唯一無二の歌声を響かせる。酒とアコースティックギターの相性の良さは飲めば飲むほど、弾けば弾くほど心に突き刺さる。百々は総勢99組の出演数だけでなく、神戸の街にこれだけのライブハウスがあることに驚きつつ、初めての『ロックンロールサーカス』の味わい深さをしっかりと体感したようだ。
ELECTRIC EEL SHOCK
THE CASTLEではほかにも、ELECTRIC EEL SHOCKやつしまみれ、50/50’sなど、ワンマンライブでもおかしくないほどの高い熱量とオーディエンスの盛り上がりを見せ、神戸の繁華街を行き交う人々にも大きなインパクトを残していた。
片山尚志はTHE CASTLEでのTHE☆ロケンローパーティから、RINKAITENでの片山ブレイカーズとしても登場。車のエンジンみたく、バンドメンバーを変えればライブの印象も全く違う。この日のサポートドラム・Zonyのタフなビートを背に受けて、「はてなならべ」「エレキと獣」など、華やかかつキレのあるステージで魅了した。
RINKAITENでは、ADDICTIONにムステインズらのステージにも行きたかったけれど、この日のタイムテーブルの横並びはタフなバンド揃い。ほかの会場でも、泣く泣く諦めたステージも多かったが、彼らのライブはこの日に限ったものではない。日々、全国各地のライブハウスを巡り続けているので、アーティストの公式ホームページやSNSをチェックすれば、ライブ情報は簡単に把握できる。が、そこはライブハウスが主催する『ロックンロールサーカス』! 各会場の壁には、出演者たちの次のライブスケジュールがずらりと貼られていて、すぐさまスケジュールや
『ロックンロールサーカス』は
BLUE PORTではTHE KING OF ROOTSが「あけおめ~! 僕らのライブ観て、毛穴おっぴろげていきましょう~♪」と陽気に声をかけたと思いきや、「愛ばっかうるせぇ」から衝動的なロックサウンドでフロアをカオスに引き込んでいく。「愛によろしく」のドカドカうるさいバンドサウンドも痛快かつ爽快で、気付けば観客の気持ちよさそうなシンガロングが響き渡っている。
D×Qでは福がアーティスト名そのままキュートでキッチュ、多幸感たっぷりなパフォーマンスを展開。TOM-ATOMは名曲をアレンジした「上を向いて歩こう」で、ポジティブで心弾むロックナンバーを響かせ、観客を引き込んでいく。
Starting Overでは、昨年3月3日に始動したばかりの333が登場。「朝だ!」「Early Summer」など、キャッチーでキュート、聴くほどにクセになるサウンドでオーディエンスの心を惹きつけたかと思いきや、ゴリっと渋めのギターロックサウンドで視線を奪う。The Spanky Muds、タバタヒナもそれぞれの世界観をたっぷり見せつけ、『ロックンロールサーカス』出演陣の多彩さに改めて驚かされる。そしてライブハウスを行き来するなか、ライブを観て気になったアーティストの公式サイトやSNS、ストリーミングサービスに音源が配信されていないかをチェックしたりと、移動時間が思ったよりも忙しくなることもしばしば。『ロックンロールサーカス』が終わった時、“お気に入り”が激増した人は私だけじゃないだろう。
私的“お気に入り”の殿堂入りアーティストが数多く出演したのが、CHICKEN GEORGEだ。トップバッターは、やっぱり今年もザ50回転ズ。昼一番、このステージを目掛けてきた人も多く、開演前から入場規制がかかるほどフロアはパンパン! 幕開けにふさわしい「NO FUTUREじゃいられない」から、オーディエンスがこれでもかと跳ねる。今年で結成22周年を迎える彼ら。「“セッ〇ス・ド〇ッグ・ロックンロール”ではなく、“健康・保険・ロックンロール”でいこう!」の言葉に、老若男女頷きまくり。ご機嫌に踊れば万歩計の数字も爆上がり。ロックンロールは心身を清く正しく導いてくれると実感する。
「2026年も始まってんぞ!」、セックスマシーン‼のオーディエンス巻き込み力の強さは衰え知らず! 「君を失ってWow」で歌い叫ぶ“WOW”の言葉はロックンロールの合言葉。ゲストボーカルたちと拳を突き上げ盛大にシンガロング。「サーキットライブ=一番やべーライブをする!」と、フロアライブに展開したかと思いきや、「初詣してない!!」と、森田剛史(Vo)が会場目の前にある生田神社までマイクを握ったまま突進! 最高のライブだけでなく、ロックンロール初詣まで楽しめてしまった。
「『ロックンロールサーカス2026』が輝きますように!」。KiNGONSは「WONDERFUL GIRL」からポジティブ全開のパフォーマンスとグッドミュージックで突っ走っていく。“ロックンロールサーカスで年初め”と先述したけれど、アーティストにとってはこれまでの積み重ねのライブのひとつ。このステージがバンドにとっての最新型で、オーディエンスに「また次のステージも観たい」と思わせる強い引力を持つものでなくちゃいけない。強固な決意にも感じ取れるタフなパフォーマンスに、終始目が離せなかった。
THE NEATBEATS
CHICKEN GEORGEのトリを務めるのは前日に引き続き、THE NEATBEATS。この日も前日の打ち上げ話や仲間のバンドたちの裏話にと、腹筋崩壊トークの嵐。それでもスイッチを切り替えれば、「YAH! YAH! YAH!」「HAMBURG TWIST」など、あっという間にワンマンライブさながらの空気に変えてしまうのだから流石! 「声出てない人は今年(の運勢)良くないです!」と、観客の歓声をめいっぱい引き出し、“全員、大吉!”なステージで沸かせてくれた。
『ロックンロールサーカス2026』2日間を締めくくるのは、忘れてモーテルズ。この日のステージの前には『ロックンロールサーカス』前夜祭、さらには後夜祭にも出演するなど、東京・町田発のバンドとは思えないほど、神戸や大阪でのライブを積み重ねてきた彼ら。3月14日(土)に心斎橋・BIGCATでのワンマンライブ、そして9thアルバム『出会っちまった』のリリースも決定しており、『ロックンロールサーカス』のステージは彼らにとって大舞台に向けた気合の入る場面であることは間違いない。
ライブ前には初日のトップバッターに引き続き、忘れてモーテルズによる「鏡割り」も行われ、さらに昨年大トリを務めたKiNGONSが前説で登場。「最高のラストへ!」とエールを送り、フロアはこの日一番のすし詰め状態。ステージ脇には3人の姿を見届けようと、たくさんの仲間たちが集まる。283(Vo.Dr)が「『ロックンロールサーカス』99番手。98の魂を背負って、世界をロックンロールで染め上げていきましょう!」と叫び、1曲目に選んだのは新曲「出会っちまった」。酸いも甘いも詰め込んだ歌詞がとにかく胸に染みるし、283のしゃがれ声がまたそれを増幅させる。オーディエンスはたまらない思いを拳に替え、高く突き上げる。
「リンダリンダリンダ」「働け!!ろくでなし」と、悪玉(Gt.Cho)ゾロメ(Ba.Cho)の気迫あふれるプレイもさることながら、とにかく終始3人の表情がいい! 気持ちよさそうに歌い、音を鳴らす彼らに呼応して、フロアの熱気は増すばかり。「やってられるか呑んでるマン」では“ライブハウス×ロックンロール×酒×ろくでなし=∞最高!”の数式が完成し、楽曲に乗せられてあちこちで気持ちよさそうにビールを煽る姿も。気持ちが良いのはオーディエンスだけじゃなくて、ステージ脇にいた仲間たちも嬉しそうな顔で次々にダイブを決め込んでいく。「今年も良い顔見せてくれるよな!」なんて言うけれど、彼らが最高の音を鳴らしてくれたら、とびっきりの笑顔が返ってくるのは当たり前だ。
アンコールでは、改めて3月14日(土)に開催されるワンマンライブに向けての意気込みを語るメンバー。「身の丈以上の目標を持って頑張りたい。良い歌、良いライブ。それしか知りません、それしかやりません!」。最後は「楽しいーーー!」と、ありったけの思いを叫び、『ロックンロールサーカス2026』が終幕。
『ロックンロールサーカス』で“出会っちまった”アーティストたちは、今日も全国各地のライブハウスで音を鳴らし続けている。終演後、南出氏は「素晴らしいバンドがいてくれてうれしい。ライブハウスは1年中やっています。ライブハウスに遊びに来てください!」と語っていたように、ライブハウスに行けば、きっと大好きな音楽に出会えるはず。そしてTHE NEATBEATSのMr.PANが「『ロックンロールサーカス2027』で出会おうぜ!」と叫んでいたように、すでに2027年の『ロックンロールサーカス』も始まっている。また来年、『ロックンロールサーカス』でたくさんのアーティストたちと出会い、たくさんのロックンロールラバーたちに出会いたい。そして、この長文レポートがまた書けますように。
『ロックンロールサーカス2026』
取材・文=黒田奈保子
写真=『ロックンロールサーカス』提供
イベント情報
2026年1月10日(土)・11日(日)
会場:VARIT. / CHICKEN GEORGE / RINKAITEN / Starting Over / THE CASTLE / BLUE PORT / D×Q
関連ライブ情報
日程:2026年3月28日(土)神戸VARIT.
時間:開場15:30 / 開演16:00
出演:BAND:ザ・サイクロンズ / Mr. ワリコメッツ / 蟹光船 / 鮫肌尻子とダイナマイト / YEH!YEH!S / チャイローズDJ:CHERRY BOWIE / バッさん
※ロックンロール優待生2026 のリストバンドをお持ちの方はドリンクのみで入場可能!
25歳以下予約(2,000円になるには予約必須です)
https://varit-20260328.peatix.com
関連ライブ情報
日程:2026年3月28日(土)神戸VARIT.
時間:開場15:30 / 開演16:00
出演:BAND:ザ・サイクロンズ / Mr. ワリコメッツ / 蟹光船 / 鮫肌尻子とダイナマイト / YEH!YEH!S / チャイローズDJ:CHERRY BOWIE / バッさん
※ロックンロール優待生2026 のリストバンドをお持ちの方はドリンクのみで入場可能!
25歳以下予約(2,000円になるには予約必須です)
https://varit-20260328.peatix.com
イベント情報
日程:2026年5月6日(水祝)
会場:神戸VARIT.
時間:開場13:30 開演14:00
料金:前売3,000円(+1drink600円)、
U25 1,000円(+1drink600円)Peatix予約必須
※ロックンロール優待生対象イベント
出演:秘密のコペカチータとザ・チャンス神戸支店 / the imitation hearts / モテギスミスバンド / UNCLE JOHN……and more
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