髙木竜馬、演奏とトーク、大抽選会も!? 多くのファンとアルバム発売祝う~ニューアルバム『Pictures』リリース記念イベントをレポート
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2026年2月25日(水)東京のカワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」で、2月18日(水)にリリースされたピアニスト髙木竜馬のアルバム第二弾 『Pictures』 を記念しての特別イベントが開催された。イベントには髙木自らが登壇し、アルバムに収録された作品数曲を演奏するとともに、トークあり、抽選会あり、そして終演後には大サイン大会ありと、“ファンミーティング”さながらのアットホームな会となった。髙木自身も「今日は笑い多めで楽しくいきたいです」と宣言。楽しいコンテンツが盛りだくさんのイベントの模様をレポートする。
この日、強い風が吹き荒れるあいにくの雨模様。しかし、会場は満席で、ファンたちの集う客席は熱気にあふれていた。
その熱気に迎えられて、髙木がステージに登場。黒地のシャツに華やかなデザインが映える斬新な装い。このシャツは「ヘラルボニー」のアイテムで、岩手県出身のピアニスト小井土文哉からプレゼントされたという。今回のアルバム『Pictures』の世界観にふさわしいカジュアルながら主張のあるスタイルがカッコいい。
まずは、挨拶代わりにグリーグの『抒情小品集』より「アリエッタ」と、同じく『ペール・ギュント』より「朝」を演奏。「アリエッタ」では一つひとつの音が放つ色彩感が目に浮かぶようで、カワイSK-EXが醸しだす甘く色彩感あふれる音をピアニッシモでより美しく引き出していた。二曲目「朝」では曲が進行するにつれて、オーケストレーションを感じさせる立体的な重厚な音の世界を構築。時折、奏でられるトリルが清々しい朝の空気感を漂わせていた。
二曲目を弾き終えると、ステージ上にも置かれているカワイ フルコンサートピアノ SK-EXという楽器について思いの丈を述べる髙木。弱音の美しさを筆頭に、「イマジネーションやインスピレーションを掻き立ててくれる楽器」と語るなど、かなり興奮気味だ。第二弾アルバムの収録の際にも会場にSK-EXを持ち込んで演奏したその感動がステージ上の髙木の脳裏に甦えっていたのかもしれない。
続いても髙木はマイクを持ち続け(!)、アルバムのレコーディング秘話や裏話を披露。まずは、二枚目となるアルバム『Pictures』のコンセプトについて、「前々から自分自身が愛してやまないムソルグスキーの『展覧会の絵』をテーマにと描き続けていたので、すぐに決まりました」と語った。二日間で全テイクを撮り終え、最終日、三日目に編集済みの完成版を聴いて、得も言われぬ感動に襲われて思わず泣いてしまったことも素直に会場の聴衆に共有していた。まさに「その(涙した)瞬間をマネージャーに撮影されてしまったんです……」というエピソードも微笑ましかった。
イベント参加者には、レコーディング時の様子を写したポストカードが配られた
続いて、お待ちかねの質疑応答コーナー。髙木が会場に集ったファンから投げられる質問にざっくばらんに答える、という普段は体験できないひとときだ。一問目から「昨年、お子さんが生まれてからの髙木さんの心境の変化についてお聞かせください」という予期せぬ質問が飛び出て、さすがの髙木も少し照れ気味。しかし「具体的には感じていないですが、無意識に感じているのかもしれません」と優等生の髙木らしい答えに会場も納得した様子だ。
「ピアニストになる道を選んでいなかったら?」、「(本番前は)緊張しますか?」というような質問にも髙木の人と成りがにじみ出てくるようなやり取りがあり、会場に集ったファンにはとても意義あるひとときとなったのではないだろうか。
続いて“ファンミーティング”ならではのプレゼントコーナー(いわゆる抽選会)に突入。すでにこの日、アルバムのリリースを記念しての全国ツアー二公演を終え、岡山と徳島公演の帰りにゲットしたローカルなアイテムのお土産を会場のファンにプレゼントしようという趣向だ。
プレゼント用に用意されたアイテムは、『Pictures』用に今回新制作された髙木のサイン入りポスターに始まり、ハローキティの桃太郎ボールペン、桃太郎のコルクコースター、桃太郎タオル、阿波踊りを踊っているタヌキのぬいぐるみ(?)、スダチくん、スダチくんのトートバッグなど、ユニークなご当地キャラクターグッズが勢ぞろい。抽選に当たったファンたちも童心に帰ってひとときを楽しんでいた様子。
そして後半、髙木が最も情熱を注ぐムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』から、8曲目「カタコンベ」から終曲「キエフの大門」までを抜粋で聴かせた。
少し前まで、スダチくんをいじっていた人間とは思えない変わりようで、厳かながらも霊感的なものも感じさせる浮遊感のある音で「カタコンベ~死者たちともに、死せる言葉で」を演奏。続いての「ババヤーガの小屋」では強烈な破壊力で冒頭からこの作品のキャラクター性を際立たせる。ストーリーテラー的な構成感も見事で老女の異様な存在感と不気味な笑いをも感じさせる凄みある演奏だった。そして、終曲「キエフの大門」。威容なまでのダイナミックな音のアーチの中にもSK-EXの色彩感がみずみずしく際だっていた。
弾き終えると、髙木は最後に「今日という日を皆様とお祝いできたことは一生忘れません。本当にありがとうございました」と真摯に挨拶。和やかに会はお開きに。と思いきや、「最後に一曲」と、アルバムにも収録されているドビュッシー「月の光」を演奏。同時に敢行中のリサイタルツアーのPRも欠かさない。(アルバムには収録されてはいないが、)リサイタルツアーのみで演奏されるショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」(第24番)などの作品の魅力にも触れ、会は無事終演———。
冷たい雨の夜の雰囲気を吹き飛ばす熱量あふれる一夜限りの愛あふれるひととき———髙木もピアノに向かっている時以外はまったく“素の顔”でファンと向き合っている様子が印象的だった。ホール外のホワイエには終演後もアルバムを手に今か今かとサイン会の順番を待つファンたちの長い行列ができており、さらなる熱気に包まれていた。
セカンドアルバム『Pictures』を引っ提げてのツアーは、岡山・徳島公演を終え、残り4都市。愛知(3月21日)、東京(3月29日)、千葉(5月2日)、そして京都(5月30日)へと続く。
サイン会では、岡山公演のお土産として「きびだんご」を手渡した
【髙木竜馬】2ndアルバム『Pictures』リリースイベント ダイジェスト【Shigeru Kawai SK-EX】