天井知らずの熱気に沸いた、どんぐりずの2年半ぶりのツアー in 大阪
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写真=オフィシャル提供(撮影:ハヤシマコ)
どんぐりずTOUR 2026「DONGURI ZOO」2026.3.6(FRI)大阪・梅田BANGBOO
ニューアルバム『DONGURI ZOO』を携えた約2年半ぶりのどんぐりずのツアーを大阪で見た。この2年半の間、特に昨年はNAGAN SERVERとコラボした豊と良治(prod.起一)や、大沢伸一(MONDO GROSSO)とのDONGROSSOといったコラボもあり、どんぐりずとしては活発に動き回りイベントやフェスで各地に出没することは多かった。なのでイベントサイズの、どんぐりずのグレイテストヒッツを凝縮したようなショートセットのステージを楽しむ機会はあった。が、ワンマンとなると話は別だ。
「めっちゃ来てくれてる! みんなありがとう!」とチョモが満面の笑みで言い、「今日のみんなで作りましょう!」と森が機嫌良さそうにMCした通り、この日のフロアには詰めかけた人たちの、”今日を待ってた!”という喜びが凄まじい熱気となって放出されていた。とにかく熱かった。それもそのはずで、前売り
その熱はライブが始まった瞬間から数時間後のラストまで、ずっと高いまま続いた。”数時間後”というのは誇張ではなく、チョモがMCで「長いダンスフロアを作っていくんで最後まで楽しんでってー」と放った通り、この日はワンマンならではの超ロングセットが用意されていた。今回のツアーは2月22日の福岡から始まり、この日3月6日大阪、3月13日(金)の東京がファイナルだが、1月にSPICEで公開されたインタビューで彼らは「東京、大阪、福岡でぜんぶ違った雰囲気になると思う。例えば、大阪なんかは俺らのふざけた感じを歓迎してくれるんですよ。福岡はクラブカルチャーが盛んだし、東京は言わずもがなって感じで」と語っている。”ぜんぶ違った雰囲気”というのは、各公演のセトリを指していると思われる。実際福岡のセトリをチラ見させてもらったが、全体の大きな流れは変わらないものの、ところどころに大阪とは一味違った流れとそれに伴う選曲、曲順が組まれていて非常に興味深かった。その土地ならではの盛り上がり方を熟知した上で、自分たちのベストなステージを生み出すための試行錯誤や挑戦、工夫が垣間見れたようで、福岡のぶち上がり方はどんな様子だったのか、果たして言わずもがなの東京はどんなステージになるのか、めちゃめちゃ気になるところ。
実際この日の大阪のステージもとんでもない盛り上がりを見せた。事前にこの日の流れを知っていた身ながら、ステージが始まった瞬間、これからの時間思う存分どんぐりずのビートに浸れると思うと湧き上がる解放感にワクワクしっぱなしだった。ミニマルやハウス、テクノは聴く人を選ぶかもしれないが、どんぐりずに限ってはそのハードルは限りなく低いと思われる。客層の広さもきっとどの地域にも共通しているだろう。知り合いに誘われた等でどんぐりずの曲をほとんど知らない予備知識ゼロの状態で来た人でも、ライブが終わる頃にはバイブス県立グルーヴ高校の生徒になってしまうんじゃないだろうか。それぐらい彼らの楽曲は常に開かれている。
面白かったのは、途中メンバーが袖にはけるタイミングがあり、曲がやんで照明が消えると途端についさっきまでの盛り上がりを興奮した口調で喋り出すグループがいたりして、フロアのあちこちで興奮の雑談タイムが始まったこと。こういう現象は大阪ならではだろうか。また、最近SNSでライブ中のスマホ撮影が話題だが、どんぐりずのライブでも撮影する人が散見。私のいる場所から見えた撮影者の中には、スマホを構えながら体を揺らしたり手を高く上げたりしながら器用に撮影する猛者もいた。どんなに熱量が凄まじくても、どんぐりずのパーティーは平和的な空気があるのが常で、それはどんぐりずのステージをじっくり楽しみたい人やライブハウスに慣れていない人にとっては居心地の良さとして作用しているに違いない。
じっくり楽しみたいといえば、どんぐりずは常々ダンスミュージックでぶち上がることを信条としているが、そのぶち上がるために何が必要かといえば縦ノリであると、以前にチョモが語っている。新作『DONGURI ZOO』にもそのノリはありつつ、これまでよりさらに奥深く楽曲に没入することができるナンバー、平たくいえば”じっくり聴かせる”ダンスミュージックが散りばめられている点も『DONGRI ZOO』の大きな魅力だ。それらは縦ではなく断然横ノリ。ファイナルを前に多くを語るのは控えたいが、この日のライブでもむやみやたらに楽しい縦ノリの時間と、音やビートに体内の水分や血液までが染まっていくんじゃないかと思うような横ノリのグルーヴにじっくり浸れる時間が訪れた。果たして、どんぐりずは縦ノリと横ノリどちらでもぶち上がれるものを生み出しちまったんじゃないかというのがこの日の発見。
アンコールでは、飲みすぎた森が歌詞をど忘れしお客さんがスマホ画面に歌詞を表示してくれるもよく見えず、「バイブスでいきます!」と乗り切り大いに盛り上がった場面も。またこの日、どんぐりずの次なる大阪でのライブが発表された。3月20日(祝金)に大阪のライブハウス3会場を横断して開催されるライブサーキット『たとえばボクが踊ったら presents 梅田界隈THE CIRCUIT 2026』に昨年に続きどんぐりずが出演、この日の会場でもあったBANGBOOのトリを担うことが明かされた。後に主宰がXに投稿していたが、本来はアンコール後に発表予定だったのが急遽アンコール中に発表。そのせいか否かメンバーが「ハイ!」と合図するもスクリーンに情報が映し出されるのにタイムラグがあったりと、そのカッコつかなさも彼ららしくて良い。
森曰く「俺たちは日本で唯一、校歌と演歌とハードコアテクノを持っている」。そんな彼らが2年半ぶりのツアーのファイナルとなる東京で、果たしてどんなステージを作り出すのか。確実に期待していい。
取材・文=梶原有紀子 写真=オフィシャル提供(撮影:ハヤシマコ)
ライブ情報
2026年2月22日(日)福岡・The Voodoo Lounge
OPEN 18:00 START 18:30
2026年3月6日(金)大阪・梅田BANGBOO
OPEN 18:30 START 19:00
2026年3月13日(金)東京・渋谷WWW X
OPEN 18:15 START 19:00
公式サイト https://dongurizu.com/
イベント情報
『梅田界隈 THE CIRCUIT '26』
日時:2026年3月20日(金祝)OPEN/START13:00
会場:梅田BananaHall、梅田Zeela、梅田BANGBOO
Meg Bonus/NAGAN SERVER/Natsudaidai/oops cool/QOOPIE/Roka/S.A.R./スーパー登山部/TiDE
入場料:ADV¥5000 /U-25 ¥3500
※ドリンク代別途 ※未就学児入場不可 ※25歳以下はU-25対象
【INFO】X:@odd_talla / instagram:@tbo_0fficial
主催:YUMEBANCHI
企画・制作:たとえばボクが踊ったら