梓川、いゔどっと、しゅーず、Sou、ふぉるてが登場 ボカロP×歌い手×声優による共感性ドラマコンテンツ『僕たちは夜な夜な』初のライブイベントをレポート

レポート
音楽
2026.3.17
僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~

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僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~
2026.3.1 Zepp DiverCity(TOKYO)

2023年からスタートしたドラマコンテンツ『僕たちは夜な夜な』(通称:『僕よな』)。このプロジェクトは、登場キャラクターが抱えている“苦悩”を、声優がボイス付きショートストーリー動画で、そんな登場人物達が押し殺している“感情”をボカロP×歌い手による音楽でそれぞれ表現していくというものだ。周りの人に好かれるように無理をしてしまうこと、不正解を出すことを過剰に恐れてしまうこと、自分の敵わない相手に対して嫉妬を通り越し憎悪を抱いてしまうこと、衝突を恐れて波風立てないようにしてしまうこと、そして、そんな不満を抱えながらも、誰にも言えずに本音を押し殺してしまうことーー。そんなキャラクター達が抱えている苦悩であり、それを解放していく音楽は、現代を生きる多くの人達にとって実に共感性の高いものになっていて、現在は2ndシーズンまでが公開されている。

そんな『僕よな』による初のライブイベント『僕たちは夜な夜な LIVE 〜Midnight Party〜』が、2026年3月1日(日)にZepp DiverCity(TOKYO)にて開催された。当日は、各キャラクターの楽曲を歌唱している梓川、いゔどっと、しゅーず、Sou、ふぉるての5名が出演(50音順)。『僕よな』楽曲はもちろんのこと、出演者のコラボレーションも飛び出すスペシャルなステージを繰り広げた。

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~

物語の舞台である夜の池袋=“ヨルイケ”の美麗な街並みに、キャラクター紹介を交えたオープニングムービーの後、ステージにかけられた紗幕の向こう側に5人が登場。特別な一夜は、『僕よな』楽曲の「ドメスティック・シャウト」で幕を開けた。サポートバンドの卓越した演奏を背負いながら、5人それぞれがキャラクターの感情であり性格をリズミカルに表現していく光景はかなりの迫力。また、登場キャラクターのカラーを生かしたライティングも美しく、『僕よな』の世界へ観客を一気に引き摺り込んで行った。

ここからは登場キャラクターの楽曲が次々に披露されていった。紗幕が落とされたステージに登場したのは、天松ろかの歌唱を担当しているふぉるて。アップテンポな「鏡色」でオーディエンスを盛り上げる。本プロジェクトに途中参加した彼は、「共演者のみなさん、観てくださっているみなさんが温かく受け入れてくださっていることでここに立てています」と改めて感謝を告げると、「ホメオスタシス」を力強く、伸びやかに歌い上げた。

ふぉるて

ふぉるて

続いて登場したのは、要町れんまの歌唱を担当しているSou。「れんまの感情を、フラストレーションをみんなと一緒に発散できたらいいなと思ってます」と話す彼は、「めんどくさい男」「良い人」の2曲を披露。ステージを歩き回りながら、複雑ながらも凄まじくグルーヴィーな楽曲達に刻まれた感情を、抜群の歌唱力できっちりと表現していった。

Sou

Sou

雑司ヶ谷イツキの歌唱を担当しているいゔどっとは、ヘヴィでダウナーな「ジェニ」を、前屈みになってシャウト気味に吐き出していく。後のMCで「今日はずっとキレてる」と言われていた彼だったが、それほどまでに歌声に鬼気迫るものがあり、「ずっと、ずっと、ずっと。」では、お前が大嫌いだとストレートに嫉妬や苛立ちを叩きつけていた。

いゔどっと

いゔどっと

「いろんな感情が交錯する楽曲群を楽しんでいただけたらと思います」と快活な声で話していたのは、千早しゅあんの楽曲を歌う梓川。「アイタクナイ」「I≠dentity」と、フロアにもサポートバンドにも視線を送りつつ、アップテンポでダンサブルなビートに身を委ねて歌う姿から、この瞬間を存分に楽しんでいる様子がひしひしと伝わってきた。

梓川

梓川

キャラクターパートの最後を飾ったのは、仙河アサギの楽曲を担当しているしゅーず。クールでありながらも熱のあるバンド演奏を受けながら「惨めと知れ」を歌い上げると、「メンバーみんなの素晴らしい歌とその姿を目に焼き付けて帰ってください」とコメント。続く「ラベル」ではグルーヴィーなサウンドを乗りこなしながら、ふくよかな低音を響かせていた。

しゅーず

しゅーず

ここからは、出演歌い手達によるカバーブロックに突入。その口火を切ったのは、しゅーずとSouによる「ロミオとシンデレラ」のコラボレーションだ。中性的なSouと落ち着いたしゅーずの歌声は、ある種対照的ながらも相性は抜群。フロアの声を求めながら賑やかに駆け抜けていく。しゅーずを送り出したSouは、「『僕よな』のことを考えてこの曲を持ってきた」という話から「シニカルナイトプラン」を披露。柔らかな歌声で心地よくフロアを揺らしていた。

しゅーず、Sou

しゅーず、Sou

「俺もカバーやっていいですか!」と威勢よくステージに飛び込んできた梓川は、「ラブ&デストロイ」をエモーショナルに歌い上げると、ふぉるてをステージに呼び込む。普段から親交はあるもののステージでは初共演という2人は「ロウワー」を飛び跳ねながら歌い、フロアを熱くさせていた。その勢いのまま、ふぉるてが「ラヴィ」を披露。性急なビートに乗って全力で叫び回ると、しゅーずと2人で「妄想疾患■ガール」を艶やかに繰り広げていく。バトンを受け取ったしゅーずは、今日の出演者の中でも「大人な僕にしか歌えない曲を用意してきました」と、「ハレンチ」を情感たっぷりに歌い上げていた。

梓川、ふぉるて

梓川、ふぉるて

ふぉるて、しゅーず

ふぉるて、しゅーず

「まだまだ行けますか!」とオーディエンスを煽りながら出てきたのは、いゔどっと。「フェレス」を激しく明滅する照明の中で激しく歌い叫ぶと、梓川と共に「プラネテス」をコラボ。話によると、この曲をチョイスしたのはいゔどっとで、理由としては梓川がこの曲を歌っているのを聴きたかったからとのこと。また、歌割も自分が梓川の声で聴きたいパートをお願いしたそうだ。2人は伸びやかな歌声でメロディをフロアへ届けると、いゔどっとが「よかったぁ……」と浸っているところにSouがやってきた。3人で賑やかにトークを繰り広げた後、梓川を見送ったいゔどっととSouは、「フォニイ」をコラボレーション。オーディエンスの声を求めながら、熱のこもったパフォーマンスで本編を締め括った。

梓川、いゔどっと

梓川、いゔどっと

Sou、いゔどっと

Sou、いゔどっと

アンコールに応えて登場した5人は、『僕よな』楽曲の「ナイトメアディナータイム」を披露。甘美でダークファンタジー感のあるトラックをパワフルに表現していった。曲を終えた5人は、お互いをイジり合いながら仲睦まじく会話をした後、1人ひとりが今日の感想をコメントしていった。「鬼人見知りな自分に優しくしてくれて、みんな本当にいい人だった」と、共演メンバーを讃えていたしゅーず。「自分にとって初めてなことばかりのステージだったけれど、とにかく楽しくてワクワクした」と興奮気味に話していたふぉるて。「キャラクターを表現するにあたって、いつものライブスタイルと変えたほうがいいのかなとか、いろいろ考えたけど、そうやって試行錯誤しているのはすごく幸せな時間でした」と穏やかに話していたSou。「新しいことを通して出会えた人達に感謝したいし、何よりも大好きなみなさんと同じステージに立てたことが何よりも嬉しかった」とまっすぐに話していた梓川。そして、「キャラクターの思いをできるだけ歌に乗せて、彼らが救われたらいいなと思って、みんな歌っていたと思うんですけど、それが生でしかできないもの、動画では伝わりきらない部分がこのライブを通して伝わったのかなと思う」と、このライブの醍醐味を見事に言い表していたいゔどっと。5人それぞれが自身の思いを話していたが、共通していたのは、またこのメンバーで一緒に集まりたいということだった。再会を願いながら、この日のラストナンバーとして、5人で「Blessing」をコラボレーション。場内に響き渡った温かな歌声とその余韻が残る中、スペシャルな一夜は幕を下ろしたのだった。

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~


文=山口哲生
撮影=堀卓朗

セットリスト

僕たちは夜な夜な LIVE ~Midnight Party~
2026.3.1 Zepp DiverCity(TOKYO)

01. ドメスティック・シャウト 梓川、いゔどっと、しゅーず、Sou、ふぉるて
02. 鏡色 ふぉるて
03. ホメオスタシス ふぉるて
04. めんどくさい男 Sou
05. 良い人 Sou
06. ジェニ いゔどっと
07. ずっと、ずっと、ずっと。 いゔどっと
08. アイタクナイ 梓川
09. I≠dentity 梓川
10. 惨めと知れ しゅーず
11. ラベル しゅーず
12. ロミオとシンデレラ しゅーず・Sou
13. シニカルナイトプラン Sou
14. ラブ&デストロイ 梓川
15. ロウワー 梓川・ふぉるて
16. ラヴィ ふぉるて
17. 妄想疾患■ガール しゅーず・ふぉるて
18. ハレンチ しゅーず
19. フェレス いゔどっと
20. プラネテス 梓川・いゔどっと
21. フォニイ いゔどっと・Sou
[ENCORE]
22. ナイトメアディナータイム 梓川、いゔどっと、しゅーず、Sou、ふぉるて
23. Blessing 梓川、いゔどっと、しゅーず、Sou、ふぉるて
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