若き俳優たちが舞台で“生きる”瞬間 開幕目前『アンサンブルデイズ』公開稽古オフィシャルレポートが到着

ニュース
舞台
15:53
『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』

『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』

画像を全て表示(6件)


ノゾエ征爾演出のもと、「コクーン アクターズ スタジオ」第2期生20名が挑む青春群像劇ミュージカル『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』(2026年3月19日(木)~22日(日)Bunkamuraシアターコクーン)。開幕を目前に控え、公開稽古・会見の模様のオフィシャルレポートが到着した。


若手のための演劇の学び場「コクーン アクターズ スタジオ」第2期生の発表公演に向けて、3月12日、マスコミを招いた公開稽古が開催された。上演されるのは、スタジオの主任を務める松尾スズキが書き下ろしたミュージカル『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』。第1期生も演じて評判を呼んだ、名もなき“アンサンブル”俳優たちを中心に描いたこの青春群像劇を、今回は、松尾とは師弟関係にあるノゾエ征爾が演出する。

公開されたのは、オーディション帰りの俳優たちが「BAR TORIDE」で様々な舞台人と遭遇する場面。まずは、「番号で呼ばれるけど名前はある」と歌いながら全員で踊る場面が圧巻。まだ何者でもないけれども希望を持って歩んでいる生徒たちの切実さとエネルギーがあふれる。また、表舞台に立ったものの上手くいかなかった人物たちも登場し、ユーモアたっぷりに悲哀を見せる。本番では、生徒20名を2チームに分けて、<朱雀>バージョン<玄武>バージョンで上演されるが、公開された少しの場面だけでも配役によってキャラクターに違う個性が表出した。 第1期生の公演とはまったく違う箱馬を使った舞台美術もポイント。箱馬でバーのセットに作り上げていく様からも、生徒たちがどれだけ稽古を重ねてきたかが存分に伝わってくる。演劇をやりたいと集った若者たちの情熱は、思いもよらぬものを生み出すことだろう。

公演は、3月19日(木)から22日(日)、休館中のBunkamuraシアターコクーンを特別に復活させて上演される。


公開稽古後、演出のノゾエ征爾と、受講生の代表・河内洋祐、尾崎京香、荒木穂香、中川大喜が質疑応答に答えた。

──まずノゾエさんにお聞きします。約1年の講義を経て、受講生の成長をどう感じておられますか。

ノゾエ:僕は実技のオーディションを担当していたので、そのときのことからよく覚えていて、「そういえばあのとき全然声がでていなかったけど今は平気で叫んでいるな」とか思い出すことがあります。今は公演に向けて毎日一緒に稽古をしていますが、その中でも日々少しずつ成長を感じます。彼らは自分で気づいていないかもしれませんけど。

──3月19日から開幕する卒業公演の手応えを教えてください。

ノゾエ:今日の公開稽古はみんな緊張してちょっとカチコチでしたが(笑)、数日前に粗通しをしたときには、これはぜひ観てもらいたいと思って、まだお知らせしてなかった数人に公演の連絡をしたくらいでした。というのも、みんなが本当に舞台で生き始めてエネルギーが出てきて、どこからが本人でどこからが役なのか境目がわからなくなるような領域に入り始めて、作品がうねり出したなと思ったんです。

──受講生の方にお聞きします。1年間、様々なプロフェッショナルな講師の授業を受けてきた感想を聞かせてください。

河内:演技については、ノゾエさんをはじめ松尾さん、杉原邦生さん、オクイシュージさんのレッスンを受けてきました。いろいろなことを言われて混乱したことも正直ありましたが(笑)、でも、「舞台上で生きる」といった根本は共通するものがあったので。学んできた大事にすべきものが血肉となって、『アンサンブルデイズ』に生きたら嬉しいなと思っています。


──第2期生の20名は、どのように関係を構築してこられましたか。

尾崎:17歳から28歳という年齢も、経歴も考え方もバラバラな20名が集まっているのですが、不思議とみんな仲が良くて、講師の皆さんに「2期生は仲良すぎるよ」と釘を刺されることがあったほどです。ただ、それは、みんながちょっとずつ頑張って開き合ってきたからこそといいますか。お互いに「今日すごく良かった」とか「すごく悔しいと思った」ということを素直に言うようにして、関係を築いてきました。その培ってきたチームの力が作品に生きればと思っています。

ノゾエ:本当にズバズバ全部言い合ってるんです(笑)。講師が言葉を選んで言っているような厳しいことも平気で。きっと、同じことを講師が言うと萎縮しちゃうとは思うんですけど。その関係性はこの世代ならではなのか、昭和にはなかったなと、敬意を持って見ています。

──いよいよ本番を迎えます。今の心境を教えてください。

荒木:本当にいよいよきてしまったなというゾクゾクする気持ちと、私たちならまだまだいけるというワクワク感があります。ノゾエさんが稽古初日に「最後までみんなのことを信じます」とおっしゃった言葉をずっと心に留めながら稽古してきました。みんなで集まってものを作れることに感謝しながら、ノゾエさんの期待に応えて、みんなを信じて、最後まで諦めずに日々を積み重ねていきたいと思っています。

──『アンサンブルデイズ』の魅力と見どころを教えてください。

中川:やはり台本がものすごく面白いです。舞台に関わる様々な人たちをいろいろな側面から描き切っていて。単に楽しい青春群像劇というだけではなく、ダークな部分もしっかり描いているのが松尾さんの作品らしいなと思います。その中に込められている松尾さんの優しさや思いをどれだけ受け取って体現できるか。演じるにあたってはそこが大事だなと思っています。しかも日本語のオリジナルミュージカルにしているというのが新しくて面白く、歌詞も独特で味わい深い楽曲がたくさんあります。 演出のノゾエさんは演劇を面白がって、のびのびやらせてくれて、もっと枠をはみ出してほしいとおっしゃっていて、自分たちも殻を破ろうともがきながら、もっと先へ行けると思いながらやれているので。その様がさらけ出せる公演になると思います。

──2期生ならではの見どころを、ノゾエさんから教えていただけますか。

ノゾエ:第1期生の公演がとても面白かったですから、じゃあ2期生はこの作品にどう入っていくかと考えていくときに、みんなにもゼロからシンプルに、表現者の初動に向き合ってもらうようにしました。そこで、セットも小道具も前回のものは一度忘れて、今回の形になったんですけど、シアターコクーンでここまで心許ない舞台で行われた公演はないんじゃないかと思うくらいのセットです(笑)。頼れるものがない中でコクーンに初めて立つ若者たちが演じるというのはどれほどのことか。本当に舞台上で生きるしかありません。そこが2期生ならではの強みになっているのではないかと思うので、僕もどう化けていくのか楽しみです。

──最後にメッセージをお願いします。

ノゾエ:本当に観ていただきたいと思っています。この公演を観てみる1日と、観てみなかった1日を比べたら、観てみた1日には観て良かったと思えるものが絶対にあると思うんです。今しかないものを持っている彼らです。今しかない彼らを観てほしいです。

取材・文:大内弓子

公演情報

COCOON PRODUCTION 2026
Bunkamuraオフィシャルサプライヤースペシャル
『アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―』
 
作・音楽:松尾スズキ
演出:ノゾエ征爾
音楽:杉田未央
 
出演:コクーン アクターズ スタジオ第2期生
荒木穂香、石橋真理愛、伊藤優杏、尾崎京香、笠井涼乃心、久保 嗣、粂野泰祐、
倉元奎哉、河内洋祐、古賀彩莉奈、酒向怜奈、佐々木春樺、澤田陸人、思方、
大河 杏、樽見 啓、堤 麻綾、徳重 舞、中川大喜、吉岡苑恵
 
スタッフ:
美術:乘峯雅寛 照明:榊枝拓也 音響:稲住祐平 振付:振付稼業air:man
歌唱指導:蔵田みどり 演出助手:島田香澄 舞台監督:櫻井健太郎
制作助手:猪飼晴香、梅山友里
制作:寺田真成美、小泉廉太郎、松本美緒、森 万由葉、山口沙葉、東 優華、武内純子、石井おり絵
チーフ・プロデューサー:森田智子 エグゼクティブ・プロデューサー:加藤真規
宣伝美術:成田 久 宣伝写真:二文字琢也 宣伝広報:ディップス・プラネット
主催/企画・製作Bunkamura
 
公演日程:2026年3月19日(木)~22日(日) 全6回公演
※公演によって配役が異なりますが、全ての公演に全キャストが出演します。詳細は公演ホームページをご覧ください。
※開場は開演45分前です。
会場:Bunkamuraシアターコクーン
料金:S席3,800円 A席3,000円 コクーンシート2,000円(税込・全席指定)
※コクーンシートは、特にご覧になりづらいお席となります。ご了承の上、ご購入ください。
※未就学児入場不可
 
公演ホームページ:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/26_ensembledays/
コクーン アクターズ スタジオ公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/sp/cas/
X:@cocoon_a_s
Instagram:@cocoon_a_s
シェア / 保存先を選択