「ここからも進んでいきます! ついてきてください!」Re:name、結成10周年記念日に誓った想いーー祝祭で伝説の『大阪城音楽堂フリーライブ』をレポート

レポート
音楽
2026.3.29
 撮影=桃子

撮影=桃子

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大阪北摂発の3ピースバンド・Re:nameが、結成10周年記念日の3月25日(水)、大阪城音楽堂でフリーライブを開催した。中学・高校の同級生で16歳の時に結成し、現在26歳の高木一成(Vo)、Soma(Gt)、ヤマケン(Dr)。先日メンバーの地元の河川敷で行ったインタビュー(https://spice.eplus.jp/articles/344929)では、3人とも「気が付いたら10年経っていた」と話していたが、短いようで長い時間、嬉しいことも悔しいこともあったはずだ。この日発売となったアルバム『1626』に収録の「i don’t wanna」で<すべてが今の僕らを作ってるね>と歌っているように、10年の軌跡は小さな奇跡の積み重ね。3人にとってこの日はキャリア史上最大の挑戦であると同時に、10歳の誕生日でもある。とびきりの祝祭ムードに包まれた伝説の夜の模様をレポートしよう。

『大阪城音楽堂 フリーライブ』2026.3.25(WED)@大阪城音楽堂

天気は朝からあいにくの雨模様。しかし大阪城音楽堂には、Re:nameのハレの日を目撃しようと全国から大勢のファンが集合した。駅のロッカーでレインコートを羽織って準備するオーディエンスをたくさん見かけたが、みんな笑顔で嬉しそう。正直もう少し晴れていたらと願わずにはいられなかったが、後方の芝生エリアまでしっかり人で埋まった事実で、Re:nameへの想いの強さが感じられた。それに、雨の野音はえてして伝説になるものだ。

会場には記念のフォトブースが設置され、野音限定のオリジナルグッズやガチャ、「Re:nameパン」なるフードが販売されていて、それぞれのブースは賑わいをみせていた。

定刻になり、ステージにはFM802 DJの樋口大喜が登場。樋口はかねてよりRe:nameと交流が深く、「prettyfine :)」が2023年3月度ヘビーローテーションに選ばれた際も裏で懸命に働きかけるなど、共に階段を上ってきた間柄。彼自身も2024年秋にDJ 10周年を迎えた。やはり樋口にとっても思い入れが強いようで、「隣同士の顔を見てみてください。今日ここまで10年の間、どこかのタイミングでRe:nameの音楽に夢中になったみんながここに集まってます! それだけで感慨深いよ!」と感情を込めて叫び、「フリーライブ、いよいよスタートです!」と力強く開幕宣言した。

暗転ののち、高木がこの日のために作ったオープニングSEが流れ、スモークの中でメンバーがステージイン。サポートベーシストのひがしはスキップで、ヤマケンは大きく手を振って登場。Somaもこの日を迎えられた喜びを全身からあふれさせる。やがて高木が颯爽と現れて「Re:name始めようか!」と言い放ち、ライブがスタートした。

1曲目は「Saturday,Sunday.」。<どこまでだって行ける 未完成な地図を持って>という歌詞が幕開けにピッタリだ。客席は雨などなんのその、楽しそうに身体を揺らす。高木の伸びやかな歌声が心地良く広がり、誰もが祝福の想いで大きく左右に手を振ってひとつになる。背後からの照明で、メンバーのシルエットがスモークに透けて浮かぶドラマチックな演出も相まって、のっけからエモーショナルだ。

続いては「prettyfine :)」。インタビューでも話してくれたようにこの曲がFM802のヘビーローテーションに選ばれたことで、バンドの状況が大きく変わった。関係者エリアにはFM802の人たちが大勢観に来ており、身内の晴れ舞台を応援するような和やかな雰囲気が漂っていた。アーティストとの関係性を大切にするラジオ局であることは周知の事実だが、Re:nameもファミリーであることが伝わってきた。

高木が「俺たちだけの野音、最後まで楽しみましょう! よろしく!」と叫び、ライブでのコール&レスポンスがお馴染みの「愛はきっとLonely」へ。ヤマケンのタイトなビートが疾走し、Somaは雨も気にせず前に出てギターソロを弾き倒す。喜びと気合いの詰まったパフォーマンスが本当に気持ち良い。

MCでは高木が改めて「ついにこの日が来たぞー!」と感情を爆発させ、「こんだけ集まってくれてることがマジで嬉しい」と喜ぶ。ヤマケンとSomaも口々に「嬉しいね」「すごい景色」と同意して感慨深げ。3人は野音での単独ライブも、夜の野音に立つのも初めてということもあり、感動が大きいのか何度も感謝を口にしていた。

大切な人を想って書いたウィンターソング「Vintage Car」を優しく響かせた後は、「スマホのライトを照らして楽しみましょう!」と、アルバム『1626』に収録の「Forever Always」を披露。高木とヤマケンの共同作詞で「Re:nameのこれまでとこれから」を描いた、2人の視点からバンドの軌跡歩みを感じられる楽曲だ。サウンド面でも、打ち込みとアコギを用いた上でRe:nameらしいアプローチを加え、自分たちの現在地をありありと提示する。客席から照らされるスマホライトは、ステージからは星のように見えただろう。

高木は「Re:name10周年を迎えました! 本当にみなさんが応援してくれるおかげ。その答え合わせができてるなと今日思います」と述べ、3人とも「こうなると思ってなかった」と声を合わせる。高木とSomaは中学から、2人とヤマケンは高校からの付き合いで「マジで友達すぎる」と、関係性が今も変わっていないことを示唆する。高木は「友達として組んだバンドが10年続いて、記念日をみんなに観てもらえてることが光栄です」と、はにかみながら語っていた。

セットリストについては「組むのがめっちゃ難しかった」と高木。10年間作り続けた大切な曲は、1本のライブでは演奏しきれない数になっていた。このステージを想像して厳選された楽曲は良曲揃いで、高木のメロディーメーカーぶりを改めて実感した。

中盤は、夢を追いかけることは恥ずかしいことじゃないと背中を押す「Swingboat」、ヒリヒリした感情の動きを照明で激しく彩ったアッパーチューン「OTHER SIDE」、人間の弱さを歌いつつも後方までジャンプでひとつにした「People」と、普遍的な人間のテーマを多彩な表現で魅せてゆく。

「高校生の時からやってる大好きな歌を!」と披露された「Let Me」は、冒頭の高木のアカペラとシンガロングが印象的。曲の途中では高木が客席へ飛び降り、歌いながら通路を歩き、観客とハイタッチ。ステージに戻り「よっしゃ、全員の顔見たぞ!」と言うと、観客は大興奮で歓声をあげる。<オッオッオオッオッ>と一緒に歌い、会場全体のバイブスがぐんと上昇した。

楽しい時間もあっという間に終わりに近づく。ここで「俺も喋っていい?」とヤマケンが口を開いた。「俺すっごい嬉しいです! 夢みたいな時間。この先もずっとこの景色を思い出すんだろうな。そういう瞬間がみんなに少しでもあればいいなと思って、10年間バンドをやってきました」と、涙を堪えながらも、チャームポイントの笑顔を浮かべて想いを吐露する。ラジオに届いたコメントを読んで「みんなの人生の中にRe:nameがあるんだなと思いました。みんなの言葉に支えられ続けた10年でした」と述べ、「ひがし、一成、Somaにもありがとう。3年ぐらい前にバンド辞めようかなと思って相談した時、引き留めてくれてありがとう。あそこで止めてくれたからこの瞬間がある。バンド続けてきて良かったです」と泣き出すヤマケン。しんみりしないよう高木が愛のあるツッコミをし、Somaが優しく見守る関係が素敵だ。「これからもよろしくお願いします!」と言うヤマケンに、会場からはあたたかな拍手が贈られた。高木は「10年はキリの良い数字であって、Re:nameはこれからも続いていくので、見逃さないようについてきてください」と頼もしい宣言。

ハピネスな空気の中で演奏されたのは、アルバムのリード曲「one room」。ヤマケン作詞のこの曲は、ヤマケン個人の人生を通してRe:nameのことも歌っているという楽曲。柔らかく力強いミドルナンバーを丁寧に届けると、ここからは正真正銘のラストスパート。ライブアンセム「24/7」では、高木が<星の見えない 大阪城野音いこうか!>と空を見上げて楽しそうに歌う。高木のフロントマンとしての輝きと存在感が大きく感じられたのは、この日が特別な日だからという理由だけではないだろう。しっかり最高を更新すると、「最後はMUCHUになって終わろう!」と「MUCHU」でカラフルにフィニッシュ。メンバーは「やり切った!」とばかりに晴れやかな表情を浮かべる。と同時に、客席には「終わってほしくない」という空気が漂う。そんな観客の想いはすぐさまアンコールへと変化した。

再びステージに登場したメンバー。5月からのワンマンツアーで福岡と仙台が追加になったことを発表すると、高木は「今日でみんなと出会えたと思ってます。Re:nameの本拠地はワンマン。また絶対ライブハウスで会いましょう!」と真っ直ぐな瞳で伝え、最後に近鉄グループ『今、翔ける。伊勢志摩。』のCMソングにもなっている「Light」を演奏した。<奇跡の向こうにある世界と 君と歩いた道が繋がる>という歌詞が、「今日みんなと出会えた」という高木の言葉とリンクする。ステージ全体が黄金色に輝き、浮遊感のあるバンドアンサンブルに乗せて、高木の美しい裏声が雨の夜空に溶けていった。

雨は降ったが、誰がどう見ても大成功のライブ。終始「良い予感」に包まれていた1時間だった。10年間のキャリアと新しいRe:nameを提示し、「俺たちがRe:nameだ!」と堂々と打ち立てる姿は実に頼もしく、この先の明るい未来を感じさせた。素晴らしき結成10周年記念日を通過点として、彼らはこれからも進んでいく。

取材・文=久保田瑛理 写真=オフィシャル提供(撮影:桃子)

セットリスト

Re:name『大阪城音楽堂 フリーライブ』
2026.3.25(WED)@大阪城音楽堂

<SET LIST>
1.Saturday,Sunday.
2.prettyfine :)
3.愛はきっとLonely
4.Vintage Car
5.Forever Always
6.Swingboat
7.OTHER SIDE
8.People
9.Let Me
10.one room
11.24/7
12.MUCHU

EN.Light


information
公式サイト:https://renamejpn.com/
X:@Rename_official
IG:@rename_jpn/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCqaJgQpjE3RH2FVpI3Fz02Q

ライブ情報

『Re:name 大阪城音楽堂 フリーライブ』
日程:2026年3月25日(水)
会場:大阪城音楽堂
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:入場無料

『Re:name 東名阪 クアトロワンマンツアー2026』
2026年5月23日(土)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
2026年5月30日(土)東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO
2026年6月14日(日)愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:前売¥4,400(+1D)

<Official 最終先行>
受付期間:受付中〜2026年3月29日(日)23:59

リリース情報

Album『1626』
2026年3月25日(水)リリース
予約/購入:https://lnk.to/rename_1626_CD
配信:https://lnk.to/rename_1626

<収録曲>
1.MUCHU
2.Bedroom Angel
3.愛はきっとLonely
4.i don’t wanna
5.OTHER SIDE
6.Vintage Car
7.Forever Always
8.one room
9.KISS ME HONEY ※CD限定
10.I’ve ※CD限定
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