「待ってたよ!」3年ぶりの本公演が開幕~劇団朱雀『OMIAKASHI』ゲネプロレポート

09:00
レポート
舞台

劇団朱雀『OMIAKASHI』舞台写真        撮影:小境勝巳 坂田貴広

画像を全て表示(17件)


2026年4月10日(金)東京・サンシャイン劇場にて幕を開けた劇団朱雀3年ぶりの本公演『OMIAKASHI』。座員とゲストが一体となって生み出す “劇団朱雀の大衆演劇”、その最新形が解き放たれたゲネプロの模様をレポートする。


一部は芝居、二部は舞踊ショー、それが劇団朱雀スタイル。まずは芝居、中島かずき書き下ろしの『大江戸早業稼業』の始まりである。

撮影:小境勝巳 坂田貴広

物語の舞台は江戸で人気の早業一刀(早乙女太一)率いる軽業一座。ある日、伊賀栗山之亮(喜矢武 豊)と名乗る侍が、座員の六助(須賀健太)の元を訪れる。なんと、孤児と思われていた六助は、さる大名の御落胤だというのだ。降ってわいためでたい話に盛り上がる一座。しかしどうにもきな臭いこの一件には、訳あり風の座員のさぶ(早乙女友貴)も関わっているような…? やがて六助の親友・ネズミのチュー太(富岡晃一郎)に一刀&一座の連中も加わり、黒幕の宇治川主膳(浜中文一)の屋敷へと騒動の場は移っていく。

撮影:小境勝巳 坂田貴広

撮影:小境勝巳 坂田貴広

撮影:小境勝巳 坂田貴広

愛と笑いと様々なアクションに彩られ、良い者悪い者が入り乱れつつテンポ良く進む人情話。軽業一座のかっこよさと六助の健気さ、チュー太の大活躍、伊賀栗の中間管理職っぷり、ド変態ぶりが潔い宇治川と、キャラクターそれぞれが自身の持ち場で魅力を発揮し、互いに心から芝居を楽しんでいるのがガンガン伝わってくる。また、舞台上のみならず客席通路も積極的に使用、全方向から観客を包み込み劇団朱雀の輪へと取り込んでいくことで観客自身の熱も自然と上がり、「全身で大衆演劇体験を楽しんでいるぞ」という気持ちを大いに体感することができた。

撮影:小境勝巳 坂田貴広

そして二部。劇団朱雀の真骨頂、舞踊ショーの時間だ!

撮影:小境勝巳 坂田貴広

重厚な空気でグッと観客の心を惹きつける早乙女友貴の男踊りに始まり、ゴージャスな和装を纏った女形の早乙女太一が登場すれば、歌謡曲(と、あえて言いたい)をバックに披露される日舞にしかない妖艶さ、儚さ、美しさ、強さがドン、と花開く。そしてそれは役者が客席にアピールするというよりも、踊るために生きているその存在にこちらの目が否応なく釘付けになっていくようで…やがて劇場内が異空間へと塗り替えられていき、不思議な時空が出現。客席は息をのんで、ひたすら舞の世界へと没入していくのだった。

撮影:小境勝巳 坂田貴広

撮影:小境勝巳 坂田貴広

その後もほぼノンストップで1曲ごとに違った表現、違ったドラマが濃密に込められた舞踏の数々が続く。劇団創設メンバーである鈴花奈々、初代座長・葵 陽之介の登場には改めて劇団に脈々と続く芸の道を思い、ゲストの熱演に湧き、座員たちのプロフェッショナルなパフォーマンスに引き込まれ、「楽しかったな。満足したな」と思っていたら——まだまだ終わるわけなどなく、そこからさらに早乙女兄弟による剣舞が…! 

撮影:小境勝巳 坂田貴広

撮影:小境勝巳 坂田貴広

撮影:小境勝巳 坂田貴広

撮影:小境勝巳 坂田貴広

この人たち、とにかく底なしなのだ。

総合演出・早乙女太一が目指す“日本のエンタメ”を舞台上に生み出すべく、ギリギリを攻める者たちが思いをひとつにし、厳しくも楽しく出力全開。パワーもスピードも情熱も技も躍動も笑顔も歌声も、まさに命の灯が続く限り止まることのない“騒ぎ屋”集団として舞台上を駆け回り続ける。彼らの舞台を全部受け止めて楽しみ切るには、観客だって底なしに楽しむ気持ちを持って挑まなければ。…と、感じられたなら、すでにもう私たちは舞台上からとびきりの元気をもらっているということ。

撮影:小境勝巳 坂田貴広

後半に向けハードになっていくほどに溢れる笑顔もたまらない。なによりも役者同士の絆、信頼感、そしてアットホームさよ! これが、一度は浴びたらクセになる“劇団朱雀の大衆演劇”。東京・大作・福岡と、旅はまた始まったばかりだ。

『OMIAKASHI』開幕 キャストコメント

■早乙女太一
3年振りの公演という事で、長年考えていた構想がキャストスタッフの力によって具現化された作品を、やっとお客様に見て頂けるのが嬉しく思います。
日本のエンタメ全部盛りです!日舞 ダンス 歌 芝居 殺陣 剣舞 スーパーメガ盛り朱雀祭り楽しんで下さい。
命の灯火が輝く舞台になっています。見に来てくださったお客様方の明日が少しでも明るくなりますように、
劇団朱雀騒ぎ屋一同、魂込めて舞い踊ります。劇場でお待ちしております!

■早乙女友貴
3年ぶりの公演ですが、以前よりもどこか落ち着いた空気の中で、それでも芯にはしっかりと熱がある。そんな状態で迎えられている気がします。静けさとエネルギーが同居した、いい状態で迎えられたかなと。
新たな色合いが加わりながらも、軸はぶれない。その上で、境界線のないままそれぞれの色が重なり合っているのが、この作品の面白さだと思います。誰か一人ではなく、そこにいる全員が見どころです。
この時間が、少しでも特別なものになるように。
一瞬でも何かが心に残れば、それで十分です。劇場でお待ちしています。

■須賀健太
3年ぶりの劇団朱雀の本公演! 僕は前回はゲスト出演だったこともあり、本格的に参加させて頂くのは2020年の「ぎふ葵劇場 幕引き公演」ぶりとなります!この刺激的な劇団朱雀という場所で、任せてもらえた事を全う出来るように頑張ります!
1部のお芝居『大江戸早業稼業』では、憧れの劇団、劇団☆新感線さんの座付作家である中島かずきさんに、僕自身初めて当て書きをしていただけて本当に嬉しかったです。そこにさらに僕のエナジーを注ぎ込んで、素敵な作品の一部になれたらと思っております! 2部では今回も"お祭り健太"を担当させて頂いております! 名前に恥じぬ働きができるよう頑張ります!
劇団朱雀は自分や表現とピュアに向き合える場所だと思っています。そんな場所に集まった色々な表現者たち…
全員もれなくカッコいいです!そんなみなさんに負けないように、そして自分に負けないよう毎公演挑んでいきたいです! 早くお客様に観て欲しいっ! 何も考えず、劇団朱雀を浴びに来てください! 騒ぎ屋稼業十何人!
皆様と劇場でお会いできるのを楽しみにしています!

■浜中文一
とにかく盛り上げる。それだけ!!
観る人を魅了する。それだけ!
楽しんで帰ってもらえるように、努力しております。
安心してお越しになって下さい。

■喜⽮武 豊
僕が思っていたよりもたくさんの事をやらされ、これは正直本番に絶対間に合わない(汗)! と思っていたのですが本番は待ってくれませんでした笑。何とかやれることはやったので後はとにかくお客さんを楽しませるという事を全力でやり遂げたいと思います!
劇団朱雀『OMIAKASHI』の魅力は、そのままの意味ですが、魅せる力がものすごいと思います。芝居だけでなく、歌、踊り、殺陣と全て凝っていて、素晴らしいエンターテイメントだと思います。僕は思いの外、真面目な役どころが多いので普段の僕とはまた違う見え方になるのではないかと思います。
もともと僕も劇団朱雀のファンであり、人生に一度は見るべき劇団だと思います。今回もパワー溢れる公演になっていると思うので劇場で皆さんで騒ぎましょう!

『TOKYO INSIDE CLUB “The Last Dance”』

『OTOGI -TAICHI SAOTOME 30TH ANNIVERSARY STAGE-』

そしてこの度、2025年に早乙女太一の芸歴30周年を記念し、自身でプロデュース・演出を手がけ2つの舞台を交互に上演したTOKYO INSIDE CLUB “The Last Dance”/OTOGI -TAICHI SAOTOME 30TH ANNIVERSARY STAGE-の再演が決定した。
「TOKYO INSIDE CLUB」は、ファンクラブイベントで大好評だった「TOKYO KINEMA CLUB- INSIDE -」をパワーアップさせ、和と洋が華やかに混じり合う新たな世界観のショーになっており、華麗な演舞とダンスで観客を魅惑のクラブへ誘う。
一方で「OTOGI」は、毎公演ゲストを迎え、日替わり芝居と舞踊の2部構成でおくる。これまで早乙女太一が培ってきたものを凝縮し、伝統と革新が融合した新しい世界を堪能できる特別な作品になっており、大衆演劇というルーツを用いて、その世界で活躍する新たな世代へ繋がれば、という熱い思いが込められている。どちらも早乙女太一の魅力が詰まった見逃せないステージとなっているので、期待しよう。

TOKYO INSIDE CLUB/OTOGI 総合プロデュース・演出・出演 早乙女太一 コメント

30周年の始まりと終わりに公演したいと思っておりましたが、初演が不評でしたら実現しなかった締めくくり公演。
無事に公演できる事となり、嬉しく思います。
僕のこれまでの全てを注ぎ込み、新たな時代に挑むべく、大衆演劇 女形などの僕のルーツを土台に、新たな表現にチャレンジしました。
伝統を現在に。そして未来へ。感謝と願いを込めた作品になります。
再び見に来て下さる方には、前回の公演では演っていない演目も取り入れたいなと考えておりますので是非お越し下さい。
初めて見に来て下さる方々には、この世界に何処にもない、此処にしかない世界がありますので、是非劇場にお越し下さい!

取材・文=横澤由香

公演情報

劇団朱雀『OMIAKASHI』
 
総合演出 早乙女太一
出演
早乙女太一
早乙女友貴、須賀健太(東京・大阪のみ)、浜中文一、喜矢武 豊、富岡晃一郎
久保田 創、岩崎祐也
安田桃太郎、熊倉 功、益川和久、高岩芯泰
西野名菜、NanaCo、Mai Watanabe、Yui Watanabe、Kurumi Shiina、Lena
Kekke、琉貴
鈴花奈々、葵 陽之介
 
スタッフ
第一部『大江戸早業稼業』
脚本・作詞:中島かずき(劇団☆新感線)
            
 
主催 劇団朱雀製作委員会(LDH JAPAN / S-SIZE)
 
公式サイトX @gekidan_SUJAKU
主催 劇団朱雀製作委員会(LDH JAPAN / S-SIZE)
 
【東京公演】
日程・会場 2026年4月10日(金)~4月26日(日)/サンシャイン劇場
【大阪公演】
日程・会場 2026年4月29日(水・祝)~5月10日(日)/COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
【福岡公演】
日程・会場 2026年5月13日(水)~5月17日(日)/キャナルシティ劇場
 
 
料金 全席指定:11,000円(税込)
お問合せ Mitt:03-6265-3201(平日12:00~17:00)
 

公演情報

『TOKYO INSIDE CLUB “The Last Dance”/ OTOGI -TAICHI SAOTOME 30TH ANNIVERSARY STAGE-』
 
総合プロデュース・演出 早乙女太一
 
出演 
早乙女太一
久保田 創 安田桃太郎 岩崎祐也 熊倉 功 横田 遼 真鍋恭輔 高岩芯泰
西野名菜 Mai Watanabe Yui Watanabe Kurumi Shiina Lena
安田月姫
鈴花奈々 / 葵 陽之介 ほか
 
OTOGI公演は日替わりゲストあり ※詳細は後日発表します。
 
企画・製作 LDH JAPAN/S-SIZE
 
【東京公演】
日程・会場 2026年8月6日(木)〜8月16日(日)シアターH
【京都公演】
日程・会場 2026年8月28日(金)〜8月30日(日)京都劇場
 
料金 全席指定:11,000円 先行情報は後日解禁
一般発売日 2026年6月13日(土)10:00〜
お問合せ Mitt:03-6265-3201(平日12:00~17:00)
  • イープラス
  • 劇団朱雀
  • 「待ってたよ!」3年ぶりの本公演が開幕~劇団朱雀『OMIAKASHI』ゲネプロレポート