木下順二の名作『蛙昇天』をKAAT神奈川芸術劇場プロデュースで上演 演出はウォーリー木下、主演は中山優馬

2026.5.29
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『蛙昇天』


2026年10月下旬~11月上旬、KAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『蛙昇天』が上演されることが決定した。

米ソ冷戦激化の時期を背景に、シベリア抑留者の帰還をめぐって当時の日本社会を揺るがせた実際の事件をテーマに、木下順二が書き下ろした『蛙昇天』。発表当時から大きな注目を集め、三越劇場での初演を観劇した、当時まだ高校生であった演出家の故・蜷川幸雄は、衝動的なものをそのまま表すこの演劇表現に惹かれ、この観劇体験が演劇を志すきっかけとなったと後年語っている。

本作は誠実に生きたいと願った青年が、苛烈な政治的対立の抗争の場に引きずり込まれ、ついに自殺へと至った事件を、寓意あふれる蛙の世界に写し取った傑作。

今回、そんな名作の演出を務めるのはKAAT初登場のウォーリー木下。国内外で高い評価を受けた東京2020 パラリンピック開会式で見せた独創的かつ包容力ある演出は、異なる価値観や立場の違いをつなぎ、観る者に深い共感を呼び起こした。音楽はウォーリー木下からの信頼も厚いトクマルシューゴと、のこぎり演奏家としても活躍する音楽家の西村直晃がタッグを組んで世界観を盛り上げる。振付はモモンガ・コンプレックスのメンバーとしても活動し、『SHELL』『パンドラの鐘』などの振付を担った北川結、仁科幸が務める。

真実を伝えようと立ち上がるも、世間の波に翻弄される主人公・シュレを演じるのは、ミュージカルからストレートプレイまで数多くの舞台で主演をつとめ、一人舞台や楽曲など、活躍の場を意欲的に広げる中山優馬。シュレの元同僚・グレ役に、実力派として話題作への出演が続く矢崎広。シュレの母・コロ役に元宝塚歌劇団雪組トップで、退団後も舞台・映像で幅広く活躍する音月桂。そして、唯一無二の存在感と絶妙な愛嬌で魅了する温水洋一、ドラマ『相棒』の監察官としてもおなじみで、幅広い役柄を自在にこなす神保悟志、23年まで「猫のホテル」に所属し、印象的なキャラクター性を放つ市川しんペー、透明感のある佇まいと繊細な感情表現が魅力の中村里帆が出演。また、久ヶ沢徹、町田マリー、百瀬朔、白又敦など舞台を中心に活躍する俳優が、個性豊かな蛙たちを演じる。

個人と社会のうねりが生々しくぶつかり合い、人間の存在意義や生きることの意味を探求する傑作戯曲を、壮大なスケールでおくる。

【あらすじ】
ここは池の底に広がる蛙の世界。自分たちの住む池に突然石が投げ込まれる事件が起こる。取り囲むアオガエルたちは、これは陰謀ではないかと騒ぎ始める——。
アオガエルの国では、2大政党のデモフリ党とカプリ党が政権争いを繰り広げていた。デモフリ党の構成員たちはカプリ党を陥れようと、あれやこれやと画策する日々を過ごしている。そんなさなか、アカガエルとの戦争に負け、捕虜に取られていた仲間たちの帰還が活発化。帰ってきた一部メンバーから、あるアカガエルの一言についてデモフリ党に告発が舞い込む。カプリ党から捕虜が「アカガエルになるまでは帰してもらっては困る」と要請があった、と言っていたというのだ。格好の争いの種となったこの発言をめぐって、大騒動が勃発する。その矢面に立たされたのは、この一言をアオガエル語に通訳した帰還兵のシュレ。たくさんの思惑が渦巻く中、シュレは証言台に立つ。彼はただ、あるがままの真実を伝えようとするのだが——。


出演者コメント

■中山優馬
今回、大役をいただけたこと、大変光栄に嬉しく思います。
胸の奥底を突き刺すセリフの数々で、説明の難しい感情になる瞬間が多くあります。
この想いを肉体に乗せて精一杯取り組もうと思います。
演出のウォーリー木下さんや、素敵な共演者の皆さまとご一緒出来ることもとても楽しみにしています。
劇場で見届けて下さい。

■矢崎広
またKAAT神奈川芸術劇場に戻って来られることを、嬉しく思います。
次に挑むのは、なんと“カエル”の世界。
ウォーリー木下さんとは今回が初めてのご一緒となりますが、今から非常に楽しみです。
そして、素晴らしいキャスト・スタッフの皆様と共に、木下順二氏の不朽の名作に挑めることを、大変光栄に感じております。
今回のKAATでの旅路が、どんな出会いや景色へ繋がっていくのか。
ぜひ劇場で見届けていただけたら嬉しいです。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

■音月桂
私は一体、どう在りたいのか?
戯曲を読んだあと、私の中の何かが疼き、この問いが生まれました。
この作品、そしてコロという役と向き合いながら、私自身ともじっくり向き合うつもりです。
ご観劇くださる皆さまにとっても、この作品が、ご自身と向き合うきっかけや、心に残るカケラとなれば嬉しいです。
初めて立たせていただく劇場、そしてご一緒する皆さまとの時間に、今から胸が高鳴っています。
劇場でお待ちしております。

公演情報

『蛙昇天』
 
作:木下順二
演出:ウォーリー木下
 
出演:
中山優馬 矢崎広 音月桂 中村里帆 市川しんぺー
久ヶ沢徹 町田マリー 百瀬朔 白又敦
北川結 内海正考 中村駿 塚越志保 肥田野好美 米原有我
神保悟志 温水洋一
 
演奏:西村直晃 成田七海 清田瞬
 
スタッフ:
音楽:トクマルシューゴ 西村直晃
振付:北川結 仁科幸(モモンガ・コンプレックス)
美術:松生紘子
照明:松本大介
音響:星野大輔
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:新井健生
演出助手:友花
舞台監督:川除学
制作進行:ycoment 
 
会場|KAAT神奈川芸術劇場<ホール>
日時|2026年10月下旬~11月上旬
 
主催・企画制作|KAAT神奈川芸術劇場
助成|文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)  
  独立行政法人日本芸術文化振興会
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