レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《美しきフェロニエール》が奇跡の初来日! 北川景子も登壇した『ルーヴル美術館展 ルネサンス』報道発表会レポート

2026.7.13
レポート
アート

『ルーヴル美術館展 ルネサンス』展覧会アンバサダー・北川景子

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2026年9月9日(水)から12月13日(日)まで、国立新美術館で『ルーヴル美術館展 ルネサンス』が開催される。

ルーヴル美術館展といえば、日本でも継続的に開催されている大規模な美術展のひとつ。しかし、今回のルーヴル美術館展は特別なものだという。最大の見どころは、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作《美しきフェロニエール》の初来日だ。現存するレオナルドの絵画作品はわずか15点ほどしかなく、そのうちの1点が日本で鑑賞できる貴重な機会となる。

6月18日(金)には報道発表会が行われ、展覧会アンバサダーに就任した北川景子も登壇。実際にフランスのルーヴル美術館を訪れて作品と対峙した体験談も語られ、ルネサンス美術の魅力について深く掘り下げられた。

1974年の《モナ・リザ》以来、ルーヴルから半世紀ぶりのレオナルド作品が来日

初めに展覧会の主催者を代表して、日本テレビ放送網の澤桂一氏が挨拶。日本テレビは2005年から7回にわたり、日本で開催するルーヴル美術館展の主催者として展覧会を統括している。

「9月の開幕時には、ルーヴル美術館の新館長、クリストフ・ルリボー氏も来日される予定で、お会いするのを大変楽しみにしております」と述べつつ、「レオナルド・ダ・ヴィンチを略す際は、ダ・ヴィンチではなくてレオナルドと言ってくださいとお願いされました。ダ・ヴィンチのヴィンチというのは、レオナルドの出身地の村の名前だそうです。私は最近知りました」と親しみを交えたトークで会場を温めた。

日本テレビ放送網株式会社・取締役専務執行役員の澤桂一氏

続いて主催館を代表し、国立新美術館の菅谷富夫氏が挨拶。「世界情勢がめまぐるしく変わり、こうした展覧会は開催が難しい時代になってきました。今回のルーヴル美術館展を実現できることは、まさに奇跡に近いと現場では感じております」と率直に語った。

国立新美術館・館長の菅谷富夫氏

特別協賛社の野村證券を代表し、野村ホールディングスの谷垣浩司氏は、「弊社の創業者・野村徳七は文化芸術にも強い情熱を注いでおり、ルーヴル美術館にも訪れて深い感銘を受けたと伺っております。野村ホールディングスとして、ルーヴル美術館展を通じて文化芸術に貢献できることを、非常に光栄に思っております」と述べた。

野村ホールディングス株式会社・執行役員の谷垣浩司氏

ルネサンス美術の成熟期の作品が50点余り集結

ここからは、本展日本側監修者である国立新美術館・主任研究員の宮島綾子氏による解説を交えながら、展覧会の見どころを厳選して紹介しよう。本展では、ルネサンス美術の本質的な特徴に光を当てることを試みる。15世紀後半から16世紀後半、つまりルネサンスの動向がヨーロッパ各地で成熟を遂げた時代の作品を中心に紹介する形だ。

第1章のテーマは「旅」。当時、ルネサンスの芸術家たちは腕を磨くために、あるいは注文者に招かれたために、旅をすることが多かったという。そうした時代を象徴する「最もふさわしい芸術家」に、宮島氏はドイツの巨匠アルブレヒト・デューラーを挙げた。

「ドイツを拠点としていたデューラーは、二度にわたってアルプスを越えてイタリアに赴いています。デューラーはイタリアのルネサンス様式を学んでドイツに持ち帰りました。その一方で彼の高度な版画技法がイタリアの画家たちに影響を与えています。旅するルネサンス画家の典型といえる人でした」と宮島氏。

そして、デューラーが描いた《サイ》は、この時代ならではのモチーフといえる。実物を見ずに描いたそうで、よく見ると存在しない角が生えているなど、実際のサイとはかけ離れているが説得力がある。

アルブレヒト・デューラー《サイ》1515年(初版) パリ、ルーヴル美術館  Photo (C) GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom

第2章「技法の革新と洗練」で見られる、イタリアの版画家マルカントニオ・ライモンディによる《パリスの審判》は、「この版画がなければ、ルネサンスから現代までの美術史は大きく書き換わっていたかもしれない」といわれるほどの重要作品だ。この版画は同時代にとどまらず、その後も何世紀にもわたり芸術家たちの着想源となり、マネやピカソの作品にも影響を与えた。

マルカントニオ・ライモンディ、ラファエロ・サンツィオの原作に基づく《パリスの審判》1513‒1518年頃 パリ、ルーヴル美術館  Photo (C) Musée du Louvre, Dist. GrandPalaisRmn / Angèle Dequier / distributed by AMF-DNPartcom

また、16世紀後半に本物の動植物から直接型を取り、実物そっくりの装飾を陶器に施すという非常に特殊な技法を確立した、フランスの陶芸家ベルナール・パリシーの作品も目を惹きつける。本展で紹介されるのは、その技法を受け継いだ17世紀の工房の作品だが、陶器とは思えないほどリアルな蛇や魚の表現に圧倒される。

フランス、おそらくパリ《「田園風陶法」による楕円水盤》1600 ‒1650年 パリ、ルーヴル美術館  Photo (C) GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF-DNPartcom

第3章「古代へのまなざし」では、イタリアの画家サンドロ・ボッティチェリが描いた聖母子を展示する。幼子イエスを抱く聖母マリアを描いた作品だが、その表現には、古代美術を学んだ成果が窺える。こうした視点で見るのも新たな学びとなりそうだ。

サンドロ・ボッティチェリ《5人の天使に囲まれる聖母子》1470年頃 パリ、ルーヴル美術館  Photo (C) GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Gabriel De Carvalho / distributed by AMF-DNPartcom

《美しきフェロニエール》の謎に迫る

「肖像芸術」をテーマとする第4章で、本展の注目作品である《美しきフェロニエール》がお披露目となる。名画《モナ・リザ》の系譜を感じさせる優美な女性像が印象的だ。展覧会ポスターでは、この絵にキャッチコピー「そのまなざしは、いつも謎の中。」と添えられているようにミステリアス。一体、何がそんなにも謎めいているのだろうか。

レオナルド・ダ・ヴィンチ《女性の肖像》、誤って付された別称《美しきフェロニエール》1490‒1497年頃 パリ、ルーヴル美術館  (C) GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado

宮島氏は、「美しきフェロニエールは、実際には架空の人物である可能性が高い」と説明。さらに、17世紀後半から18世紀にかけて「美しきフェロニエール」と呼ばれていたのは、別の肖像画だったそうだ。いずれもフランス王家の所蔵だが、18世紀から19世紀への世紀の変わり目頃に呼称が混同されたという。本作を紹介する「誤って付された別称」という不可思議なタイトルはこの経緯に由来する。

ロンバルディアの画家《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》1500 ‒1512年頃 パリ、ルーヴル美術館  Photo (C) GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Franck Raux / distributed by AMF-DNPartcom

また、表現技法にも注目すべき点がある。レオナルドは、人物の体の動きを通して心の動きが伝わるように描くべきだと考えていた。《美しきフェロニエール》は一見、動きがないように思えるが、顔と体がほんのわずかに逆を向いている。2014年から2015年の科学調査では、レオナルドが制作途中で女性の頭の向きを微調整したことが判明しており、実に興味深い。 

捉えどころがない佇まいのなかに、人間の内面にある複雑な心理を描き出す——「レオナルドがその課題にいかに挑み、生涯を通じて追究したかを、皆様に感じ取っていただけるのではないかと思います」と宮島氏は解説した。

「ルーヴル美術館に行った回数は数えきれない」北川景子が登壇

展覧会アンバサダーには、俳優の北川景子が就任。美しいピアノの音色とともに登場した北川は、ルネサンス様式を思わせるシャツを着こなし、「パリでのロケ衣装を決めるときにすごく迷ったのですが、最終的に選ばなかったもの。今日のこの黄色いステージにはぴったりだなと思いました」と笑顔を見せた。

展覧会アンバサダー・北川景子

北川は『news every.』特別編の番組収録のため、フランスを周遊し、ルーヴル美術館で特別撮影を実施。館内では10000歩以上も歩いたそうで、「とにかく楽しかったな」と振り返りつつ、本日の司会・進行役でロケにも同行した瀧口麻衣アナウンサーに、「筋肉痛はなかったですか?」と労った。

実際にルーヴル美術館で《美しきフェロニエール》を見た印象については、「やっぱり目力がすごかった。こちらをじっと見据えているような強い女性の眼差しがあり、真っ黒な背景から人物が浮かび上がって見える。圧倒的な存在感に、なぜこんなにも惹きつけられるのだろうと思いながら、間近で細部までじっくり拝見できた」と鑑賞体験をありありと伝えた。 

展覧会アンバサダー・北川景子

するとここで、サプライズが始まる。北川の登場時に流れていた楽曲は、実はピアニストの角野隼斗が作曲した本展のテーマ曲「Forma」(フォルマ)。会場には角野からのコメントVTRが流れ、「Forma はラテン語で“形”を表す言葉。ピアノの一音一音、あるいはフレーズの一つひとつが線となって、そこから輪郭が浮かび上がるイメージを持ちながら、それがルネサンス時代に花開いたさまざまな“形”を表す芸術とリンクしたらいいなという想いで作りました」と制作背景を伝えた。

角野隼斗

角野は北川主演の映画『ナイトフラワー』のテーマ曲も担当しており、今回で再びのコラボとなる。北川は「すごくご縁を感じた。この展覧会に何てぴったりな曲なんだろう」と喜びを見せた。

ルーヴル美術館好きも、アート初心者も楽しめる展覧会

本展では“そのまなざしから見つめる、ルネサンス”をコンセプトに、手触り、彩り、装い、香り、味わいの5つのジャンルから多彩な商品を展開する。一部商品は、日テレの通販サイト「日テレポシュレ」で先行販売が行われ、グッズを身につけて展覧会に行く楽しみ方もできる。

『ルーヴル美術館展 ルネサンス』公式グッズ(一部)

『ルーヴル美術館展 ルネサンス』公式グッズ(一部)

北川がプロデュースする展覧会グッズとして、オリジナルタンブラーも開発中だ。北川は「展覧会を見たときの気持ちを忘れないために、私もグッズを買うのが楽しみの一つになっていて。今回はフランスやルネサンスを彷彿とさせる要素をデザインに落とし込みたい」と意欲を表した。

最後に、展覧会を楽しみにしている方へのメッセージとして、「ルーヴル美術館の絵画がお好きな方はもちろん大満足の展覧会だと思いますが、なんとなく絵画って敷居が高いな、と感じている人も楽しめる作品がたくさん来日します。芸術の秋ということで、多くの方の目にこの作品たちが触れてくれたらと思います」と、幅広い層への来場を呼びかけた。

展覧会アンバサダー・北川景子

ルネサンス美術の多様性と技法の発展を紹介する本展。さらに、ボッティチェリ、ティッツィアーノ、デューラー、クラーナハ、エル・グレコなど、ルネサンスを代表する巨匠たちの傑作も見逃せない。

『ルーヴル美術館展 ルネサンス』は、国立新美術館にて、2026年9月9日(水)から12月13日(日)までの開催予定。


文・写真(発表会の様子)=さつま瑠璃、広報画像=オフィシャル提供

イベント情報

ルーヴル美術館展 ルネサンス
◆会期:2026年9月9日[水]~12月13日[日]
◆休館日:毎週火曜日

※ただし9月22日(火・祝)、11月3日(火・祝)、12月8日(火)は開館、11月4日(水)は休館
◆開館時間:午前10時~午後6時(毎週金・土曜日は午後8時まで)
※入場は閉館の30分前まで
◆会場:国立新美術館 企画展示室1E
◆主催:国立新美術館、ルーヴル美術館、 日本テレビ放送網、読売新聞社、BS日テレ
◆後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
◆特別協賛:野村證券
◆協賛:光村印刷、竹中工務店、ヴァシュロン・コンスタンタン、日本郵政
◆協力:日本航空、エールフランス航空、KLMオランダ航空、日本貨物航空、日本通運、TOKYO FM、日テレイベンツ
◆企画協力:NTVヨーロッパ
◆お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
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