FUNKY MONKEY BΛBY'S × いきものがかり 重ねてきた日々の濃密さと育んできた絆を見た『20周年対バンライブ』レポート
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FUNKY MONKEY BΛBY'S × いきものがかり
FUNKY MONKEY BΛBY'S × いきものがかり 20周年対バンライブ ~あの日の約束ハタチまSHOW!!~
2026.6.21 東京ガーデンシアター
2006年にデビューした同期の両グループによる『FUNKY MONKEY BΛBY'S × いきものがかり 20周年対バンライブ ~あの日の約束ハタチまSHOW!!~』が、6月20日(土)と21日(日)の2日間にわたり東京ガーデンシアターで開催された。デビューした直後、四国のライブハウスで初めて出会ったFUNKY MONKEY BΛBY'Sといきものがかり。共有している思い出に触れながら20年の軌跡の中で生んだ曲を披露し合う姿は観客を和ませ、胸を打っていた。21日(日)の模様をレポートする。
スクリーンで流れたオープニングムービー。FUNKY MONKEY BΛBY'S、いきものがかりがデビューした2006年の出来事、流行などを振り返る内容だったのだが、アイススケートのリンクでイナバウアーをする女性が突然映し出された。「トリノオリンピックで荒川静香選手が金メダルを獲ったのも2006年だったのだなあ」と、のんびり思い出していたら、ご本人でびっくり! 「FUNKY MONKEY BΛBY'S、いきものがかりのみなさん。デビュー20周年、おめでとうございます。FUNKY MONKEY BΛBY'Sの「あとひとつ」、いきものがかりの「ありがとう」は、私自身もたくさんの勇気を頂いてきました。これからもみなさんにすてきな歌を届けてください。それではみなさま、お待たせしました『FUNKY MONKEY BΛBY'S × いきものがかり 20周年対バンライブ ~あの日の約束ハタチまSHOW!!~』、開催します!」――豪華極まりない開会宣言と共に2マンライブがスタート。最初に登場したのは、いきものがかりだった。
ピアノの伴奏で「風が吹いている」を歌い始めた吉岡聖恵。温かな声が会場の隅々にまで広がっていった。水野良樹のギター、バンドメンバーたちの各楽器の演奏も加わり、輝きをますます帯びた歌声。続いて、「気まぐれロマンティック」へ突入すると、観客は手拍子をしながら高鳴る胸の内を表現し始めた。飛び跳ねる人々が生む振動が足元から伝わってくる。ステージから客席の様々なエリアを眺める吉岡と水野の表情が、とても嬉しそう。最初の小休止での2人の言葉も明るくはずんでいた。「いきものがかりは、“モニタースピーカーに乗っちゃいけないよ”という教育を受けた世代なんです。これは壊れないように網がかかっていて、“乗っていい”ってことなんで、昨日から僕ら、初めて乗ってます(笑)」と言っていた水野。金網で補強されたモニタースピーカーをお立ち台として使えるステージを吉岡も大いに楽しんでいたようだ。そういえば……「気まぐれロマンティック」の途中で観客を元気よく煽った彼女の姿は、ファンキー加藤からの影響を感じさせるものがあった。
本間昭光(Key)、林部直樹(Gt)、安達貴史(Ba)、山本真綺(Dr)、坂井"Lambsy"秀彰(Per) 、足立賢明(Mp)――バンドメンバーたちの紹介を経て、「キミがいる」がスタート。歌詞の《キミがいる》を《ファンモンがいる》、《恋は輝く》を《祝・デビュー20周年》に替えて歌ったので、観客は拍手喝采。「YELL」は、瑞々しいメロディが壮大に高鳴った。観客の大合唱も加わった響きが桁外れに心地よい。人々に深く愛されている曲だと強く実感させられた。そして再び迎えたMCタイム。ファンモンと四国のライブハウスで初めて出会った20年前のことを水野が振り返った。「僕らは僕らでファンモンにびっくりしてたんですけど、ファンモンはファンモンで“なんとかがかり”にびっくりしてたみたいで(笑)。この曲を聴いた時にすごく衝撃を受けたと加藤くんが言ってくれました。昨日は今の進化したバージョンで聴いていただいたんですけど、せっかくなので20年前のCDリリース時のオリジナルバージョンで今日はお届けします」――ファンキー加藤に衝撃を与えた「コイスルオトメ」は、デビューした頃のいきものがかりを思い出しながら耳を傾けた観客もいたはず。歌と演奏が幕切れた時、感極まっているのがわかる拍手が客席から届けられていた。
青いペンライトの光で染まった空間が、メロディをとても美しく彩った「ブルーバード」。掛け声を上げながら踊る楽しさを届けまくっていた「じょいふる」の後、吉岡もファンモンとの思い出を振り返った。「私たち、四国のライブハウスで、お客さんが本当に少なかった時に集まったんです。あの時のFUNKY MONKEY BABYS(当時のグループ名表記)はガツガツ、ギラギラしてました。“上に行ってやるんだ!”っていう気持ちがすごく伝わってきて。でも、いきものがかりも静かなグループと思いきや、“負けない!”と。彼らは、そういう風に気持ちを鼓舞してくれるグループです。昔を知ってるグループと、これだけ熱いお客さんの前で2マンができたのが本当に嬉しいです。これからも2組をよろしくお願いします!」――そして、「帰りたくなったよ」がラストに披露された。郷愁を誘うあのメロディは、吉岡の歌声とじっくり向き合わせてくれる。安らいだ心が静かに潤っていく至福のひと時だった。
水野とファンキー加藤が思い出の場所を訪れ、吉岡とモン吉がナレーションを担当した『ぶらり20周年の旅 in 徳島』というタイトルの幕間ムービー(当時、共演した四星球の北島康雄とU太も登場)を挟み、FUNKY MONKEY BΛBY'Sのライブがスタート。ステージに飛び出してきたファンキー加藤とモン吉が「WE ARE FUNKY MONKEY BΛBY'S」を歌い始めると、観客の軽快な手拍子が加わった。2曲目「LIFE IS A PARTY」も人々のダンス衝動を加速。デビュー曲「そのまんま東へ」は、会場を情熱的なエネルギーで満たしていた。「告白」と「エール」も届けられた直後、「FUNKY MONKEY BΛBY'Sの「エール」という曲、聴いてもらいましたが……やっぱりいきものがかりの「YELL」の方がいいな」とぼやいたファンキー加藤。「そう思う」とモン吉も頷いたので観客は大爆笑。「俺がネガティブなことを言っても、モンちゃんがポジティブで返す。それがファンモンでしょ!」(ファンキー加藤)。「でも、正直がモットーなんで」(モン吉)――テンポの良いやり取りが楽しい。そして、昨日は名前を呼ばれることがなかったサポートDJのバカムスコ翔が紹介された。いきものがかりがバンドメンバーの1人1人をフルネームで紹介するのを見て反省したのだという。そんなMCタイムを経て披露された「音楽を鳴らそう」は、やはりライブがよく似合う。観客と交わすコール&レスポンスが、躍動するビートにさらなる熱を加えていた。
中盤の小休止で、20年前を振り返ったファンキー加藤。楽曲とライブに感銘を受けた彼は、いきものがかりと仲よくなりたいと思い、連絡先を交換したのだという。「大至急、赤外線通信した」……懐かしいワードが飛び出したので観客は大爆笑。しかし、その後の話は胸を打つものがあった。「この20年間、いきものがかりからすごくパワーをもらってました。その反面、ライバルだと思うところもあって。“いきものがかりに負けたくない”という想いは自分の中で力になったし、前に進む原動力になったのね」――“切磋琢磨”という言葉がふさわしい両者の関係性が伝わってきた。そして、「聖恵ちゃんの歌声にはどうしても勝てないと思う時もあったんだ。だから俺は何度もお客さんにマイクを向けて、『一緒に歌ってくれ! あなたの想いを乗せてくれ! あなたの歌声を貸してくれ!』と言いながらやってきました。あなたの想いを僕たちのメロディに少しだけ貸してください!」と呼びかけてから歌い始めた「あとひとつ」。観客の大合唱と手拍子が加わり、とても雄々しい響きを帯びていた。
「夢を歌えば笑われたりもしました。希望を歌えばバカにされたりもしました。きっと俺たちだけじゃ心が折れてたでしょう。でも、隣にはいつもいきものがかりがいた。同じような風を受けながらそれでも突き進むその姿に俺たちはずっとパワーをもらってました。歌っていく勇気をもらってました」と「ちっぽけな勇気」を歌う前にファンキー加藤が言っていたのも思い出される。数々の応援ソングを世に送り出してきたファンモンにとって、いきものがかりの存在はとても大きかったのだと思う。“20年かけて積み重ねてきた世界一の、誰にも負けない応援ソング”と称していた「ちっぽけな勇気」を“ぶっ倒れるのでは?”というくらいの熱量で歌う2人の姿が、観客の心を激しく鼓舞しているのを感じた。そして、ラストを飾ったのは「悲しみなんて笑い飛ばせ」。色とりどりのタオルが客席内で力強く回転する風景が壮観。ファンモンといきものがかりのファンが一体となって巻き起こした風が、とても心地よく感じられた。
アンコールでは、最初に「ありがとう(co-lab ver.)」がバンド演奏で届けられた。いきものがかりの「ありがとう」から始まり、途中でファンモンが歌う「ありがとう」になり、再びいきものがかりの「ありがとう」となって迎えたエンディング。両グループの間で交わされた“ありがとう”の気持ちが、会場に集まった観客も包んでいた。そして、いきものがかりとの共演を改めて大喜びしたファンキー加藤。4、5年前から水野をランチに誘い、一緒にイベントやったり、曲を作ったりすることを提案していたのだという。「ここまで自分主導でイベントごとを起こすって、今までなかったんだよね」と強い感慨を言葉に滲ませた彼は、共に30周年を迎える10年後の2マンを提案。モン吉、吉岡、水野は大賛成していた。
FUNKY MONKEY BΛBY’S × いきものがかり名義で6月3日にリリースされたメジャーデビュー20周年記念コラボ楽曲「奇跡じゃない」が最後に披露された。彼らが重ねてきた日々の濃密さ、育んできた絆がまっすぐに伝わってくる。ステージの真上にあるミラーボールが光を放っていたが、その真下にいる4人の笑顔の方がまぶしかった。歌い終えた後、スペースを仲よく配分し合い、モニタースピーカーの上に乗って並んだ4人。「以上。FUNKY MONKEY BΛBY'S と、いきものがかりでした!」――声を揃えた挨拶を拍手と歓声が包んだ。彼らが噛み締めていた幸福感は、とても大きかったに違いない。
取材・文=田中大 撮影=川島彩水
セットリスト
東京ガーデンシアター
リリース情報
2026年6月3日(水)配信