夏休みのお出かけにおすすめ!見て、さわって、体験して、理解する、涼しくなれる特別展「大南極展」がスタート

レポート
イベント/レジャー
2026.7.17
左から:橋田元(国立極地研究所  教授)、高木啓伸(日本科学未来館 副館長)、熊谷宏靖( 国立極地研究所 広報室長)

左から:橋田元(国立極地研究所 教授)、高木啓伸(日本科学未来館 副館長)、熊谷宏靖( 国立極地研究所 広報室長)

画像を全て表示(39件)

南極観測70周年を記念した特別展「大南極展」が7月1日(水)より9月27日(日)まで日本科学未来館にて開催。開催日の前日の6月30日には、記者発表会とメディア先行内覧会が行われ、本展の見どころがたっぷりと紹介された。

内覧会に先立ち開催された記者発表会では、日本科学未来館副館長の高木啓伸氏が挨拶し、展示を紹介。開催場所となる日本科学未来館について「最先端の科学とイノベーションを体験し、対話し、想像を膨らませる、そんな未来をつくるプラットフォームを目指して様々な活動を行っている」と挨拶し、そんな未来を考える時に重要な課題のひとつが気候変動と指摘。日本科学未来館では常設展、プラネタリウム、科学コミュニケーターによるイベントなど、様々な活動を行ってきたとし、「近年、南極はこうした気候変動の影響を鋭敏に受けている地域として注目が集まっている」と話す。続けて「南極の気候の変化、氷の歴史と変化、そして生息する動物たちの変化。こうしたものを観測することにより、日本に住む私たちの未来を知ることができる」と語り、そういった事実が最先端の科学から明らかになりつつあると明かす。本特別展では「こうした重要な南極に関する展示が体験できる」と魅力をアピールした。

日本の南極観測は、1956年に第1次南極地域観測隊を乗せた南極観測船「宗谷」が東京・晴海埠頭を出港したことから始まった。本特別展は南極地域観測事業の70周年を記念し、未知なる極限の大地「南極」における南極観測の70年の活動とその挑戦に迫っている。高木氏は「今回の展示では、そうした重要な南極の観測活動を楽しめる形で体験していただけるように工夫をいたしました」と語り、「来場されたみなさんには、特別南極観測隊の一員となって、ペンギンを間近で見たり、ペンギンを数えたり、氷に触ったり、氷に耳を澄ましたりといった活動が体験できる」と見どころを語り、「それほど寒くはなく安心して体験できるブリザードに吹かれる体験も楽しんでいただける」とも説明。本特別展を通して、「地球環境の重要性、そして未来を予測する科学に気づき、その関心を持つきっかけとなることを願っている」と力を込めて挨拶し、大きな拍手を浴びていた。

左から:熊谷宏靖( 国立極地研究所 広報室長)、橋田元(国立極地研究所  教授)

左から:熊谷宏靖( 国立極地研究所 広報室長)、橋田元(国立極地研究所 教授)

高木氏の挨拶に続き、国立極地研究所 南極観測センター 教授、副センター長で、第54次南極地域観測隊越冬隊長、62次・65次隊長を務めた橋田元氏、国立極地研究所 広報室長で61次隊副隊長を務めた熊谷宏靖氏が登壇し、南極観測での思い出や、南極での暮らし、苦労や魅力などについて語るトークセッションも開催された。

南極観測でもAIは活用されているそうで、海氷の動きや厚さ、分布や動きなどに関しては、AIを使って学習させ、その分析に使うということはすでに実際に行っているとのこと。橋田氏は「やればやるほど分からないことが出てくるという研究の面白さ、難しさがある」と南極観測の魅力に触れる。熊谷氏は「南極に行かないと手に入らないサンプルがあって、それがないと地球全体のことがわからないと思っている」と話す。続けて「地球の今後の地球の環境変動はどうなっていくか、気候の変動はどうなっていくかを考えた場合に、今、南極の内陸部で氷の掘削をしているのですが、なぜそれをしているのかといえば、過去の地球の気候環境はどうだったかを調べるために、古い氷を採取しなきゃいけない」と語った熊谷氏は「そういった古い氷は南極にしかない。 だから南極で掘り、南極でデータを取る。それは、地球全体の過去の気候環境を復元するための鍵になる。だから、南極でしか得られないデータを求めて、我々は南極まで行き、データサンプルをもとに地球全体の過去のことを理解し、その上で初めて、地球の将来予測に役立つような研究が出てくるのかなと思っています」と南極観測をする理由について丁寧に説明した。

南極での食事については、冷凍技術も非常に進歩しているとし、フリーズドライ以外にも冷凍物などを持って行き、非常においしく食べることができているという。また、昭和基地では「アクエリ」という水耕栽培で葉物野菜なども現地で作っているということも明かされた。また、日本との連絡手段については、インターネット回線を使うことができるため、昭和基地でもほぼ即時に連絡を取り合うことができるとのこと。さらに、動画の閲覧なども可能で、現在開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)などの観戦ももちろん可能だと笑顔で教えてくれた。

南極滞在中の思い出として、橋田氏は極夜の体験を挙げ「太陽は出なくても月は出る。南極は非常に空気が綺麗で、満月だと極夜であってもものすごく明るい。屋外でも文庫本が読めるほどの明るさ」と説明し、「なかなか体験できないこと」と話し、来場者を驚かせていた。熊谷氏は3回南極へ行っているが、全て4ヶ月ほどの滞在で極夜は体験していないとのこと。「体験してみたい気持ちもあるけれど、人間のバイオリズムは日光を浴びないとうまく回っていかないっていうのは正直ある。極夜になるとやっぱり観測隊も少し沈みが出てくるというのはよく言われる話なので、そういう話をいっぱい聞くといいかなとも思います」と明かし、笑いを誘っていた。

夏休み中の開催となる本特別展には子どもの来場者もたくさんくると予想される。子どもたちに向けてのメッセージとして熊谷氏は「観測隊は実は科学者、研究者だけが行っているわけではない。半分くらいはそれを支える人たち。例えばご飯を作る調理担当の方、お医者さん、大工さんや発電機のエンジニアのみなさんもいます。そういった方たちと共有した時間は非常に貴重なもの」とし、いろいろな方が観測隊を目指すことができると強調。「南極観測隊に参加する道はいろいろあることが伝わるとうれしい」と期待を込めていた。

内覧会では特別展の見どころを体験。本特別展のポイントは来場者が「特別南極観測隊」の一員となり、見て、さわって、体験しながら、日本の南極地域観測隊が行う多種多様なミッションを学べることだ。南極で採集された貴重な氷、隕石などの実物サンプルや、南極ならではの壮大な映像、体験型コンテンツなどを通して、謎とロマンあふれる秘境の魅力をリアルに体感できる貴重な特別展となっている。

南極の氷

南極の氷

展示室に入ると、いきなり大きな見どころに遭遇! なんと本物の南極の氷に触れ、その冷たさや感触を確かめることができる。暑い夏にひんやりとした氷に触って、クールダウンした後には様々なコーナーがお出迎え。生き物エリアでは、制限時間内にペンギンの数をカウンターを使って数える「ペンギンセンサス」やアデリーペンギンのヒナ(本特別展では模型)の重さを量る体験が可能。隕石探査エリアでは火星隕石や月隕石のスライスにさわる体験も出来、南極を走るスノーモービルに乗れるフォトスポットなども用意されている。

ブリザードエリア

ブリザードエリア

続くブリザードエリアでは、ブリザード級の強風と視界不良を安全に体験できる。南極の厳しい自然環境をリアルに体験することができる。そして、南極滞在で隊員が毎日楽しみにしている食事について学べるコーナーも。本特別展ではラーメン、おでん、麻婆豆腐などに加えて、年越しそばといった特別な時に食べるメニューを含む、さまざまなメニューのサンプルが展示されている。一番人気のメニューは、ぜひ会場でチェックしてみて!

トートバッグ 水色・青色・オレンジ 各2,750円(税込) 白 3,300円(税込)

トートバッグ 水色・青色・オレンジ 各2,750円(税込) 白 3,300円(税込)

(左)ホーローマグカップ 2,200円(税込)、(右)フロストマグカップ 1,980円(税込)

(左)ホーローマグカップ 2,200円(税込)、(右)フロストマグカップ 1,980円(税込)

展覧会場内の特設ショップでは、「大南極展」オリジナルグッズや「大南極展×すみっコぐらし」のオリジナルコラボグッズなど販売。ちなみに、会場に入る際に配布される「特別南極観測隊 ミッションシート」の中にはおまけミッションとして「すみっコをさがそう!」も記載されている。会場の8箇所にいるすみっコたちを探すのも、本特別展の注目ポイントのひとつだ。ちなみにこの「特別南極観測隊ミッションシート」は展示エリアを巡りながらクイズの答えを探し、シートに書き出していく参加型のコンテンツ。クイズにクリアして、シート裏面の「特別南極観測隊 認定証」欄に記念のスタンプを押し、認定証を完成させるお楽しみのコンテンツとなっている。

おまけミッション すみっコをさがそう!

おまけミッション すみっコをさがそう!

夏休みのおでかけにぴったりの本展覧会には、累計来場者カウントで下3桁777番になった来場者(例:777番目、1777番目、2777番目など)、本物の南極の氷がプレゼントされるというクールなサプライズも。南極で何千年も眠っていた"地球の記録"をゲットできる貴重なチャンスなので、狙いを定めて足を運んでみてはいかがだろうか。

写真手前は南極銭湯コインロッカーキーホルダー 各1,100円(税込)、ラバーペンギン親子 親:990円(税込)、赤ちゃん:660円(税込)、南極銭湯タオル 各660円(税込)、写真奥はスイーツ缶  缶バッジ付き 各1,296円(税込)

写真手前は南極銭湯コインロッカーキーホルダー 各1,100円(税込)、ラバーペンギン親子 親:990円(税込)、赤ちゃん:660円(税込)、南極銭湯タオル 各660円(税込)、写真奥はスイーツ缶 缶バッジ付き 各1,296円(税込)

特別アイテムとして「冷凍怪獣ペギラ」グッズも用意されている。「冷凍怪獣ぺギラ ソフビ」は完売)

特別アイテムとして「冷凍怪獣ペギラ」グッズも用意されている。「冷凍怪獣ぺギラ ソフビ」は完売)

また会期中の8月22日には、関連イベント「夏休み自由研究フェス~おしえて!南極観測応援隊~」が開催される。南極観測を支えてきた企業担当者や元観測隊員が登壇するトークイベントや、ワークショップを通じて「南極のしごと」が紹介される。「南極よろず質問コーナー」は、国立極地研究所のスタッフに気になる疑問を直接ぶつける貴重なチャンス! 詳細は公式サイトをチェックしてほしい。

「本物の南極」に触れて観測隊気分を楽しめる体験が盛りだくさんの特別展「大南極展」。夏休みに涼しい場所に出かけたくなったら、ぜひ、訪れてみて。

取材・文・撮影:タナカシノブ

イベント情報

特別展「大南極展」
会期:2026年7月1日(水)~9月27日(日)
会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン(〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6)
開館時間:10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:7月7日(火)、7月14日(火)、9月1日(火)、9月8日(火)、9月15日(火)
入場料金(税込):
大人 [19歳以上]:2,000円(1,800円)
18歳以下[小学生以上]:1,300円(1,100円)
未就学児 [3歳以上]:900円(700円)
※( )内は前売料金および8名以上の団体料金。
※2歳以下は無料
購入URL:https://eplus.jp/dainankyokuten/

主催:日本科学未来館、国立極地研究所、ドリームスタジオ、テレビ朝日、朝日新聞社
企画制作:ドリームスタジオ
特別協賛:KDDI
協賛:三機工業、ミサワホーム、ヤンマーホールディングス、レンゴー、東京農業大学
後援:文部科学省、外務省、環境省、防衛省、気象庁、海上保安庁、国土地理院、情報通信研究機構、東京都教育委員会、立川市教育委員会、東京臨海高速鉄道、ゆりかもめ
協力:東急電鉄

お問い合わせ:大南極展事務局 03-6820-4071
(平日10:00~18:00 ※7月1日以降は開館日の10:00~18:00)

公式ホームページ:https://dainankyokuten.jp
 
シェア / 保存先を選択