【稽古場レポート】池井戸潤原作ミュージカル『民王』を彩る角野隼斗・浪岡真太郎・大原拓真(Penthouse)が手掛けるジャンルレスな極上ミュージカルナンバーに注目
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ミュージカル『民王』の稽古場会見に出席したメンバー(撮影:翡翠)
俳優の別所哲也、有澤樟太郎がひょんなことから心と体が入れ替わる父子を演じるミュージカル『民王』が、2026年9月6日(日)〜10月6日(火)に東京・シアタークリエ、10月11日(日)~13日(火)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、10月17日(土)~19日(月)に福岡・博多座にて上演される。このほど都内で稽古場会見が行われ、別所哲也、有澤樟太郎らキャスト陣とともに、音楽を手がけたピアニスト/作曲家の角野隼斗、共同音楽の浪岡真太郎(Penthouse)、歌詞を手がけた大原拓真(Penthouse)が出席。稽古場では会見とともに4曲の楽曲を生演奏で披露した。SPICEでは、熱気に包まれた会見と稽古の模様をレポートする。
作品は池井戸潤の同名長編小説が原作。厳格でプライドが高い内閣総理大臣の父・武藤泰山(別所)と、気弱で政治に関心がない大学生の息子の翔(有澤)は互いを軽蔑する間柄だった。しかしある日突然、互いの心と体が入れ替わるピンチに直面。国会や就職活動の面接会場で、ドタバタ劇を展開していく。
(左から)別所哲也、有澤樟太郎、角野隼斗、浪岡真太郎、大原拓真
オリジナルミュージカルを制作していく中で大切な「音楽」は、米ニューヨークにある音楽の殿堂「カーネギーホール」でのソロリサイタルやオーケストラ・デビューを果たし、世界で活躍する角野隼斗が担当。さらに、角野とシティソウルバンド「Penthouse」で活動を共にする浪岡真太郎が共同音楽、大原拓真が歌詞で参加した。
稽古場では、本編の一部シーンを4曲の楽曲とともに公開。最初に披露された「就活の歌」では、翔がヒップホップ調の楽曲に合わせ、ダンサーと足を踏みならしながら就職活動の理不尽さを訴えていた。苦手な漢字で失敗するなど、思うようにいかない翔。
後悔された稽古の様子(左から)有澤樟太郎、林瑠奈
ベンチで落ち込んでいると、大学の友人・南真衣(林瑠奈)に励まされ、再び面接へ。再起した翔は「ビッグになる!」という思いをミディアムテンポの楽曲「いまは何者でもないけれど」に乗せて歌い上げていた。
歯痛で歯医者に駆け込んだ父と息子が、並んで治療を受ける「歯医者のテーマ」はジャズ調。二人の気持ちを表すような不穏なサクソフォンの音に、歯を削る際の電子音が入るユニークさ。治療台に上がる前は、「お前が!!」と威勢が良かった父(別所)だったが、治療のために口を開くと「Oh my god!!」と顔をしかめてしまう。各所に散りばめられている音遊び、言葉遊びに注目したい。
福田転球との入れ替わりにも注目の豊原江理佳
階段を降りてくる同級生・村野エリカ(豊原江理佳)に魅了される「エリカ謳歌」は、バンドベースの楽曲。パワフルに歌うエリカの歌詞、翔との掛け合いに圧倒された。
稽古に続いて行われた囲み取材で、自身が書き下ろした楽曲をキャストが歌う姿を初めて見たという角野は「4つのシーンだけなのに、感情が大忙しでした。感動あり、笑いあり、驚きあり。これを全部見たらどうなっちゃうんだろうと思いました。(本番では)泣きながら、大笑いしてるかもしれません。素晴らしかったです。より楽しみになりました!」と感激していた。
ミュージカル『民王』の音楽を手がけた(左から)角野隼斗、浪岡真太郎、大原拓真
浪岡は「曲を書く時は1人で書いてるので、どういう感じになるのか想像がつかないところもあったんですけど、大人数で熱を入れてやっているのを見て、こんなに曲が化けるのかって、僕も感動しました」と笑顔。物語の進行上、歌詞に入れる要素について希望を盛り込みながら制作したという大原は「『歯医者のテーマ』の(歌詞の)『痛いです!』を歌詞に入れた時は、『どうなるんだろう?』と思っていましたが、俳優の皆さんのエネルギーが乗っかると、こんなおしゃれになるんだと感じて、すごい感動しました!」と話していた。
東京公演は開幕目前。稽古の仕上がりについて有澤は「新作オリジナルミュージカルということで、すごく苦労するだろうなって想像はしてたんですけど、びっくりするぐらい順調です。楽曲も素晴らしいですし、面白い!」と絶賛。別所も「作っていただいた楽曲は、本当にどれもキラキラ系なので、これをしっかりと形にしたい」と意気込んでいた。
翔の母・綾を演じる一路真輝は「音楽劇への出演経験はありますが、日本のオリジナルミュージカルに参加するのは初めてです。翻訳物のミュージカルをやる時は、英語やドイツ語を日本語に当てはめる苦労から始まるので、メロディーに対して、歌いにくい歌詞があることはつきものなのですが、今回は完全オリジナルなので、日本語の歌詞をメロディーに乗って歌いやすく歌えるんです。それがとても心地よくて、今回は苦労というよりも本当にうれしい。出演する全ての皆さまが、1人でも抜けたら大変!っていうぐらい、みんなで力を合わせて作り上げている作品なので、1人でも多くの方に見ていただきたいです」と呼びかけていた。
会見では、心と体が入れ替わる別所と有澤が、同じ仕草で笑う場面があった
ミュージカル版のオリジナルキャスト・大物議員の城山和彦役の竹中直人は「皆さんね、若い方々ばかりですから、ついていくのが大変。超高齢者ですからね」と笑わせると、歌唱する歌について「後半は長く歌うので、少しテンポを落としてとか、高齢者ならではのわがままを言わせてもらって頑張っています。途中で歌詞間違えたらどうしようとか、不安がいっぱいあるんです」と心の内を明かしていた。
ヒップホップ、ジャズ、バンドサウンドなど披露された4曲だけでも、様々な要素がある楽曲。クラシック奏者としてはもちろん、映画音楽のアレンジや即興演奏もこなす柔軟な角野だからこそ生まれた音楽には、会見時に出演者から多くの賛辞が寄せられた。
楽曲の雰囲気はまさにPenthouse!いろんな感情がゆさぶられる、極上のミュージカルナンバーが盛り沢山
楽曲制作について角野は「物語の中で人物が入れ替わるっていう特別なギミックがこのミュージカルにはあるので、それをどうやったら音楽で表現できるかなっていうことを色々考えました。どなたが歌われるかが分かった状態で曲を書くことができたので、皆さんが歌われる姿を想像しながら書くことができたことは良かった」と回想。最初の打ち合わせでスタッフから「いろんなジャンルがあって大丈夫」と言われた言葉をポジティブにとらえ、「この方は、こういうジャンルかなって想像しながら制作しました。ミュージカル全体でこういう雰囲気ではなく、歌う人1人1人のキャラクター合わせた曲が生まれました」とコメント。「僕にとって初めてのミュージカルで、素晴らしい作品、素晴らしいキャストの皆さんと、音楽として関われたことを大変うれしく、光栄に思います。僕自身、1人の聴衆として、初演を本当に楽しみにしています。1人でも多くの皆さんと一緒に楽しさを、面白さを共有できたら」と思いを込めていた。
取材・文・撮影=翡翠
角野隼斗さん、イープラスポーズありがとうございます!
今回、ミュージカル『民王』の音楽を担当させていただきました。今日初めて稽古場に伺い、キャストの皆さんの演技を生で体感したのですが、自分が作ってきた楽曲に命が吹き込まれるような感覚で、とても感動しました。笑いあり、感動あり、驚きありで、感情が大忙しでしたね。今回は完全新作のオリジナルミュージカル初演ということで、大変なこともきっとたくさんあると思いますが、このような素晴らしい作品、そして素晴らしいキャストの皆様と関わらせていただき、本当に嬉しく思っています。イープラス貸切公演もあります。ぜひご注目ください。
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公演情報
スケジュール:
2026年9月6日(日)~10月6日(火) 東京・シアタークリエ
2026年10月11日(日)~13日(火) 大阪・梅田芸術劇場 シアタードラマシティ
2026年10月17日(土)~19日(月) 福岡・博多座
出演:
武藤 翔 有澤樟太郎
武藤泰山 別所哲也
村野エリカ 豊原江理佳
南 真衣 林瑠奈(乃木坂46)
貝原茂平 山崎大輝
新田 理 上川一哉
蔵本志郎 福田転球
武藤 綾 一路真輝
城山和彦 竹中直人
原作:池井戸潤「民王」(文春文庫/角川文庫)
脚本:ツバキミチオ
音楽:角野隼斗
演出:永井誠
歌詞:大原拓真(Penthouse) 角野隼斗
共同脚本:笠浦静花
製作:東宝
公式ホームページ
http://tohostage.com/tamiou/