Rei「舞台こそ自分らしくいられる。私の居場所はステージ。」――パフォーマーとしての成長を見せつけたツアーファイナル渋谷公演レポート
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Rei
Rei Solo Tour 2026 “Traveling with Guitars”
2026.9.17 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
「ツアーファイナルを迎える頃には、この5倍ぐらいかっこよくなっているので、またライブに来てください!」
卓越したギタープレイとボーカルを、その表現の芯に持つシンガー・ソングライター/ギタリスト、Reiにとって、タイトル通り彼女の相棒であるギターとともに全国17カ所を巡る今回の『Rei Solo Tour 2026 “Traveling with Guitars”』は、ギター1本でどれだけ観客の心を躍らせることができるかという大きな挑戦となった。そんなツアーの3本目となる6月26日(金)の横浜公演が終わろうとするとき、彼女が言ったのが冒頭の言葉なのだから、彼女が今回のツアーに大きな手応えを感じていることは明らかだった。
本人がそれだけ自信満々なのだから、ツアーファイナルを見逃すわけにはいかないだろう。そう思い、9月17日(木)、渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで開催されたツアーファイナルに足を運んだところ、5倍どころか、7倍とか、8倍とか、いや、数値化は難しいが、彼女はパフォーマーとして一回りも二回りも成長した姿を存分に見せつけてくれたのだった。
「始まる前は自分のキャリアの中で最大本数のツアーということでドキドキしていましたが、チームとお客さんのお陰で回ることができました。今夜もみなさんと一緒に最高の夜にしたいと思います!」
割れんばかりの拍手に迎えられ、オンステージしたReiは早速、アコースティックギター(ギブソンLG-2)を掻き鳴らしながら、スウィンギーな「Tumblin’」、リフにボ・ディドリービートが滲む「Black Cat」、ボトルネックによるスライドフレーズをリフに織りまぜた「B.U.」、そしてファンキーな「COCOA」と4曲をノンストップでたたみかける。ギター1本とは言え、そこはテクニックとエモーションを合わせ持つギタリストとしても名を馳せるReiのことだ。そのパフォーマンスがいわゆる弾き語りで終わらないことは、もはや言うまでもないだろう。「Black Cat」ではコードをブラッシングしながらブルースハープソロをキメつつ、トラメガも使って、ジョン・スペンサーばりにガレージロック的な荒々しさも加えてみせる。また、ドラムヘッドに“Guitar Queen”と書かれた足元のドラムをドスドスドスとキックしながらギターを弾いた「B.U.」では演奏中、スタッフが持ってきた風船をピックで割ってみせ、紙吹雪を舞い散らせるという曲芸的な演出でも楽しませた。
「Come on, Tokyo!!」と客席に呼びかけたReiに観客がワイプで応え、満員の客席が一つになる。
「ここだけの話なんですけど、実は私、ギターオタクなんです。だからギターについて、1本1本語り出したら止まらない」と観客をクスリとさせながら、ギブソンをクラシックギター(Dieter Hopf)に持ち替えると、序盤のロックンロールの喧騒から一転、落ち着いたムードの中、フォーキーな「eutopia」「Call My Name」を披露。前者は跳ねるリフがちょっとラグタイム風にも聴こえ、おもしろい。後者は切実な思いが伝わる歌声とDieter Hopfの美しいしらべが胸に染みる。ちなみに、ボディの鳴りがあまりにも素晴らしいそのDieter Hopfはこの日、Reiが語ったところによると、今年、彼女のアイドルである村治佳織と共演したことをきっかけに購入したのだそうだ。
そのDieter Hopfを今度はマーティンOMC-18Eに持ち替え、演奏したのが、ビートルズの「Day Tripper」だった。しかも、ギターインストアレンジなのだから心憎い。右手と左手が奏でるフレーズがまるで掛け合うようなギタープレイ、そして「Get Back」を織りまぜるアイデアは、さすがの一言。
横浜公演では「With A Little Help From My Friends」をReiによる日本語の歌詞も交え、披露していたが、ここはセトリにおけるビートルズコーナーなのかもしれない(!?)。他の公演では前掲2曲以外の曲も演奏したのか気になるところだが、そんなビートルズナンバーに加え、今回のツアーはセトリに織りまぜたカバーも聴きどころの一つだったようだ。
OMC-18EからギブソンES-225に持ち替えて、ムーディーなフレーズを弾き始めたぞと思っていたら、なんとORIGINAL LOVEの「接吻」だった。メランコリックなバラードとして、じっくり聴かせた1番。そこから一転、テンポアップしてファンキーになった2番。オリジナルをただなぞるだけじゃつまらないということなのだろう。アレンジにもヒネリがある。
「17公演やったら何か発見があるのかと思ってました」
中盤のMCでそう語り始めたReiは、今回、全国17カ所を巡る中で「聴いてくれる人がいて、私がいて、ギターがあれば、どこであってもそこが自分の居場所なんだと改めて思えた」と続けた。
「舞台こそ、自分が自分らしくいられる。居場所はここだって見つけられた。みなさんのお陰です。感謝!」
自分が自分らしくいられる居場所を見つけられたなら、あとは何をすればいい? 思う存分、自分らしく振舞えばいいだけだ。この日、彼女がこれまで以上に自信に満ち満ちていたように感じられたのは、そんな心境の変化があったからかもしれない。
再びギブソンLG-2に持ち替えた後半戦。ストーンズ風のロックンロールなリフを閃かせつつ、クリームの「Sunshine Of Your Love」のリフを一瞬奏でた「MOSHI MOSHI」、シックの「おしゃれフリーク」のフレーズを加える遊び心も楽しかったファンキーチューン「SODA!」と繋げ、コール&レスポンスを交わしながら、気持ちをアゲていった観客の興奮が一気に高まったのが、歌、ギタープレイともに渾身のパフォーマンスを繰り広げたスウィンギーな「Lonely Dance Club」とブギの「New Days」。特に「そろそろ立ち上がって、一緒に踊りませんか!?」と観客をさらに煽った「New Days」では、ルーパーでリフをループさせながら、持ち替えたエレキギター(フェンダーRei Stratocaster R246)を頭の上に高々と掲げたReiに観客が拍手喝采。そして、Reiは手を打ち鳴らすたび音が大きくなっていく観客のハンドクラップを全身に浴びながら、思いっきり歪ませた音色でソロを閃かせる。誰もがこの瞬間を待っていたことは、色めき立った客席の様子からも明らかだった。
エビ反りでギターをかき鳴らしながら曲はエンディングを迎えたものの、一度火がついたらもう止まらない。そのままバスドラをキックしながら、狂暴な音色で掻き鳴らすようにリフを奏で、なだれこんだのがホワイト・ストライプスの「Blue Orchid」。リフに挟み込むミュートしたコードストロークのガガガガという音色も迫力満点だ。
そこからテクニカルなギタープレイとメランコリックな歌心が交じり合う「Heaven」、ブギの「What Do You Want?」と繋げ、一気にラストスパートを掛けていく。最後は「声を出す準備はできてますか? Are you ready!?」と煽って、観客とコール&レスポンスを繰り返しながら大きな一体感を作り上げ、同時にパフォーマーとしての凄みも見せつけたのだが、「What Do You Want?」になだれこむ前にR246をフェンダーTelecaster Thinlineに持ち替え、まるでジミヘンが憑依したかのように轟かせたエモーショナルなギターソロは、観客の度肝を抜いたという意味で、この日一番の見どころだったかもしれない。
「みなさんのいろいろな表情を見ながら歌って、それが曲に染みていき、何度も演奏してきた曲たちが少し新しいレイヤーを纏った気がしました。これからこの曲たちを演奏するたび、この景色を思い出すと思います」
今一度、割れんばかりの拍手に迎えられたアンコールは再びギブソンLG-2を掻き鳴らしながらジャジーな「DANCE DANCE」とファンキーな「BLACK BANANA」を披露。ともにギターソロを閃かせながら、ダメ押しするように観客に声を上げさせ、ツアーファイナルにふさわしい盛り上がりを作り上げる。そして、この日はダブルアンコールに応え、もう1曲、「Long Way to Go」をセトリに追加。無限の可能性が広がるこれからのキャリアに思いを馳せるようにおおらかなメロディーをアコースティックギターの弾き語りで歌い上げると、最後は背中に背負っていたR246で歌心あふれる長尺のギターソロをたっぷりと奏で、観客をうっとりと酔わせたのだった。
「表現者である以上、常にハートを柔らかくしておかないといけない。でも、些細なことで傷つくこともある。これまでは傷つけられて、摩耗していってしまうと思っていたが、発想の転換ができて、磨かれていると思えるようになった」
ところで、アンコールに応える前、Reiはそんなふうに最近の心境の変化を語ったが、それはつまり実際に磨かれているという実感があるということなのだろう。前掲の居場所の話も含め、今回のツアーは彼女を今一度、強くしたようだが、挑戦が大きく結実した今回のツアーを経て、Reiは来年3月12日(金)、3度目となるLINE CUBE SHIBUYAワンマンライブ『BLUE HORIZON』を開催する。
パフォーマーとして、この日、一回りも二回りも成長したことを見せつけた彼女がそこでどんなライブを見せつけてくれるのか今から楽しみだ。
最後は彼女の言葉で締めくくろう。
「新しい音楽景色を見せられるように最高の楽しいことを企んでいるので、絶対に来るように‼」
取材・文=山口智男 撮影=石川雄斗
ライブ情報
2027年3月12日(金)
東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
18:00 Open / 19:00 Start
2年振りとなるLINE CUBE SHIBUYAワンマン公演開催決定!
Reiny Records先行受付が本日よりスタートしました。
下記のボタンより10月1日(木)12:00~10月12日(月祝)23:59まで受付中です。