豪華俳優陣が一堂に会し、新春を華やかに彩る1月歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎』上演演目が決定
『壽 初春大歌舞伎』
2027年1月歌舞伎座『壽 初春大歌舞伎(ことぶき はつはるおおかぶき)』の演目と主な配役が決定した。松本幸四郎、尾上松緑、中村勘九郎、中村七之助をはじめとする豪華俳優陣が一堂に会し、新年の幕開けにふさわしい華やかで見応え溢れる至高の演目の数々をおくる。
昼の部は、新年の幕開けを祝す、賑やかな舞踊三題から。晴れやかに新春を祝い、福を招く『阿蘭陀萬歳(おらんだまんざい)』では、異国情緒漂う長崎の町へやってきた尾上松也の萬歳と坂東巳之助の才造がユーモアと愛嬌溢れる踊りを披露する。
尾上松也
坂東巳之助
続いては、江戸三大祭のひとつ、赤坂山王日枝神社の山王祭を題材にした舞踊『お祭り(おまつり)』。中村歌昇と中村隼人が江戸前の粋な鳶頭に、中村雀右衛門、坂東新悟、尾上右近が艶やかな芸者に扮し、華やかに魅せる豪華な一幕。江戸の情緒と心意気が息づく、粋で洒脱な舞台。
中村歌昇
中村雀右衛門
坂東新悟
舞踊三題の最後を締めくくるのは、能の「鶴亀」の詞章を長唄に移した格調高い祝祭舞踊『鶴亀(つるかめ)』。吉祥と長寿を象徴する動物に扮した廷臣、鶴を松本幸四郎、亀を市川染五郎が勤める。さらにAプロでは、松本白鸚が皇帝として出演し、高麗屋三代が揃って新年を寿ぐ。
市川染五郎
松本白鸚
続いて、横綱を夢見た男の一途な恩義を描く『一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)』。十年の歳月を超えた心の繋がりと、情愛の美しさや優しさが胸を打つ長谷川伸の不朽の名作。中村勘九郎が駒形茂兵衛を歌舞伎座にて本役で勤めるのは今回が初。さらに、お蔦に中村七之助、船印彫師辰三郎に松也、堀下根吉に歌昇、波一里儀十に中村又五郎と、充実の配役でしっとりと味わい深く、詩情に満ちた名舞台を上演する。
中村勘九郎
中村七之助
中村又五郎
昼の部の幕切れは、土蜘蛛退治の伝説をもとにした緊迫感あふれる舞踊劇『土蜘(つちぐも)』。「新古演劇十種」の一つで音羽屋所縁の本作を、これまでも度々勤めてきた尾上松緑の叡山の僧智籌実は土蜘の精でおくる。幸四郎の平井保昌、七之助の侍女胡蝶、坂東亀蔵の番卒太郎、 巳之助の番卒次郎、新悟の巫女榊、勘九郎の番卒藤内、そして中村萬壽の源頼光という華やかな出演者も登場し、華麗な立廻りなど歌舞伎の魅力が凝縮された変化に富んだ展開に期待しよう。
尾上松緑
坂東亀蔵
夜の部は、源義家らによって滅ぼされた奥州安倍一族の再興を志す貞任・宗任兄弟による復讐を主軸に、直方家族の悲劇を描いた『奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)』から。幸四郎が初役で袖萩と安倍貞任を勤め、初世中村吉右衛門、二世中村吉右衛門によっても度々演じられてきた二役早替りでの上演に挑む。松緑の安倍宗任、歌昇の八幡太郎義家、中村歌六の平傔仗直方、中村魁春の浜夕と豪華な顔合わせで、平安時代末期を舞台に親子の情愛を重厚な雰囲気で描く時代物の名作をおくる。
松本幸四郎
中村歌六
中村魁春
続いて上演するのは、歌舞伎舞踊屈指の大曲『京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)』。道成寺の鐘供養に現れた尾上右近演じる白拍子の花子が切ない恋心を披露するうち、可憐さや艶やかさから嫉妬や狂気に変化していくさまを、色とりどりの衣裳や小道具で華やかに綴っていく、絢爛豪華で清新な舞台。
尾上右近
夜の部の打ち出しは、大富豪の若旦那が同心となり難事件を解決する人気小説を歌舞伎化した『大富豪同心(だいふごうどうしん)』。2025年1月に歌舞伎座で上演され好評を博した新作歌舞伎の第2弾となる本作では、NHK BS 時代劇『大富豪同心』シリーズで主人公の八巻卯之吉と幸千代を演じた隼人が前作に続き同役を勤める。幸四郎も前作に引き続き荒海ノ三右衛門を演じるほか、振付を担う尾上菊之丞とともに演出を手掛ける。巳之助の住吉屋藤右衛門、新悟の富士島、尾上右近の銀八、そして中村芝翫の三国屋徳右衛門らも加わり、今回はどのような難事件に挑むのか、早替りなどの歌舞伎の趣向を凝らした演出にも注目しよう。
中村隼人
中村芝翫
新春を華やかに彩る豪華絢爛な舞台となっている『壽 初春大歌舞伎』。どんな公演になるのか期待が高まる。