三代目尾上辰之助、襲名披露を行う『吉例顔見世興行』で劇場前を飾るまねき書きを見学&取材会を実施

2026.11.6
ニュース
舞台

尾上辰之助

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2026年12月1日(火)~24日(木)京都・南座にて、當る未歳『吉例顔見世興行』東西合同大歌舞伎が上演される。公演に先駆けて、顔見世興行の期間に劇場前を飾るまねき看板の「まねき書き」のお披露目と、本公演で襲名披露する、三代目尾上辰之助の取材会が実施された。

辰之助が、出演俳優の名前が書き上げられたまねき看板がずらりと並ぶ妙傳寺にて、自身初となるまねきの揮毫(きごう)を見学し、取材会で公演に対する意気込みを語った。

江戸時代の芝居小屋は、劇場前を種々の文字や絵を使って賑々しく飾り立てることが芝居の宣伝の主要な方法だった。この看板類の一種に「まねき看板」がある。看板上部に庵形をつけたものに、勘亭流(まねき文字)で俳優の名前を記し、上部をその俳優の紋で飾ったもの。南座の吉例顔見世興行ではこの古来からの伝統を古式ゆかしく受け継いでいる。

「まねき書き」にて

自身のまねき看板と並ぶ尾上辰之助

まねきは役者にとっても非常に馴染み深く身近な存在ですが、揮毫の様子を拝見する機会はなかなかないので、こうして出来上がっていく新鮮さと、詰まっている技術や集中力にただただ感動いたしました。見ているだけでも息が止まるような緊張感と神聖さがあり、一筆一筆に気持ちを込めて、正確に美しく書かれている(書き手の井上さんの)お姿は、自分の舞台にも通じるものだと感じました。ひとつひとつの所作に気持ちと技術を込め、より良いものにしていくという芸術としての意識が非常に高まりました。南座は昨年8月の歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁』で初めて出演させていただきましたが、12月の顔見世はずっと憧れていた特別な舞台です。その舞台に襲名披露という形で初出演が叶い、自分のまねきが上がるというのは非常に感慨深く、率直に嬉しいです。

「取材会」にて

尾上辰之助

祖父(初代辰之助)について、先輩方から舞台での格好よさなどのお話を伺っており、漠然とした憧れを抱いておりました。大きくなってから舞台映像を拝見しても、男らしく、どこか破滅的で何とも言えない色気があり、俳優としても人としても深く尊敬できる存在です。5月の襲名直後は不安もありましたが、周囲の方々のおかげで今では自分の中でも違和感なく『辰之助』の名前がしっくり馴染んでおります。昼の部の襲名披露狂言『音羽嶽だんまり』の音羽夜叉五郎は、かつて(七代目)菊五郎のお兄様が演じられたお役であり、大きな責任を感じております。幼少期に旧歌舞伎座のさよなら公演で初お目見得をさせていただいた演目でもあり、再びのご縁を大変嬉しく思っております。諸先輩方の映像を参考にしつつ、立師の方とも相談を重ねて新しいだんまりを作っていきたいです。夜の部の襲名披露狂言『野崎村』は、音羽屋にとっても代々非常にご縁の深い演目です。今回は萬壽のお兄様にお稽古を見ていただいております。久松への一途な恋心をシンプルに全面に出すとともに、細やかな作業が多いお役ですので、お光にとっての日常をさも日常であるかのように不自然なく演じることを大切に勤めたいです。また、昼の部『河内山』の浪路は片岡仁左衛門のおじ様の舞台に出演できるありがたさを噛み締め、片岡孝太郎のお兄さんのご指導のもと女方の基礎を丁寧に勤めたいと思います。『木挽町のあだ討ち』の佐野川妻平は上方言葉の役ですので関西で演じることに緊張もありますが、言葉をきちんと監修していただきながらしっかり挑みたいと思います。憧れの祖父や菊五郎のお兄様のようにまずは女方をしっかりと勉強し、同時に立役・荒事や生世話物、すなわち六代目菊五郎から受け継がれてる芸の中に、生涯をかけて自分にしかない色を見つけ紀尾井町の一門に還元していくことが役者としての生き方だと思っております。父(尾上松緑)の教えである『様々な先輩方から多くを吸収しなさい』という言葉を胸に、昼夜4演目、誠心誠意舞台に臨んでまいります。

公演情報

京の年中行事
當る未歳
『吉例顔見世興行』
東西合同大歌舞伎
 
日程:2026年12月1日(火)~24日(木)【休演】9日(水)、17日(木)
会場:南座

昼の部 午前10時30分~

第一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
 
曽我五郎時致:尾上松也
小林朝比奈:尾上右近

第二、絵本太功記(えほんたいこうき)
尼ヶ崎閑居の場
 
武智光秀:片岡愛之助
操:片岡孝太郎
初菊:中村壱太郎
武智十次郎:中村隼人
佐藤正清:中村鷹之資
皐月:上村吉弥
真柴久吉:中村扇雀
 
 
三代目尾上辰之助 襲名披露狂言
第三、音羽嶽だんまり(おとわがたけだんまり)

音羽夜叉五郎:左近改め尾上辰之助
畠山重忠:松本幸四郎
白拍子仏御前:片岡孝太郎
鎌田蔵人:片岡愛之助
大内息女大姫:中村壱太郎
結城左衛門:中村虎之介
雲霧袈裟太郎:市川染五郎
榛沢六郎:中村亀鶴
浅野弾正:片岡進之介
大江三郎:中村錦之助
夕照の前:中村扇雀
奴伊達平:中村鴈治郎
 
 
 河竹黙阿弥 作
天衣紛上野初花
第四、河内山(こうちやま)
質見世より玄関先まで
 
河内山宗俊:片岡仁左衛門(Aプロ)
     :松本幸四郎(Bプロ)
宮崎数馬:市川染五郎
腰元浪路:
左近改め尾上辰之助
後家おまき:上村吉弥
番頭伝右衛門:片岡松之助
北村大膳:中村亀鶴
和泉屋清兵衛:中村又五郎
高木小左衛門:中村歌六
松江出雲守:中村梅玉
 
※Aプロ(12月1・3・4・5・8・10・13・14・15・18・19・20・23・24日)
※Bプロ(12月2・6・7・11・12・16・21・22日)
 
 
夜の部 午後4時~
 
三代目尾上辰之助 襲名披露狂言
第一、新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)
野崎村
劇中にて襲名口上申し上げ候

久作娘お光:左近改め尾上辰之助
丁稚久松:尾上松也
油屋娘お染:尾上右近
後家お常:中村雀右衛門
百姓久作:中村梅玉
 
   上 萬歳(まんざい)
第二、中 女伊達(おんなだて)
   下 団子売(だんごうり)
 
〈萬歳〉
萬歳:片岡愛之助
才造:中村隼人
同:中村虎之介
 
〈女伊達〉
木崎のお康:片岡孝太郎
男伊達淀川の千蔵:大谷廣太郎
同 中之島鳴平:中村鷹之資

〈団子売〉
お福:中村鴈治郎
杵造:中村扇雀
 
 
永井紗耶子 原作(『木挽町のあだ討ち』新潮社刊)
齋藤雅文 脚本・演出

第三、木挽町のあだ討ち(こびきちょうのあだうち)

伊納菊之助:市川染五郎
篠田金治:松本幸四郎
ほたる:中村壱太郎
佐野川妻平:
左近改め尾上辰之助
衣裳方栄二:大谷廣太郎
鶴屋南北:松本錦吾
伊納清左衛門:市川高麗蔵
伊納家の下男作兵衛:中村錦之助
小道具方久蔵:中村鴈治郎
立師与三郎:中村又五郎
久蔵女房与根:中村雀右衛門
 
 
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