StarS(井上芳雄・浦井健治・山崎育三郎)のレギュラー番組がWOWOWで放送決定!「トライベッカ」
(左から)浦井健治、井上芳雄、山崎育三郎、福田雄一「トライベッカ」
福田雄一「コメディですが、かっこいいStarSは絶対見せます!」
ミュージカル界で数々の作品で主演を務める井上芳雄・浦井健治・山崎育三郎。この3人で構成されるユニットStarSがついにレギュラー番組を持つこととなった。彼らから逆指名を受けたのは、映画・ドラマ・舞台で破竹の勢いで活躍する福田雄一。そして番組内でチャレンジするのはなんとミュージカルコメディ!果たしてどんな番組になるのか、StarSと福田に話を伺ってきた。
――StarSでの活動は久しぶりとなりますが、あえて舞台ではなくTV番組で活動することになったきっかけを教えてください。
福田:芳雄くんから電話が来たんです。
井上:僕の熱烈なオファーです。他二人の反対を押し切って…。
浦井:してないですよ!!(笑)
山崎:そうそう!!(笑)
福田:僕の家で浦井くんとご飯食べて騒いでたんだよ。ちょうどそのとき電話が鳴ったので誰だろうと思ったら芳雄くんで。芳雄くんが「WOWOWでこういう話があるんですが、福田さんいかがですか?」すぐ横に浦井くんがいたから、「浦井くん、こんな電話がかかってきたよ」って。
浦井:「やったー!」ってね!
井上:本当なんです。WOWOWでこういう番組に出していただけるかもしれない、ってことになりまして。僕たちStarSは、ミュージカルをずっとやってきて、ミュージカルをさらにいろいろな方に知ってもらいたいという気持ちもあって3人でやってきた。それがもっと広がればいいなと思っていたところで。でも番組となったら何をどうすればいいかと。
福田さんは、ミュージカル大好きだし詳しいし、よく知っていたので福田さんにお願いすればおもしろくなるんじゃないかなって。しかもミュージカルの魅力も活かしたまま多くの方に伝えられるんじゃないかなって。
井上芳雄「トライベッカ」
山崎:普段ミュージカルだとみんなかっこつけてるんで…
浦井:わははははは!!
井上:(山崎に向かって)おまえはな!
福田:(井上に向かって)おまえもな!
山崎:(笑)だから、普段と違うところを引き出していただきたいなと思いました。それから、ミュージカルのファンの方だけではなく、僕らを知らない方にも「この人たち、おもしろいね。あ、ミュージカルの人なんだ」って知るきっかけになってもらいたい。そういうものを引き出せるのは日本では福田さんしかいないんじゃないかな。ミュージカル愛もあるし。
福田:舞台では、いつもは王子様みたいな変な衣装を着ていて…。
浦井:うわはははははは!!
井上・山崎:変な衣装って言った!(笑)
福田:違う違う、落ち着いて。
山崎:悪口だ!(笑)
福田:違うって(笑)いつも着てるじゃない、タキシードとかひらひらした服とか。
井上:そういう設定ですからね。
福田:三人とお話する機会も多いんですが、舞台のカッコいい姿と普段との間に大分差があることを知って…。
井上:それ、主に浦井くんの話じゃないですか!?(笑)
浦井:わははははは。
福田:いっくん(=山崎)ともね、全然まだご挨拶する前にステーキ屋さんでニアミスしたことがあるんですよ。僕がステーキを食べていたら、なんだか「ウェストサイド物語」のジェット団みたいな男連中を引き連れていっくんが…。
井上:普段そんな人たちと付き合いが…。
福田:いっくんはダーン!と座って…。
山崎:みんな、いい人たちなんですよ~(笑)
福田:そう、例えるなら、なんかダメなジェット団みたいなの(笑)そのときにいっくんって普段こんな感じなのかなあと思ったんです。そして芳雄くんもご飯を食べてお酒が入ってくるとヘナヘナになるじゃないですか。そういうオモシロなところを知っててね。
いわゆる、劇場で立っている皆さんのまた違ったおもしろみを知っている人はあまりいないんじゃないかな。それを伝えるのは僕の役割なんじゃないかなと勝手に思っていまして。
浦井:福田さんって、ものすごく演劇のことに詳しいんですよ。もう「演劇が大好き」っていうのが福田さんの根っこにはある。なので我々を存分にこねくり回してもらいながら、様々な角度から楽しいことを考えて下さるんだろうなとワクワクします。
浦井健治「トライベッカ」
福田:三人とも面白いじゃないですか、普通に。コメディ的なことをやられる機会がそんなにないと思うんですが、StarSのライブのMCとか聞いていたら普通におもしろい。ああ、こんなに面白いのに一部の人しか知らないなんてもったいない。これは全面に押し出すべきなんじゃないかなって。ミュージカル好きな人たちだけが知っているものではないほうがいい、と思ったんです。僕はコメディしかやらないので、普段できない形のコメディをやれたら絶対面白くなるはずと思っている。それが今回の仕事につながったのではないかな、と思っています。
――StarSを素材にどんな番組を作ろうとしていますか?
福田:芳雄くんから電話をもらって直観的にできるんじゃないかなって思ったのは、「クレイジーキャッツ」みたいなこと。「クレイジーキャッツ」の作品って、何の意味もなくいきなり会社から出てきて歌いだすじゃないですか。
StarSの最大の武器である「歌」を使って、なおかつコメディということを考えたときに、クレイジーキャッツがやってたよなあってふと思い出して。そう、オフィスコントをやろうと思っています。「日本一の無責任男」みたいなことをやろうと。
あとせっかくWOWOWでやれるので普段ミュージカルをご覧にならない方にミュージカルってこんなに面白いんだということを伝えたくて。
ミュージカルは「エンターテイメントの帝王」だと思っています。歌も踊りも演技もできなくっちゃいけなくて、エンターテイメントの頂点にいる役者さんたちがやるべきメディアだと思うんです。それを存分に見せつけたいという思いがあり。とはいえ、ミュージカルは日本では案外狭い世界なので、「ミュージカルはこんなにおもしろいよ」っていうことをStarSの3人と布教活動のように頑張っていきたいなーと思っています。
――StarSの中で一番三枚目だ、コメディに向いている、と思うのはどなたですか?
浦井:僕から答えていいですか!?(嬉しそうに挙手)
福田・井上・山崎:どうぞどうぞ!(笑)
浦井:芳雄さんは発言や行動すべてに突っ込みを入れられる人なんです。それも臨機応変に。アタマのキレがいいのでコメディとしてはとても“しゅうえつ”な方で…
井上:“秀逸(しゅういつ)”では?
浦井:“秀逸!”そう、こういう風に突っ込んでくれる方なので(笑)で、イク(山崎)は一緒にご飯に行ったりすると、実はかなりおちゃらけていて面白いことをたくさんしてくれるんです。
井上:物まねの天才だもんね。どんな人でもやるよね。
浦井:そう、物まねうまいんですよ。レパートリー豊富で。エンターテイナーといいますか、面白いことが好きっていう。だから二人ともピッタリだなって思っています。誰か一人、ということではなく。
福田:いっくんって割と舞台とプライベートに差がないよね。
山崎:そうですか?
福田:差がないんだけど、普段「俺かっこいいじゃん」みたいな空気醸し出しているじゃん。でも、そんなにかっこよく見えてなかったりする(笑)
山崎:それはつまり「ボケ」ってことですね(笑)
福田:僕はいっくんのそういう点がいちばん愛せるんですよ。
井上:ボケと突っ込み、どっちもいけるんだよね。
山崎:僕、同世代といるときはボケと突っ込みどっちもやって盛り上がっているんですよ。そして、先輩といるときはボケに回って。で、健ちゃん(浦井)はボケで芳雄さんは突っ込みなので3人でいるときはどこにいたらいいのかと。
井上:最初はすごく探ってたんだよね。
福田:このメンバーでいちばんいじりたいのはいっくんだよ。
山崎:マジっすか!?
山崎育三郎「トライベッカ」
福田:だってこの前、二人で馬刺し食べに行ったとき、馬刺しを食べにきただけなのに椅子にこう(ものすごく大げさに足を組んで)座って…。
山崎:やってない!やってないから!!(笑)
福田:馬刺し食うだけなのにこう!!(再び大げさに足を組む真似)これがおもしろいじゃないですか。いじる、いじらないで言うなら、いちばんいじりがいがあるんですよ。いっくんは。このかっこいい感じが「完璧」だと愛せないけど、ヌケヌケだからさ(笑)
山崎:でもね、僕以上に健ちゃんがボケるからあんまり気づかれないんです。
福田:健ちゃんはボケているつもり、一切ないからね!
浦井:ない、ない。
井上:天然だよね…。
浦井:天然だとも思っていない!
井上:StarSの活動を始めるまで、浦井がこんなにボケるとは知らなくて。コンサートのMCもどうしょうか、って話し合ってたくらい。ところが実際しゃべりだしたら際限なくボケるから、本気でイライラしてきて(笑)
浦井・山崎・福田:わはははははは。
井上:次の進行があるんだ!って合図出しているのに、どんどん話を膨らませちゃうんだよ。
山崎:デビュー仕立ての頃から時間がたつにつれ、浦井くんとの距離感がものすごく縮まって。「先輩」だと思っていた頃は逆に絡みづらかったですね(笑)
福田:わからないもんね、狙いでやっているのか。
山崎:ふざけているのか、本気でやっているのか。
井上:何を言っているのかわからないときがあるもん。真面目なことを言っているんだろうなってこと「だけ」がわかることも。よくまとまらないで終わるってこともある。
福田:StarS武道館コンサートを見たときに、浦井・山崎とはそれほどコンタクトもなかったじゃない?その状態で観に行って「浦井健治、すごいな!」と。あれ、狙いでやっていたらすごいぞ…ってどうやら狙いじゃないなとわかって(笑)
井上:僕ら、トークでみんなと笑うのも好きだし、コントはやったことはないですが、コメディはミュージカルにも多いですしね。決して全然違うことをやるという感じでもないんです。
浦井:おのおの個性がだいぶ違う3人だしね。
山崎:キャラクターがStarSをやることでずいぶん出てきましたね。やってなかったら気づかれないままだったかもしれない。
――井上さんのコメディ度はいかがですか?
福田:芳雄くんは、いちばんハードに形が出来上がっている人。これが崩れたときが一番おもしろいと思う。例えるなら、先日まで舞台「才原警部の終わらない明日」の演出をやっていましたが、芝居の中で、あの堤真一さんがアホみたいにずっとボケ続けていたんです。「堤真一」という人は、映画やドラマで基本的にかっこいい役しかやらないじゃないですか?どこから出しているかわからない渋い低音ボイスで…。でもあの人自身は飲みに行ったら下ネタしか言わないおっさん(笑)でも、世間一般からは「かっこいい」と思われているんです。
芳雄くんは両脇のお二人と違って(笑)完璧なんです。本当に完璧なプリンスロードを歩いてきているんです。これを崩すというのが何よりの楽しみですよね。どうして崩そうかな…って思う一番おいしい食材ですよね。芳雄くんがこの前「才原警部~」を観にきて「覚悟が決まりました」って言ってました。
浦井・山崎:わはははははは。
井上:もう、堤さんがあんな姿になっていたのなら…
福田:「(WOWOWで)こんなことをさせられるのでは」って思ったのかな。覚悟を決めてくださったそうで(笑)
あと、オフィスコントのほかに、ミュージカルのパロディコントもしようかなと思っています。そこで芳雄くんを中心に、「芳雄くん、こんなこともしちゃうのね!」っていうことを遊んでやって。言葉は悪いですが一番簡単におもしろがれるところだと思います。なんとなく、浦井もイクもおもしろいことは知っているが、芳雄くんだって面白い人なのに、なぜか芳雄くんだけ、ハードな殻に…いや、若干薄皮で守られているように思えるので、その殻を破っていくことで楽しくなれるんじゃないかな。
山崎:武道館コンサートでも芳雄さんが80年代のアイドルみたいな短パンをはいて…ちょっとポーズを決めただけでも大爆笑で。
福田:あれがズルイんです。
浦井:僕はふんどしになりましたから。
山崎:我々は身体を張らないと笑いが取れない。芳雄さんはタンクトップに短パンをはいただけで笑いが取れますから。
福田:一番ハードルが低いよね。(WOWOWでは)この短パンをより下げることを目指して…。
井上:生尻ですか…。
浦井:芳雄さん、お尻出しちゃうんだ…。
福田:これがコント番組の一番いいところですね!(笑)
――コメディ番組とはいえ、ゆずれない一線(笑)はありますか?
井上:お尻以上のものね…。
福田:一応3人の事務所さんからは「なんでもOKです」と言われてます。
井上:面白くなれれば何でもしたいなって。中途半端にしても面白くないし。
あと、ちゃんと歌も歌いたいって言ってます。ふざけ倒したままだったら「あの人たち、なんだったんだ?」ってことにもなりますし。知らない人たちのためにも最後かどこか一か所ではしっかり歌いたいです。
福田:必ずかっこいいStarSは絶対見せます。基本的に「禊(みそぎ)」という思いで。
井上・浦井・山崎:「禊」って(大爆笑)
福田:StarSは、ちゃんとかっこいい人達なんだよ、今までいろんなことをやってきちゃったけど!みたいなコーナーは作ろうとしています。それがないと俺はStarSのファンの方に後ろからどつかれる…。
井上・浦井・山崎:(笑)
(左から)浦井健治、井上芳雄、山崎育三郎、福田雄一「トライベッカ」
福田雄一×StarS(井上芳雄・浦井健治・山崎育三郎)「トライベッカ」
2016年4月放送決定!!
脚本・演出:福田雄一
出演:井上芳雄・浦井健治・山崎育三郎 ほか
放送局:WOWOW
月1回30分(全6回)放送