元男役トップスターが歌う「男唄」『麗人 REIJIN -Season 2』CD発売記念コンサート囲み取材レポート

『麗人 REIJIN -Season 2』CD発売記念コンサート囲み取材

『麗人 REIJIN -Season 2』CD発売記念コンサート囲み取材

元宝塚歌劇団男役トップスターたちによる、史上初のJ-POP男性ボーカリストのカバーアルバム『麗人 -REIJIN-』(2015年1月21日発売)がリリースされてから1年あまり。2016年7月1日に発売された昭和歌謡カバーアルバム『麗人REIJIN -Showa Era-』に続く、シリーズとしては早くも3枚目のアルバム『麗人REIJIN -Season 2』が、2016年1月6日(水)にリリースされ、その発売を記念した華やかなコンサートが、1月28日中野サンプラザで開かれた。
 
今回は、「Season 2」というタイトルの通り、アルバム参加メンバーの多くが新加入。特に、『ベルサイユのばら』初演のオスカル役者である榛名由梨を筆頭に、汀夏子、安奈淳、瀬戸内美八、高汐巴、平みち、剣幸、涼風真世、えまおゆう、彩輝なお、貴城けい、壮一帆と、宝塚100年の歴史にその名を刻むレジェンド級のトップスターたちが集結しているのが特徴で、男唄」の名曲に新鮮な息吹を吹き込んでいる。

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このメンバーの中から、榛名由梨、安奈 淳、瀬戸内美八、高汐巴、平みち、剣幸、涼風真世、えまおゆう、彩輝なお、貴城けいが、記念コンサートに集い、アルバム収録曲はもちろん、時代を越えて歌い継がれる様々な名曲をソロで、またデュエットで披露。多くのファンを魅了した。
 
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更にコンサートに先立つ1月27日には、同じ中野サンプラザで前夜祭も開催され、参加10名がそれぞれのアルバム収録曲を熱唱。元月組トップ娘役で、剣幸の相手役でもあったこだま愛と、元花組トップ娘役の大鳥れいがゲストMCとして参加し、公演を大いに盛り上げた。
 

そんな前夜祭を前に、一部リハーサルが公開され、10人の元トップスターの麗人たちが囲み取材に応えて、コンサート、またアルバムへの想いを語った。

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公開リハーサルは、コンサート本番の冒頭を飾る「Sing Sing Sing」で軽快にスタート。個性豊かな元トップたちが次々とソロを歌い継ぎ、互いにアイコンタクトをしながら曲を盛り上げる。どのスターにも独特のオーラがあり、それぞれの存在感は特別だ。

続いて、こちらはコンサートのラストを飾る「いつでも夢を」が歌われる。今も力強さを失わない、夢を求める心を尊ぶ1曲は、夢を作り続けて来た元トップスター達に相応しく、会場は和やかかつ華やかな空気で満たされ、温かな雰囲気の中囲み取材となった。
 
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【囲み取材】
 
──アルバム収録曲を選んだ理由、また曲が決まった時の思いは?
 
 
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貴城
 私はゴスペラーズの「永遠に」を歌わせて頂きました。この曲はグループで歌っているものなので、ソロとして私が1人で歌わせて頂くのはどうかなとも思ったのですけれども、恋愛の歌詞ですが、いろんな人への思いを持って、愛を込めてこの曲に挑戦させて頂きたいなと思い、この曲にしました。
えまお 私は槇原敬之さんの「どんなときも。」を歌わせていただきました。私は初回から出演させて頂いていて、いつも失恋の歌や別れの歌ばかり歌っていて(笑)。ネガティブになりそうな歌ばかりだったので、世の中も明るくればいいなという気持ちも込めて、前向きな歌を、この「どんな時も」の歌詞が素晴らしいなと思って選びました。歌っていて身体に入ってくると、どんどん良い歌詞だと思ってくるので、特に男性に聞いて頂きたいです。
 
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 私は斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」を歌わせていただきました。すごくおこがましいなと思いながら、自分が歌うたいだとは思っていませんが、歌を歌う時はこんな気持ちで歌うというのがベースなんじゃないかな、という気持ちを呼び覚まさせてくれた曲でした。「これを歌って下さい」言われた時には、ちゃんとこの曲を皆様にお届け出来るように歌わないといけないなと思いました。

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高汐
 私は上田正樹さんの「悲しい色やね」を歌わせていただきました。私は関西の生まれなのですが、関西弁で、景色や背景が浮かんで来る、恋をした時の胸がキュンとする感じ、懐かしいですね(笑)いえ、これからですけれども(笑)。そういう感覚が感じられて、とても好きな曲だったので選ばせて頂きました。

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安奈
 私は「黄昏のビギン」ですけれども、大ファンだった水原弘さんが歌っていらして、それを近年はこれまた私の大好きな歌手の方でいらっしゃるがちあきなおみさんが歌っていらっしゃる曲なので、「これを歌って下さい」言われた時には、本当に嬉しくて、光栄に思っております。 

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榛名
 私は「粋な別れ」という石原裕次郎さんの曲を歌わせていただきました。一番最初にプロデューサーとお会いして、お話をした時に、男性曲で大好きなものには、こういう曲もあるし、ああいう曲もあるとお話した中で、「粋な別れ」を、「僕も大好きです」とおっしゃってくださって。私の時代では石原裕次郎さんは本当のヒーローであり、映画俳優でもあり、歌手でもあり、本当にすごい方です。そのような方の歌を私が歌えるのはめったにないことですし、大好きな歌なので挑みました。収録の時にも最初は頑張りすぎまして、「もっと、囁くように」とアドバイスいただき、あぁ、こういう風に歌ったらもっと雰囲気も説得力も出て、良い歌になるんだということも勉強させていただきました。

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瀬戸内
 私はさだまさしさんの「主人公」を歌わせていただきました。何年か前に紅白歌合戦でさださんがこの歌を歌っていらっしゃった時に、当時の自分の心情は忘れてしまいましたが、ともかく歌詞を聞いて、自分の人生の中では自分が主人公なんだ、例えば、自分と言う人物が小説を書いたら自分は主人公なんだということ。当たり前のことですが、そのことがふっと飛び込んできて、そうか、私の人生は私が主人公なんだと改めて感じさせて頂いた曲です。ですから、自分が歌って人様にそういう感動を与えられるかどうか、難しいですが頑張って歌います。

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 私は河島英五さんの「時代おくれ」を歌わせていただきました。プロデューサーさんにお会いした時にいくつか選んだ曲を出しましたら「これがいいね」と、パッと決まりました。私も10年位前から好きで歌っています。歌詞がとても、今は平成になりましたけれど、昭和時代の男性の心情を歌っている感じがして大好きな歌詞なんです。平成の男性の皆様に是非この歌詞を聞いていただきたいなと切に願いながら歌っています。
 
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涼風
 小田和正さんの「言葉にできない」を選ばせて頂きました。まさに嬉しくて嬉しくて言葉にできないほど、大切に大切に思っています。難しい曲ですが精一杯歌わせていただこうと思っています。
 
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彩輝
 森山直太朗さんの「さくら」を歌わせていただきました。プロデューサーの方から何曲か出していただき、難しいかなとも思いましたが、高校時代、宝塚に入学する時に同級生が新幹線の駅までサプライズで送ってくれたのを思い出しまして、この曲を選ばせて頂きました。

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──今回49期生の方から82期生の方までと、参加メンバーの年代が幅広いですが、他の方が歌われている曲にどんな感想を持ちましたか?
榛名 年代が33年ほどに渡っているので、若い方たちが歌っている曲を私たちは知らないし(笑)若い方達は私達が歌っている曲を知らない、そんな感じだと思います。お互いにね。でも聞かせて頂いた時には皆すごく上手に歌って、あぁいい感じだなと。改めて日本のポップス、歌手の人たちの歌にこんなに良い歌がいっぱいあるんだということを私は知って、聞いていて嬉しかったですね。
彩輝 全部の曲を知っていた訳ではないのですが、皆さんとても素敵に歌われていて、先輩方が歌われる宝塚の歌とはまた違った感じで、すごくカッコいいなと思いました。
──榛名さんと安奈さんはコンサートでデュエットを歌われますが、宝塚以外の曲でデュエットされた経験は?
安奈 宝塚以外の曲では、これまでないですね。初めてよね?
榛名 そう初めて。皆もそうかもわからないね。何組かデュエットがありますが、組み合わせも初めてよね。私達は舞台では一緒に歌ったことはあるけど、舞台でも一緒に歌ったことのない人たちもいますね。初めてづくしです。

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──榛名さんに伺いたいのですが、レコーディングですごく緊張されていたそうですが。
榛名 緊張しましたね!久々にブースの中に1人で入って孤独感に見舞われて。昔昔にやった記憶が蘇ってきましたけれども、1人だからどんな風に聞こえているのだろうと。また皆さんの演奏が素晴らしいから、うわーって聞こえてくるので酔いしれてはいるのですが、なかなか「粋な別れ」の世界に自分が入っていくのに緊張しました。その前に安奈さんが「黄昏のビギン」を歌ってたの、それ聞かされた日にはもう大変でしたよ!まぁ上手に歌っているわけ。その後ですからね。またぺーさん(高汐)の「悲しい色やね」も聞かされてね、私の耳にその上手な歌が入ってくるから「もうえらいこっちゃ!」と思って緊張しました。
──歌謡曲を歌うことに対してはいかがでしたか?
榛名 宝塚を卒業してからのライブやコンサートでは、皆結構自分の好きなポップスは歌っているので。私もコンサートで歌う和田アキ子さんの「あの鐘を鳴らすのはあなた」はディナーショーで実は歌ったことがあります。安奈さんはシャンソンの経験が豊富だけれど、ポップスはどう?
安奈 うん、歌うよ。
榛名 あ、やっぱり歌ってるね。皆そうなんじゃないかな?それぞれ活躍していますからね。

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──「男歌」を歌うにあたって、男役時代の経験が役立ったり、また蘇るものなどはありましたか?
榛名 (瀬戸内に)どう?
瀬戸内 私は「主人公」を歌わせて頂いたので、あまり男女は関係ないとは思ったのですが、やっぱり本当に歌詞に共感したし、1つ別の発見としてレコーディングの時に舞台で歌う歌い方をしてはいけなかったんですね。「3階の方に声が届かなくて良いので、前の方に歌ってください」と言われて「そうかー!!」と思いまして(笑)、それはカルチャーショックでしたので、こんな経験をさせて頂けて本当にありがたいと思っています。

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──今回のアルバムに初参加された方々に、『麗人』シリーズに新たに加わった感想を。
榛名 今回49期生から82期生までいるということで、私たち「レジェンド」だと言って頂いて、「私らレジェンドやて」と(笑)。宝塚の世代の中でそういう風に思って頂いているのかと思いましたが、今回私達が入れて頂けてこんなに嬉しいことはなかったですし、若い人たちの感覚も頂けたし、光栄に思いました。『麗人』という素敵なタイトルもついていますので、その中のメンバーにいられることがとても嬉しいです。
安奈 『麗人』…麗しい人よ(笑)。私、勉強不足で第一弾のことを知らなかったので…知ってた?
榛名 知ってた。
安奈 もう本当にすみません(笑)。それで改めて第一弾のCDを聞かせてもらったら皆すごく上手だなと思って。私達も今回入れて頂いたんだけれど、また次のシリーズがどうなるかね。
榛名 続いていったらいいね。
安奈 まだまだいっぱい良い曲があるので、続いていったらいいと思うのでまた入れてください(笑)。
榛名 入れてください(笑)。

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高汐
 私も不勉強で知らなかったんですけれども、今回出して頂いて退団後の先輩たちの変わらないエネルギーとパワーと、また下級生の人たちもそれぞれに頑張っているその空気を感じて、自画自賛になりますが宝塚ってすごいなと思いました。これからもまた皆で頑張っていきたいなと、とても良いステージとCDに出させて頂いたと思っています。
瀬戸内 皆さんと一緒で大変光栄に思っています。ありがとうございます。
 本当に嬉しい限りです。宝塚100周年のイベント以来、こうやって何かある度に集まれていて、それに参加できることがすごく嬉しいです。ありがとうございます。
 私はこのメンバーのだいたい真ん中の位置におりまして、どの曲もほぼ知っていたのですが、上級生の方々、また下級生の方、100周年を期にOGの公演がたくさんあって、そういう公演では皆さんとご一緒させて頂いているので、その都度歌を聞いていましたが、やっぱり今回のCDでは、どなたも私が思っていたのとは違う感覚の歌い方をなさっているし、違うスタンスで曲と取り組んでいらっしゃるのがとても面白かったです。この中に入れて頂けたこともとても幸せですし、いつもと違うバンドの空気感、ジャズなどを歌っている時とは全然違うので楽しいです。
──では、これまで『麗人』シリーズに参加してこられた方々、「レジェンド」と呼ばれる上級生の方達と新たに共演された感想は?
 
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貴城
 私は1枚目から参加させて頂いていて今回3回目になりますが、1枚目の時も「濃いな!」と思ったんです内容が!。で、2枚目の時も「やっぱり濃いな!」と思って、3回目の今回は「相当濃いぞ!」と思うくらい、皆さん上級生の方達がすごいパワーで、CDを聞いていても劇場で聞いているかのようなパワーを感じます。今回また参加させて頂けて、このメンバーに入れて頂けたことを幸せだなと思いました。
えまお 私も3回目の参加なんですけれども、1回目、2回目は、私、意外と真ん中の方に立っていたのですが、今回端から2番目で(笑)。それと同時に、宝塚を熱く語るつもりはないのですが、私が客席で宝塚を観ていた時代の、本当に大御所の方達とご一緒して、1人1人の個性が半端ないなと。トップだからこのくらい…というのではなくて、それぞれの個性がすごくてそれを歌に乗せていくエネルギーが素晴らしくて!今の若い宝塚の方達にも聞いて欲しいと思うようなCDが、今回は特にできたのではないかと。宝塚大劇場にも置いて頂きたいです。本当に参加できて良かったと思います。
涼風 とても幸せに思っています。私が宝塚に入りたいと思ったきっかけは『ベルサイユのばら』でした。故郷に住んでいた時に、榛名さん安奈さんの『ベルサイユのばら』を地方公演で観て、おっかけをしたことを懐かしく思い出しました。皆さん素晴らしい上級生の方達の中に入れて頂けて、本当に嬉しいです。私は前回「見上げてごらん夜の星を」を歌わせて頂いたのですが、コンサートには参加できませんでしたので、今回本当に幸せに思っています。
彩輝 私も皆さんと一緒でOG公演は宝塚でもありましたけれども、今回自分が宝塚を知って、舞台を観て、映像なども見ていた先輩方ばかりで。実際に自分も宝塚にいた当時の、下級生の時代の気持ちをすごく思い出して、舞台の上で目が合ったりすると本当にドキドキすると言うか、そんな思いがまた今回できたことが本当に嬉しいです。
 
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【公演データ】
「麗人 REIJIN -Season 2」CD発売記念コンサート
出演◇榛名由梨、安奈 淳、瀬戸内美八、高汐 巴、平みち、剣 幸、涼風真世、えまおゆう、彩輝なお、貴城けい
演奏◇宮間利之とニューハード&ストリングス 
●2016/1/28◎中野サンプラザ
「麗人REIJIN -Season 2」CD発売記念コンサート〈前夜祭〉
出演◇榛名由梨、安奈 淳、瀬戸内美八、高汐 巴、平みち、剣 幸、涼風真世、彩輝なお、えまおゆう、貴城けい
(ゲストMC) こだま愛、大鳥れい
●2016/1/27◎中野サンプラザ

 

【アルバム情報】
CD『麗人 REIJIN -Season 2』
3,000円+税  全12曲収録  VICL-64499
 
[収録曲]
01. 貴城けい「永遠に」(オリジナル:ゴスペラーズ)
02. 安奈 淳「黄昏のビギン」(オリジナル:水原 弘)
03. 汀 夏子「リバーサイドホテル」(オリジナル:井上陽水)
04. 壮 一帆「ロビンソン」(オリジナル:スピッツ)
05. 彩輝なお「さくら(独唱)」(オリジナル:森山直太朗)
06. えまおゆう「どんなときも。」(オリジナル:槇原敬之)
07. 高汐 巴「悲しい色やね」(オリジナル:上田正樹)
08. 榛名由梨「粋な別れ」(オリジナル:石原裕次郎)
09. 平 みち「時代おくれ」(オリジナル:河島英五)
10. 瀬戸内美八「主人公」(オリジナル:さだまさし)
11. 涼風真世「言葉にできない」(オリジナル:オフコース)
12. 剣 幸「歌うたいのバラッド」(オリジナル:斉藤和義)
 
メイキング映像[Long Ver.](フォトセッション編)
メイキング映像[Short Ver.](レコーディング編)
安奈 淳/コメント+メイキング映像
【取材・文・撮影/橘涼香】
 
演劇キック - 宝塚ジャーナル
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