宝塚歌劇花組×オスカー・ワイルドの小粋ミュージカル『Ernest in Love』、ゲネレポ&舞台写真チラ見せ!
宝塚歌劇花組 ミュージカル『Ernest in Love』(撮影/石橋法子)
明日海りお&花乃まりあ、バレンタインを盛り上げる恋のドタバタ喜劇!
宝塚歌劇花組ミュージカル『Ernest in Love』が2016年2月3日(水)~14日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、2月20日(土)~3月9日(水)まで名古屋・中日劇場で上演される。オスカー・ワイルドの喜劇『まじめが肝心』を原作に、アン・クロズウエル脚本・作詞、リー・ポクリス作曲で1960年にオフ・ブロードウェイで上演された陽気でお洒落なミュージカル。宝塚歌劇では2005年に大阪と東京で初演。2015年1月に、明日海りお&花乃まりあを中心とした花組により東京でのみ上演され大好評を博した本作が、待望の再演を迎える。ここでは、大阪公演前日の最終稽古の模様を写真たっぷりでお届けする。
あらすじ: 19世紀末のロンドン。地元で少女セシリイ(城妃美伶)の後見人を務める田舎紳士のジャック(明日海りお)は、度々堅苦しい生活から抜け出すため、架空の弟アーネストを訪ねる名目でロンドンへ出向き羽を伸ばしていた。ロンドンでは自分が「アーネスト」を名乗り、目下貴族令嬢グウェンドレン(花乃まりあ)に恋焦がれ中のジャック。一方、ジャックの友人でグウェンドレンの従兄弟でもあるアルジャノン(芹香斗亜)はジャックの嘘を見破るが、息抜きしたい気持ちに賛同する。そして、ジャックが後見人を務める少女セシリイに興味を抱き、早速執事レイン(鳳月杏)を伴い、自分はジャックの弟「アーネスト」だと名乗り、セシリイを訪ねるのだが……。
◎心弾ませる舞台美術や群舞の演出
幕開きでストーリーテラーを務める、執事役の鳳月杏。群舞を従え、歌って踊る楽しいオープニング。
舞台装置は、画面を上下、前後に使い分けた重層的でリズミカルな構成が楽しい。
◎恋ゆえに、ちょっぴり妄想過多なキャラクターたち
ロンドンではアーネストを名乗り、都会的な紳士を気取るジャック(右・明日海りお)とサンドイッチを頬張る、食いしん坊キャラの友人アルジャノン(芹香斗亜)。
恋にまっしぐらなアーネスト(右・ジャック/明日海りお)と、飄々としたアルジャノン(芹香斗亜)のでこぼこコンビ。
アーネスト(ジャック/明日海りお)との会話の途中でも、しばしば自分の世界に入り込む。近眼で結婚願望強めなヒロイン、グウェンドレン(花乃まりあ)。
アーネスト(ジャック/明日海りお)とグウェンドレンの恋を阻む、グウェンドレンの母ブラックネル(右・悠真倫)は厳格な反面、贅沢も大好き。
アルジャノン(芹香斗亜)が訪ねた少女セシリイ(左・城妃美伶)は、白馬の王子様が理想と語る恋に恋する18歳の女の子。
恋の病に犯された主人公の甘い苦悩を、さまざまな表情と胸に迫るバラードで聴かせる明日海りお。
二枚目から三枚目までひとつの作品の中で魅せる、男役としてのふり幅がすごい!
◎悲喜劇を巻き起こす嘘や誤解、手違いの数々
唯一秘密を共有するアルジャノンからの握手を素直に喜べないアーネスト(ジャック/明日海りお)、一体なぜ?
ただの恋物語と思いきや、後半にはアーネスト(ジャック/明日海りお)の出自にまつわる話も飛び出して……。
ジャックとアルジャノンがともに「アーネスト」を名乗ったことから起こる恋の大騒動。だが、単なる恋物語には終わらせない。また、今作ではアルジャノン役を芹香斗亜/鳳月杏、セシリイ役を城妃美伶/音くり寿が、Wキャストで演じるのも昨年にはないお楽しみのひとつ。フィナーレには黒燕尾の男役が踊るプチ・レビューもついて見ごたえ満点。清く正しく美しく、そしてユーモアセンスに富んだ宝塚歌劇の魅力をライトに楽しめる小粋な作品だ。