POLYSICS 1日で100曲をぶちかました、最高に無謀なライヴをレポート!

レポート
音楽
2016.3.7
POLYSICS

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昨年9月10日・11日の2日間、東京・渋谷CLUB QUATTROにてワンマンライブ『ウルトラチャレンジOR DIE!!!~燃えろ! クアトロ地獄! 2日で100曲カブリ無し!!!~』というハードなライブに挑んだPOLYSICS。今年3月4日は大阪BIGCATにて、19周年を記念して、「20周年まであと1年!!!~まだまだやるで無茶なこと!!! 1日100曲かましたる!!!」という、その名の通り、今回は1日で100曲に挑む最高に無謀なライブに挑んだ。ちなみに、この日のライブはニコ生でも生配信された。夜7時、ライブがスタート。

SOLD OUTで超満員の会場が暗転になり、登場SEが流れると、オーディエンスはハンドクラップと大歓声でメンバーを迎える。ステージ両サイドには、曲数をカウント表示するモニターが用意。雪崩れ込むかのように演奏が始まり、ハヤシ(G,Vo,Syn,Programming)は「トイス!」とお馴染みの挨拶で煽っていく。1曲目「Introduction!」を経て、2005年リリースのアルバム「Now is the time!」からオープニングナンバーの「Tei! Tei! Tei!」がかまされる。初っ端からフロアは波打つくらいに盛り上がり、「Moog is Love」ではフロア全員が手を上げてジャンプする壮大な光景が見られた。

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6曲終えた時点で息が上がっているハヤシは「やべえんじゃねえの?! でも、20周年まで後1年! 今日は100曲ぶちかましてやるぜ!!」と自らも鼓舞するかのように、オーディエンスに訴えかける。「Bero Bero」ではハヤシが演奏に合わせて、ズッコケたり、ピタッと止まるモーションを見せていく。「Pike」ではハヤシがトランペットを披露して、歓声が起きる一幕も。

ハヤシとフミ(B,Vo,Syn)がイベントタイトルを観客に関西弁で読ませたりと遊んだりしながら、3月2日にリリースされた最新アルバム「What’s This???」の話題に。ハヤシの「新曲をコンコンコンとやっていこうと思います!」という言葉を皮切りに、「アルプスルンルン」、「8 Beat Division」と続き、「299」では猫の肉球をイメージさせるキュートな振り付けをオーディエンスに伝授。フロア全体で猫ダンスが繰り広げられる様は、微笑ましかった。

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13曲が終わった時点で既に約50分が経過しており、ハヤシは「この調子だと深夜2時、3時になるので、ここから一気にトントントンと稼ぎます! 去年、渋谷でやった『スペシャルメドレー 2016BIGCAT19周年バージョン』にいってみよー!」と長い尺のメドレーコーナーへ。ヤノ(Dr)も「トイス!」と叫び、「踊れHeaven」から怒涛の時間へと突入する。「We are Oil Loverd~ペスター、タッコング、オイルドリンカー登場~」では、ハヤシ、フミ、ヤノの3人が楽器を持たず、打込みサウンドに合わせて踊っていく。「Boy’s Head」ではヤノがトランペットを吹き、「KI.KA.I.DA!」ではハヤシとフミが拡声器で歌い、ヤノがギターを弾く貴重な演出も。「COLON」はヤノとフミがメガホンを持ち、ハヤシが「♪なんなんなんなんでやねんねんねん!」と歌うなど、3人のユーモラス性が爆発する。「テクノドラキュラ」では完全なるテクノサウンドを鳴らし、「Ski Ski Die Ski(n)」では人文字ダンスを披露。そして、あの聞き覚えのあるサイレンが場内に鳴り響き、ハヤシのギターの伴奏に合わせて、フミとヤノはカズーを吹き、「I My Me Mine」を。ギターとベースとドラムという普段の編成に捉われないパフォーマンスを10曲以上に渡って堪能できた。ハヤシはギター、フミはベース、ヤノはドラムと普段の体制に戻ってからも、3人は止まる事を知らない。2002年リリースのミニアルバム「LO-BITS」に収録の「Code4」では自然に手拍子が起き、気付くとオーディエンス全員がスペイシーにサウンドにノリながら、拳を突き上げる。結果、「機械食べちゃいました」まで計24曲に及ぶコーナーが終わった。

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この時点で41曲が終わるが、ヤノは「ギター以上にカズーが難しかった…。疲れた…」と冗談交じりに弱音を吐く中、ハヤシから提案が。「物凄い速い曲をクイッククイックでメドレーするのは、どうかな?! ずっと暴れまわる感じかな!」と説明され、「Life In Yellow」から「Pretty Good」まで計11曲が、たった4分で物凄いスピードで演奏された。「半分終わったぜ! 少しBPMを下げようか!」と「ラスポテトメモリーズ」や「Cleaning」といった速すぎない心地よいテンポの楽曲が続く。「DTMK未来」では、60曲目にしてメンバー紹介がされる。20曲が演奏されたが、徐々に熱が帯びていきBPMも速くなっていき、最後はがっつり激しい状態に。

改めてハヤシが「今日は、みんな無茶しに来たんだろ?! 俺も無茶するよ! 打ち上げに行かず、ラウンドワンとかに行くよ! こっから飛ばすぞ!」と「MS-17」や2000年リリースのメジャーデビューシングル「XCT」など本当に飛ばしていく。「MAD MAC」では勢いあまり、この日初となるダイブをハヤシが敢行。「Young OH! OH!」では、「ウッハ! ウッウッハ!」とオーディンエンスが叫びまくる。フロアは手が入り乱れるかのように、全員が手を振っていく。「ピーチパイ・オン・ザ・ピーチ」では、3人共に金色のポンポンをカツラのように頭に装着。ヤノはスティックを握る両手にも装着し、煌びやかに演奏する。

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ハヤシは「後は、ゆっくりした曲はやりません! もっとダバダバしたいんじゃないの?!」と、この日のために用意したという「Let’s ダバダバ」の特別バージョンを73曲目で披露。そして、ステージ後方には「POLYSICS SINCE1997」とデザインされた巨大フラッグが現れる。よく見ると「POLYSICS」の「LY」部分が19周年にかけて「19」という数字をかたどっている事がわかった。粋な演出に見惚れながらも、Styx「Mr.Roboto」のリメイクである「ドモアリガトミスターロボット」ではドラマチックな曲展開でオーディエンスを魅了する。81曲目で再度「Let’s ダバダバ」へと戻り、ハヤシはギターを持ったままフロアへと身を委ね、オーディエンスに支えられながらギターをかき鳴らしていく。大合唱の中、ハヤシは「ダバダバスペシャルメドレーでした!」と、このコーナーを〆る。

残り19曲の中、ハヤシは「1日で100曲というのは準備が相当大変で、ライブをするも20曲足りていない夢を観たりしたよ!」と苦労を語りながらも、笑い飛ばす。「こっからもペース配分はしてらんない! 燃え尽きようぜ! 灰になる! 打ち上げ行けないくらいに、出しきるぜ!!」と絶叫。「Rocket」では最初ゆっくり振られていたオーディエンスの両手が、どんどん激しく振られていく。円谷プロとのコラボが話題となった去年リリースのミニアルバム「HEN 愛 LET’S GO! 2 ~ウルトラ怪獣総進撃~」からは、ゴモラの鳴き声がたまらない「怪獣殿下~古代怪獣ゴモラ登場~」を。ラウドすぎるほどのロックがオーディエンスを襲っていく。「MEGA OVER DRIVE」では、ハヤシがショルダーキーボードを操る。「カジャカジャグー」、「シーラカンス イズ アンドロイド」では、あまりの激しい演奏っぷりに、演奏中にスタッフがハヤシの背中に水を差しかけていく。そんなシーンからも、いかにこのライブが過酷であり、何よりも本気で3人が向き合っている事が伝わってきて、胸が熱くなる。

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88曲目「Dr Pepper!!!!!」からは「ほぼフル尺で!」という宣言通り、じっくりと聴かせていく。カヨ脱退後の3人体制初となるミニアルバム「eee-P!!!」収録でPVも話題になった「How are you?」では、メインボーカルのフミの歌声が凛々しくてグッとくる。ここでまた、ハヤシはギターを持ったままフロアへダイブ。「URGE ON!!」では音が鳴り出した瞬間、フロアが荒れはじめ、それに呼応したかの様にハヤシは口に含んだ水をフロアへ吐きかける。「100曲’s High」とでも言うのか、ハヤシが一気にテンションが上がっていくのが手に取るかのようにわかる。「Hot Stuff」では、自らの熱を下げるかのように頭から水を浴びるというエモーショナルな状態に。1999年リリースのインディーズデビューアルバム「1st P」収録の色褪せないハードチューン「Buggie Technica」での鬼気迫るヴォコーダーボイスは、95曲目というのに、今から何かが始まる衝動感に溢れていた。フロアも全く静まる気配がない。しかし、ここで本編は終了となる。時刻は夜9時53分、スタートしてから3時間弱が経過。満身創痍の3人は、袖へとはけて行く。

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「P・O・L・Y・S・I・C・S!!!」とアルファベットで彼らを呼び、アンコールを求めるオーディエンス。再び3人が登場して、ハヤシは「19周年ライブで1日100曲とか無謀な事をやっているのに、盛り上がってくれて感謝しています。こんなファンがいてくれて、嬉しいです。こういう面白い事をやっていきたいよね。それに新しいアルバムの『What’s This???』も繰り返し聞くと、色んな発見があるので宜しくお願いします!!」と感謝と決意を述べる。こよなくライブハウスを愛する彼らは、「キュー! ワシャー! グチュー! ライブハウスは、そんな密な空間です!!! なので有効利用をしたいし、これから先もPOLYSICSは楽しいライブしかしません!!!」とも誓った。96曲目は感謝の気持ちを込めた「ありがTOISU!」。続いて、キラーチューンの「Baby BIAS」ではフミがハヤシを蹴るアクションを見せるなど最後の最後まで全力で魅せてくれる。初めてファンへの想いを込めたナンバーとしても知られる「Electric Surfin’Go Go」、最新アルバムから「SUN ELECTRIC」と立て続けに投下。本当の最後となる100曲目は、赤いピコピコハンマーを持ったフミと黄金のピコピコハンマーを持ったハヤシがオーディエンスの頭を、まるでモグラ叩きの様に叩いていく「AT-AT」がぶちかまされる。ヤノも負けじと全力でシンバルを叩いてゆく。ハヤシのシンセ、フミのシーケンス、ヤノのドラムと…3人の音が入り乱れたまま終わりへ。足腰が疲弊しきって、3人とも立っているのがやっとなのが、2階の関係者にも伝わってくる。たった3時間強で100曲をライブで表現する事が、いかに大変な事かが改めてわかる…。そして、それをやりきった姿は感動すら覚えるし、かっこいいとしか言い様がない。

「好きやで~大阪! ポリシックのみんな、大好きやで~! バイバイ!!」とハヤシは叫び、最後は「トイス!」を連呼して、「おやすみ~!!」と去って行く。時刻は夜10時16分、魂のこもった前人未到の宴は幕を閉じた。

文=鈴木淳史

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