レスリー・キーが池内博之のヌードを撮り下ろし 『美術手帖』4月号はメンズ・ヌード特集
『美術手帖』4月号メンズ・ヌード特集
2016年3月17日(木)発売の美術手帖4月号では、「メンズ・ヌード」特集が展開されることが発表された。
4月号では、レスリー・キー撮影による俳優・池内博之の肉体美、野村佐紀子がとらえる男同士の関係性、そして美術史上の男性ヌードの数々を紹介。様々な欲望を映し出す、美しい男のハダカをたっぷり堪能することができる。
「ヌード」といえば女性のハダカを連想するが、この特集で扱うのは「男性ヌード」。古今東西のあらゆるヌード表現を、性差や時代の価値観を意識しつつ、いまの視点からとらえ直そうという試みだ。
巻頭グラビアを飾るのは、男性ヌードを撮り続ける2人の写真家、レスリー・キーと野村佐紀子の作品。レスリーが男性ヌードの撮り下ろしを発表するのは、逮捕事件以来3年ぶりとなる。一方、荒木経惟に師事した、野村佐紀子はボーイズラブ的関係性を想像させる、細身の男性同士のハダカを美しく表現。さらに川島小鳥や森栄喜ら若手フォトグラファー、アーティストの男をテーマとした特別フォト・ジン「OSSU」も見所だ。
古代ギリシャ以来、同性愛/異性愛者それぞれの欲望を反映した男性ヌード像は多数作られてきた。日本でも『薔薇族』に代表される、ゲイ・アート文化の歴史がある。本書では、そんな男性ヌードの歴史を、男性の同性婚をテーマとする漫画『弟の夫』の作者・田亀源五郎が語る「ゲイ・エロティック・アート史」も掲載される。
さらに、TVコメンテーター・著述家の湯山玲子とBL評論家の金田淳子による対談も収録。対談では、「見られる」存在としての男性ヌードが語られるようになった背景には、見る側である女性の社会的立場の変化が関係していると分析されている。
LGBTや同性婚の問題が話題にのぼるようになった昨今、アートの側面から「男性ヌード」をとらえ直すことは、社会における潜在的な価値観の違いを意識するきっかけになるかもしれない。是非お手に取ってみては。
発売日:3月17日(木)
料金:定価1600円+税
発行元:美術出版社
【特集内容】
●メンズ・ヌード
●SPECIAL PHOTO
・レスリー・キー×池内博之
・野村佐紀子
●メンズ・ヌードの美術史
鼎談:諏訪敦×木村了子×藤原えりみ
〈エッセイ〉日本のメール・ヌードがたどった道 明治から昭和まで
〈コラム〉1:全裸男性美の理想を求めて/2: 限りなく女性に近い少年たち
●田亀源五郎に聞く、ゲイ・エロティック・アート史
●対談:湯山玲子×金田淳子「眼差される男のハダカ」
●2000年代のアーティストによる、カラダと表現の現在
エディー・ピーク/シーリア・ヘンプトン/ミシェル・エイブルス/ジュリアナ・ハクスタブル/キャシルス/中島大輔/佐藤允
●PHOTO ZINE:OSSU BT SPECIAL
森栄喜・ミヤギフトシ・川島小鳥
●Special Talk セクシュアリティーと表現を考える
・岡部桃×柴田英里
・鷹野隆大×アイヴァン・ヴァルタニアン
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