フラメンコに初挑戦の大貫勇輔に聞く!~人気ダンスシリーズ第3弾『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』
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『FLAMENCO CAFÉ DEL GATO』出演の大貫勇輔
宝塚歌劇団の元星組トップスター湖月わたる、元雪組トップスター水 夏希、ジャズダンサーで振付家の原田 薫率いる“BAD GIRLS”が、毎回異国の男性ダンサーと新たなダンスジャンルに挑戦するシアトリカル・ダンスショーシリーズ企画「DANCE LEGEND」。バレエ、アルゼンチンタンゴに次ぐシリーズ第3弾はフラメンコ。構成・演出・振付にフラメンコ舞踊団 マリア・パヘス舞踊団ダンサー兼振付師のホセ・バリオスを迎え、本場スペイン人ダンサーらと魅惑のコラボレーションを繰り広げる。本作で元宙組男役スター 緒月遠麻がシリーズ初出演を果たすほか、ダンサーで俳優としても活躍目覚ましい大貫勇輔が『Rock the Ballet2』(2014年)に引き続き参戦する。ストリートダンスからバレエまで得意ジャンルは幅広いが、フラメンコは「生で観るのも踊るのも初めて」という大貫に本作への意気込みを訊いた。
■「フラメンコは人生と共にあるものという演出家の言葉に共感します」(大貫)
ーーフラメンコは初めてだそうですが、ご出演の決め手は?
正直、「スペインで稽古ができる」と聞いて飛び付きました(笑)。稽古日が近づくにつれ徐々に不安になってきたので、公演中の『SHOWル・リアン』が終わり次第レッスンを始めようと思っています。
ーースペインには以前から興味があったそうですね。
建物や国の雰囲気に惹かれます。よくその土地に”呼ばれているような気になる”ことが多く、屋久島に行ったときも、気になった数日後に偶然休みが取れて出掛けることになったり。一昨年は「そろそろパリに行ってみたい」と思っていたら、ストリートダンスの大会『JUSTEDEBOUT2014』で優勝(EXPERIMENTAL部門)して、日本代表としてパリ大会に出場しました。自分が本気で行きたいと思った場所へは行けることが多いです。現地では呼ばれた理由が分かるような”気付き”が毎回あるので、そういう意味でもスペインには運命的なものを感じます。
ーー今回の『FLAMENCO CAFÉ DEL GATO』は1幕がストーリー仕立て、2幕はショーの構成です。
1幕は「ロミオ&ジュリエット」に近いですね。愛、死、憎しみすべてが詰まっている。戦いのシーンもあります。ショーは「アンダルシアを巡る旅」と題して、地方の幾つかの地域を巡るようなイメージの表現になると思います。
『FLAMENCO CAFÉ DEL GATO』出演の大貫勇輔
ーーフラメンコは普段のダンススキルとは違うものが要求されそうですか?
通常のダンスは4拍や8拍のカウントで踊ることが多いのですが、フラメンコの場合は1・2・3、1・2・3、1・2と、リズムの取り方が違いますね。また、これは共演者の水 夏希さんから伺ったのですが、フラメンコは技術よりも内側からの表現が大事だと。例えば、海外の方がいくら完璧に日本舞踊を踊れたとしても違和感を感じるのは、日本舞踊が文化に裏打ちされた表現だから。フラメンコもその色合いが強いので、どれだけ自分がスペインの文化に入っていけるか、スペインの血を体に取り込むようなイメージで挑むことが重要なのかなと、今は思っています。
ーーとてもドラマチックなダンスになりそうですね。
演出・振付のホセ・バリオスさんが、フラメンコは「人が生きてい行く上で必要不可欠であり、人生と共にあるもの」という趣旨のコメントをされていて、それがすごく良いなと。僕も母親のお腹の中にいるときから舞台に立っていて、自分のことを「生まれながらのダンサー」だと思っています。ダンスがあったから、辛いことも肉体を通してダンスに変換できたし、言葉にならない思いをダンスで発散させてきた。スペインのひとがフラメンコで表現していたことを、僕はジャズダンスやコンテンポラリーダンスで表現してきたのかなと。ジャンルは違うけど、ダンスに向き合う上で一番大事なところが共通している気がしている。技術が身に付けば、自分の表現としてのフラメンコが踊れるんじゃないかな。
『FLAMENCO CAFÉ DEL GATO』出演の大貫勇輔
■「日本を拠点に、国内外で闘えるダンサーであり続けたい」(大貫)
ーー近年はオーディションやレッスン、公演のためにアメリカ、ドイツ、イギリスなど単身で海外へ赴き活動する機会も多いですね。
海外で経験を積むことで良かったなと思うのは、どんな環境に身をおいてもどーんと臆することなく体当たりできるようになったこと。海外では受け身では何も始まらない。自分でガンガンいかないと何も教えてもらえないので。あとは、程よく人を信用して半分は鵜呑みにしないことかな(笑)。やはり海外は日本ほど安全ではなく、スリが横行していたり普通に銃社会だったりするので、危険が香る町のムードを体感すると「自分の身は自分で守る」という防衛本能が働き、事前の準備をしっかりするようになりました。
『FLAMENCO CAFÉ DEL GATO』出演の大貫勇輔
ーーダンサーたちの実力の高さにも驚かれたとか。
海外は実力主義だから、スゴいことができればスゴい人だと言われるし、大したことがなければ相手にもされない。だからみんなしゃかりきでトレーニングしています。実力や本音で評価してもらえるのは好きですね。
ーー今回は稽古のため約3週間マドリッドに滞在されるとか。町中のいたるところで庶民がフラメンコを踊る、そんな町の雰囲気にも刺激を貰えそうです。
現地の人がどうやって生活をして、どういう風にフラメンコと向き合っているのか。そういう生活の中に根付いたフラメンコに触れることが、今回のスペインの稽古ではすごく大事になるだろうなと感じています。めっちゃくちゃ楽しみですね。
ーー前回『Rock the Ballet2』ではラスタ・トーマス率いる米国バレエダンサーらと競演し、初の海外公演も経験しました。今回はフラメンコに初挑戦と、同シリーズは大貫さんにとってもやりがいのある企画なのでは。
そうですね、近年は興味のあった俳優のお仕事にも挑戦させて頂く機会も増えましたが、ダンサーとしては日本を拠点に世界で活躍できる存在でありたいので、ダンサーとして新たな挑戦をさせて頂ける同シリーズはすごく自分にとっても貴重です。日本ではダンスだけで食べていくことが難しいので、良いダンサーはみんな海外を目指すけど、僕はそうではなくて、日本を拠点に世界でも活躍できるダンサーであり続けたい。僕は自分のことを凄いダンサーだとは思わないですけど、他人には真似のできない、自分にしかないものを持っているという自信はあります。
ーースケールの大きなダンサーとして、今回も新たな一面を見せて頂けそうです。
これだけ素晴らしいキャストの方と同じ舞台に立てるということがまずひとつ嬉しいことですし、大きな見所の一つです。フラメンコに初挑戦できることに感謝しながら、スペイン人にはできない「日本人ならではのフラメンコ」というものがもしあるのなら、体現してみたい。お客様には「良いものを観たな」「新しい大貫勇輔を観たな」と言って貰えるように、しっかりと仕上げていきたいと思います。
『FLAMENCO CAFÉ DEL GATO』出演の大貫勇輔
撮影・文・インタビュー=石橋法子
■出演:湖月わたる、水 夏希、原田 薫、緒月遠麻/大貫勇輔 ほか、招聘ダンサー
■料金:全席指定8,800円(税込、東阪共通)※未就学児童入場不可
■一般発売:4月16日(土)
■公式HP:http://www.umegei.com/BGBB2016
■2016年6月25日(土)、26日(日)★下記日程にて追加イベントあり
■会場:サンケイホールブリーゼ
■6月26日(日)16:30公演
<オールキャストスペシャルパフォーマンス withホセ・バリオス>
全キャストに加えダンサー ホセ・バリオスが舞う!
写真撮影及びSNSでの拡散OK。
※イベント開始までは携帯電話の電源はOFFでお願い致します。
また、動画での撮影はご遠慮ください。
※同日の
■6月29日(水)14:00公演
<初日スペシャルカーテンコール>
熱気溢れる初日公演後、キャストからお客様へメッセージをお届けします。
<オールキャストスペシャルパフォーマンス withホセ・バリオス>
全キャストに加えダンサー ホセ・バリオスが舞う!
※イベント開始までは携帯電話の電源はOFFでお願い致します。
また、動画での撮影はご遠慮ください。
※同日の
<アフタートークショーvol.1~大いなるスペイン稽古編~>
◆登壇者:湖月わたる、水 夏希、原田 薫、緒月遠麻/大貫勇輔
※同日の
<アフタートークショーvol.2~宝塚OG女子会編~>
◆登壇者:湖月わたる、水 夏希、緒月遠麻
※同日の