熊本に滞在中の天野天街(少年王者舘)から一篇の“詩”が送り届けられた
2016.4.17
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天野天街 熊本市内にて(撮影:小林夢二)
2016年4月14日夜に熊本で大きな地震が発生、県内の益城町では震度7が計測された。その後、余震が頻繁に続く中、4月15日深夜(16日午前)には再び規模の大きな地震が発生、熊本市内でも震度6強が計測された。4月17日正午現在、余震はさらに続いており、死傷者、家屋・建造物の倒壊、火災、土砂災害など多数の被害が確認されている。また、鉄道や航空が運行をほぼ全面的に停止し、主要道路も多くが通行止めになっている。電気・水道・ガスなどのライフラインが切断されている地域も多い。一刻も早い事態の安静化と、被災地復旧が進められることを心より望む。
熊本では5月のゴールデンウィークに、熊本を拠点に活動する演劇ユニット・雨傘屋(主宰・阿部祐子)のプロデュース公演『青木さん家の奥さん』(作:内藤裕敬)が予定されている。その演出を、名古屋で劇団・少年王者舘を主宰する天野天街が手掛けることとなっており、また同劇団の俳優・小林夢二も同公演に参加することとなっている。二人は稽古のために、4月13日に熊本入りした。その翌日に、いきなり地震に遭遇したのである。雨傘屋と小林氏のTwitterを通じて、両名を含む公演関係者の無事こそすぐに確認されたが、いろいろな点で緊張を解くことのできない状況が当分の間、続くと思われる。
そんな中、熊本に滞在中の天野より現在の思いを記した一文が、写真と共にSPICE編集部に送られてきた。それは、大きな余震が絶えず続く中での心境が、彼独特の言語回路を通じて綴られた、一篇の“詩”であった。その世界に馴れ親しんだ人でないと、そのレトリックを駆使した表現に首を捻る向きもあろうかと思うが、一人の芸術家による真摯な“表現”として受け止めていただければと思う。以下に全文を掲載する。
******
気まぐれシャックリのように、錆びたシャックリナイフで時間のカンテンを裂くように、繰り返し断続的に音ズレて訪れる見えない巨人の足音。
真夜中の熊本市内を行き交う、防震毛布をマントした幼な児や、三本足の養生老人や、ようじなき不帰還者たち。
空を這い廻る何機もの三本翅。それを見て吠える迷い犬。
崩れかけたところで、時間がとまった煉瓦塀。
崩れ欄干つらねた橋のたもとの公園には、青いムシロで蒼い顔うつむく無言の花見客。
どーん!
ああ、また、シャックリ大魔人。
そらのはてに、かえってください、だいまじん。
天野天街
天野天街 熊本市内にて(撮影:小林夢二)
天野天街 熊本市内にて(撮影:小林夢二)
天野天街 熊本市内にて(撮影:小林夢二)
天野天街 熊本市内にて(撮影:小林夢二)
天野天街 熊本市内にて(撮影:小林夢二)
公演は延期となりました。→ http://spice.eplus.jp/articles/51250
公演情報 → 公演延期
雨傘屋vol.7『青木さん家の奥さん』
■作:内藤裕敬(南河内万歳一座)
■演出:天野天街(少年王者舘)
■キャスト
大迫旭洋(不思議少年)、平野浩治(劇団濫觴)、桑路ススム、徳冨敬隆(DO GANG)、玉垣哲朗(劇団みちくさ)、小林夢二 (少年王者舘)、小松野希海(Komatsuno Unit/転回社)、ますながあすか(たんじぇりんね)、松崎仁美(劇団濫觴)、阿部祐子ほか
■企画・主催:雨傘屋+転回社
■演出:天野天街(少年王者舘)
■キャスト
大迫旭洋(不思議少年)、平野浩治(劇団濫觴)、桑路ススム、徳冨敬隆(DO GANG)、玉垣哲朗(劇団みちくさ)、小林夢二 (少年王者舘)、小松野希海(Komatsuno Unit/転回社)、ますながあすか(たんじぇりんね)、松崎仁美(劇団濫觴)、阿部祐子ほか
■企画・主催:雨傘屋+転回社
■日程:2016年5月4日(水・祝)~7日(土) 公演延期
4日(水・祝)19:00~
5日(木・祝)14:00~ / 19:00~
6日(金)20:00~
7日(土)14:00~
※開場は開演の30分前。
4日(水・祝)19:00~
5日(木・祝)14:00~ / 19:00~
6日(金)20:00~
7日(土)14:00~
※開場は開演の30分前。
■会場:Studio in.K. (熊本市中央区国府1丁目21-3 ブラザービル3F)
※バス停[国府]すぐ
※熊本市電 電停[国府駅]徒歩2分
※JR[新水前寺駅]徒歩5分
※駐車場なし
※バス停[国府]すぐ
※熊本市電 電停[国府駅]徒歩2分
※JR[新水前寺駅]徒歩5分
※駐車場なし
■料金(税込):前売 2500円 当日 2800円 高校生以下 1000円(前売・当日一律)
※高校生は受付にて学生証提示のこと
※高校生は受付にて学生証提示のこと
■予約・問い合わせ
○転回社 Tel:080-5289-9734 mail:office@tenkai.org
○雨傘屋 Tel:090-1972-5164 mail:amagasaya@gmail.com
○転回社 Tel:080-5289-9734 mail:office@tenkai.org
○雨傘屋 Tel:090-1972-5164 mail:amagasaya@gmail.com
■ホームページ:http://blog.tenkai.org/2016/03/info/amagasaya07
公演チラシ(宣伝美術:アマノテンガイ)
天野天街プロフィール
天野天街(あまのてんがい)
劇作家・演出家・少年王者舘主宰。
1960年愛知県一宮市生まれ。
1982年「少年王者舘」旗揚げ、名古屋を拠点として演劇、ダンス、人形劇、コンサート、ファッションショー等、幅広いジャンルの舞台演出を多数手掛ける。
1994年映画初監督作品「トワイライツ」でオーバーハウゼン国際短編映画際グランプリ、メルボルン国際映画祭グランプリ受賞。
1998年より演劇ユニット《KUDAN Project》を始動、海外公演を開始する。
2005年8月、愛知県勤労会館にて『百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん』(原作:しりあがり寿)を脚色、演出。
戯曲集に「星ノ天狗・御姉妹」「くだんの件」「ソレイユ」「夢+夜」等。
劇作家・演出家・少年王者舘主宰。
1960年愛知県一宮市生まれ。
1982年「少年王者舘」旗揚げ、名古屋を拠点として演劇、ダンス、人形劇、コンサート、ファッションショー等、幅広いジャンルの舞台演出を多数手掛ける。
1994年映画初監督作品「トワイライツ」でオーバーハウゼン国際短編映画際グランプリ、メルボルン国際映画祭グランプリ受賞。
1998年より演劇ユニット《KUDAN Project》を始動、海外公演を開始する。
2005年8月、愛知県勤労会館にて『百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん』(原作:しりあがり寿)を脚色、演出。
戯曲集に「星ノ天狗・御姉妹」「くだんの件」「ソレイユ」「夢+夜」等。