「青春」を物語の中心に 切実で胸が熱くなる演劇作品を生み出す劇団・20歳の国へインタビュー

インタビュー
舞台
2016.4.22
20歳の国 聖地巡礼公演 『保健体育B』

20歳の国 聖地巡礼公演 『保健体育B』

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誰もが避けて通る「王道」を敢えて進み、誰もが通ってきた「青春」を物語の中心に据えた作品づくりを続ける劇団「20歳の国」。人間の普遍性と人生のかけがえのなさを、時にダイナミックに、時に繊細に描くスタイルで人気を博している注目の団体だ。そんな20歳の国の"国王"(プロデュース・作・演出)をつとめる竜史に、次回公演や今後の展望について伺った。


--20歳の国結成までの経緯を教えてください。

20歳の国は「モテたい、売れたい、ちやほやされたい」という大義の元、建国しました。2012年の建国当初は、僕はまだ作・演出をしたことがほとんどなくて、むしろ俳優として名を上げるために結成を決意した部分が強かったように思います。

でもそこから、作品を作り続けていく内に、自分にしか、自分たちにしか表現しえない演劇がある、ということに気付いて、僕が思う“面白い演劇”を作る団体として半永久的に活動する為に、今年になって、作品の世界観を体現してもらっていた俳優を3人迎えて(斉藤マッチュ・古木将也・湯口光穂)、劇団化しました。
僕含め4人とも「モテたい、売れたい、ちやほやされたい」をあきらめていません。

20歳の国 国王・竜史 撮影:金子愛帆

20歳の国 国王・竜史 撮影:金子愛帆



--20歳の国の作品の特徴や雰囲気、作風を教えてください。

20歳の国は「青春演劇」を創作し、上演している演劇団体です。僕は「人間を描くこと」が演劇の宿命だと思っていて、今のところは人生の中で誰もが通る「青春」をモチーフにしながら、人間の普遍性を描くことに徹しています。演出としては、「親世代でも楽しめる演劇」を心がけ、演劇のいい意味での「ダサさ」を信条としながら歌、ダンス、映像といったエンターテイメント要素も取り入れ、視覚的にも楽しめる演劇を創作しています。

ポストドラマ全盛の現代演劇に対するカウンターカルチャーとしての側面も自覚していますが、一方で従来の「物語演劇」のアップデートも目指しています。物語を通してテーマを伝えるのではなく、作家と観客の視点を限定せずに多角度から人間を描くことで、従来の王道青春ドラマで語られてこなかった「ごく普通の若者たちの存在」、「普遍的な葛藤」を浮かび上がらせ、演劇で語るべき内容のミクロ化を推し進めることにも取り組んでおります。

青春ものというと、キラキラの恋愛を描く壁ドン系作品と、ドブみたいな青春を描く露悪系作品の二極化が進んでいるように思うのですが、実際世間のほとんどの人たちは、その2つの中間に属する世界で青春を過ごして生きてきたと思います。その「今まで語られてこなかった」彼らを、彼らの送った青春を、決して美化するでもなく、凄惨に描くでもなく、そのありふれた営みのかけがえのなさを実直に作品にしたいと、そう思っています。

今年劇団化した20歳の国。左から湯口・古木・竜史・斉藤 撮影:金子愛帆

今年劇団化した20歳の国。左から湯口・古木・竜史・斉藤 撮影:金子愛帆

 

--次回公演『保健体育B』について、作品のあらすじを教えてください。

「保健体育B」は、「今すぐに恋したくなる、演劇」をキャッチコピーに掲げた、ラブストーリーです。2013年に「保健体育」という作品を上演したのですが、この作品を、再演という形式ではなく、同じ恋愛劇という教科(ジャンル)を題材に、自分たちの演劇を深化・更新させた「新作」として発表します。

どういったキャラクターが登場するのかといえば、やはり全員恋をしています。そしてその12人が恋に落ちたり、恋に破れたり、恋に濡れたり…というのが、とてつもなくざっくりしたあらすじなわけですが、何よりも、この作品を観て、体験したお客さんに「うー…恋したい!」と思って頂けるように、様々なアイディアを出しながら稽古を重ねています。

2013年上演「保健体育」より 撮影:井上千裕

2013年上演「保健体育」より 撮影:井上千裕

2013年上演「保健体育」より 撮影:井上千裕

2013年上演「保健体育」より 撮影:井上千裕

 

--次回公演『保健体育B』の見どころを教えてください。

『保健体育B』の見どころは、駅前劇場という濃密な空間で繰り広げられる、息が詰まるような赤裸々な恋愛模様、むき出しの人間関係です。それらを力強く立体化することで、お客様に「性春」を体験、或いは追体験して頂けるような作品を目指しています。
初演は前代未聞のキスシーン量で一世を風靡したと個人的に思っていますが、今回もその期待を裏切らない内容です。
そんな人間の、あられもない姿を逃げ場なくお見せする為に、今回は舞台美術を二面舞台に設定しました。恋に濡れた12人の生き様を、是非好きな角度から観て頂きたいと思っています。

なお、R指定はありません。どころか、『保健体育B』には、「保健体育」という教養科目の教材としての側面もあるので、是非中高生にも進んで観に来て欲しいですし、恋に落ちたことのある全人類に観にきて欲しいと、切に願います。 
愛の止まらない演劇です。

2013年上演「保健体育」より 撮影:井上千裕

2013年上演「保健体育」より 撮影:井上千裕

 

--20歳の国さんの今後の展望・野望があれば教えてください。

20歳の国の今後の野望は、演劇界から芸能界に進出することと、その結果演劇を面白いと思ってくれる国民を増やすことです。
その為に今後とも、演劇的強度を保ちながらも、映画や漫画といった他ジャンルに転化可能且つその場合においても面白い、多様性を持った作品作りに磨きをかけていきます。

その上で具体的には、より多くのお客様に足を運んで頂くべく、今公演から演劇の聖地・下北沢に拠点を移し、「本多劇場進出」と現時点で達成できていない「動員2000人」を中期的な目標とします。
また、新作発表と共に過去作品のレパートリー化にも積極的に取り組んでいきたいと思っており、具体的には6月に「いつかエンドロールで」、来年1月からは、20歳の国の代表作でもある青春ラグビー演劇「花園」を、2019年ワールドカップ日本大会に向けて、毎年上演し、スタジアム公演を目指す「花園プロジェクト」を始動、上演します。

団体の大義と重なりますが、今後の展望・野望は、なんといってもやはり、売れて、モテて、ちやほやされることです。

「文化祭大作戦」より 撮影:金子愛帆

「文化祭大作戦」より 撮影:金子愛帆

 

--20歳の国に関心を持たれた方に、メッセージをお願いいたします!

当たり前のように僕は言っていますが、「モテたい」なんて野蛮なことを言っている人とは、やはり一定の距離を測りたいと思うのが世の常だと思うので、20歳の国に関心を持ってくれている皆さんのことは、抱きしめて回りたい気持ちでいっぱいです。人間は、生きる上では我慢しないといけないことも多いと思うけど、美談では終わらない、欲にまみれた生き物だと思います。反面、欲だけでは終わらない、美しさと汚さをないまぜにした、葛藤を孕んだ存在です。ありふれた人間の切実な葛藤を、かけがえのない奇跡を観に、是非劇場まで足をお運び下さい。すぐじゃなくても構いません。僕たちはいつだって劇場で、すさまじくおもしろい演劇を作りながら、貴方を待っています。劇場で会いましょう!


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公演情報
20歳の国 聖地巡礼公演 『保健体育B』

日程:2016年4月27日(水)~5月1日(日)

4月27日(水)19:30【女】
4月28日(木)14:00【★】/19:30
4月29日(金・祝)14:00/18:30【WS】
4月30日(土)14:00/18:30
5月 1日(日)13:00/17:00

【女】  レディースデイ
【★】 アフタートーク
【WS】ワークショップ付きチケット
※受付開始は開演の40分前、開場は開演の30分前

料金:(自由席・日時指定・税込)
一般:前売3,000円/当日3,500円
学生:2,500円(前売・当日共通)
高校生以下:1,000円(前売・当日共通) 

【女】レディースデイ:2,500円(前売・当日共通)
※男性は一般料金となります。
【WS】ワークショップ付きチケット:2,000円(数量限定・要予約)
※高校生のみ対象/終演後ステージにて実施。

会場:下北沢 駅前劇場

出演者:斉藤マッチュ、古木将也、湯口光穂、竜史(以上、劇団20歳の国)
尾倉ケント、菊池 豪、木山廉彬、小関えりか(シベリア少女鉄道)、長井 短
藤尾姦太郎(犬と串)、森崎健吾(ぬいぐるみハンター)、山脇 唯

スタッフ:舞台監督・舞台美術:佐藤秀憲(ステージメイツ)
音響:池田野歩
照明:山内祐太
映像:松澤延拓
演出助手:板部 文、道端コータロー
スチール:金子愛帆
映像撮影:遠藤大介
宣伝美術:藤尾姦太郎(犬と串)
制作:新居朋子
プロデューサー:竜史
助成:芸術文化振興基金
 
企画・製作:20歳の国
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