原作ゲームの発表から12年。遂に発表されたKey原作のアニメ『planetarian』製作発表会レポート!

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2016.5.13
Key原作アニメ『planetarian』製作発表会レポート!

Key原作アニメ『planetarian』製作発表会レポート!

『AIR』、『CLANNAD』、『Angel Beats!』。そして、夏に放送を予定している『Rewrite』など、数々の名作を送り出してきたゲームブランド“Key”。そんな同社が誇るノベルゲームのひとつ『planetarian』のアニメ化製作発表会が、先日2016年4月15日(金)秋葉原ラジオ会館10階イベントスペースにて実施されました。

 イベントでは声優・白石稔さんを司会に、ビジュアルアーツの丘野塔也さん、池田憲彦さん。そしてアスミック・エースの青井宏之さんらが登壇。加えてスペシャルゲストとして本作で監督を務める津田尚克さん、音楽担当の折戸伸治さんも登場し、この星の物語について熱く語ってくださいました。本稿ではそんなこの製作発表会の模様をお伝えします。

 
■原作ゲーム製作当時の裏話が明らかに!?
 司会の白石さんによる諸注意、今回の発表会の概要の説明が済んだところで早速当日の登壇者のみなさんを会場にお呼びしました。おひとりずつご挨拶をすませたところで、早速本作『planetarian』の物語や原作ゲーム製作当時の裏話など、その魅力に迫っていきました。

 まずは物語のあらすじを説明したところで、原作ゲームの情報をおさらい。白石さんが本作の発売が2004年だったということに触れると、12年の時を経てアニメ化という奇跡を叶えた感慨を、「一個一個積み上げてきて、遂にたどり着いた境地」と丘野さんが語りました。

 また、ここで丘野さんからはその製作当時のエピソードが! なんとシナリオ担当の涼元悠一さんが、スタッフと会議室に詰めて企画を丸二日考えたというものが『planetarian』だったというのです!

 そして、本作が当時はダウンロード販売のみで展開されていたことと、当初は二ケタしかダウンロードされなかったという衝撃の事実に池田さんが触れました。加えて大作ではなく短編で価格も安価である点と、その点を生かして様々なプラットフォームに展開させてきたこと。そしてそれが幸いして多くのユーザーにプレイしてもらえた幸運についてコメント。

 続いて白石さんが4月1日に公開されたPVについて触れると、Twitterなどで見られた「待っていました!」や「遂に来たのか!」などのユーザーのみなさんの声・熱が、製作者側にも伝わっていたことが、丘野さんや池田さんの言葉からわかりました。

 青井さんによって意思を持ったロボットと、それにかかわる人間という本作で描かれる普遍的なテーマは、日本にとどまらず海外の人たちにも受け入れられるものであると語られたところで、ここで本作のアニメーション制作を担当する制作会社と監督が発表になりました!

 既に「david production」が制作を担当することは発表されていましたが、そんな同社の代表作といえば、現在も好評放送中の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』をはじめとした『ジョジョ』シリーズです。なんと監督は、その『ジョジョ』シリーズで監督を務めた津田尚克さんが担当します!

 さらにこの日のシークレットゲストの一人目として、そんな津田監督をお呼びしたところで『planetarian』アニメプロジェクトの概要を青井さんが説明。原作ゲームはネット環境さえあれば誰でもプレイできることを目指していたことを明かし、アニメの展開も多くの人に触れてもらいやすい、ネット配信と劇場映画として展開することを発表しました。これを受けて会場からは歓声が漏れ聞こえており、さらにファンのみなさんの期待が深まったのではないでしょうか。

 このふたつの展開では面白い試みとして、配信版『ちいさなほしのゆめ』を封印都市のプラネタリウム解説員「ほしのゆめみ」の視点。劇場版『星の人』を、そんなゆめみのいるプラネタリウムに迷い込んだ青年、屑屋の視点で描いていきます。

 また、『星の人』は屑屋のその後を描くものですが、こちらにも『ちいさなほしのゆめ』の内容を少し含んでおり、プラネタリウムの投影シーンなども劇場で見ることができるとのこと。

■原作をリスペクトしているからこそのdavid production
 津田監督にお話を伺っていくと、所属するdavid productionにこの仕事が来た際に、自ら真っ先に「俺がやりたい」と監督に立候補したそうです。そんな監督は『planetarian』だけでなく他のKey作品もかなりプレイされているいわゆる“鍵っ子”だそうで、青井さんからは監督をはじめとした制作スタッフが、作品とファンのみなさんの心理を理解しているという点がdavid productionに制作を依頼した決め手だと語られました。

 ゆめみのキャラクターデザインが公開となると、会場が大いに沸きました。そして会場だけでなく、当日同時中継されていたニコニコ生放送のコメントでも「可愛い」というコメントがたくさんあったことが白石さんによって伝えられると、津田監督が駒都えーじさんのデザインしたキャラクターを、どうアニメに落とし込むのかキャラクターデザイン担当の方と相談していることを明かしました。また「本編はもっと可愛いですね」ともコメントされ、ゆめみのキャラクターデザインにはかなりの自信をもっていることが伺えます。

 お次は小野大輔さん演じる屑屋のキャラクターデザインを発表! 白石さんいわくD感があるというこのキャラクターデザインはなかなか好評で、一目で小野さんが演じているとわかるイケメンキャラクターになっていました。

 また小野さんからの「長い時を経て、またこうして「planetarian」を世に届けられることを本当に嬉しく思います。」というコメントを見ていくと、本作への思い入れが明らかに! さらに津田監督がアフレコ時のエピソードとして、どれだけこの『planetarian』に思い入れがあるのかを小野さんが語ってくれたことを話題に挙げられ、キャスト・スタッフ共に本作を愛している方々が製作に携わっていることがわかります。

 他にも様々な方からのメッセージを紹介していったところで、津田監督が「配信版と劇場版、ふたつの視点で本作を描く意図を“双方向からの見え方”を意識した」と語られました。せっかくなので、アニメでしか見られないものを自分も見たいからこそ描いたとのことで、ぜひともゲームでは見ることのできない、ゆめみと屑屋それぞれの視点からの『planetarian』に期待したいですね。

■遂に予告編&キービジュアル公開! そして最後のゲストは……!?
 予告編の上映、そしてキービジュアルが公開になると、配信版の公開が2016年7月7日七夕になることが発表! これは作品のテーマや物語の要素を拾って狙ったものだそうで、追随して劇場版も畳みかけるように9月3日に公開されます。配信版の興奮冷めやらぬうちに劇場版でまた違った趣の『planetarian』を楽しめるということで、これはファンのみなさんにとっては嬉しい展開ではないでしょうか。

 予告編でも少し見られたプラネタリウムの投影シーンの星空についてもこだわりをもって製作しており、アストロアーツという天文関係の会社の協力を得ているとも。これは作中の見どころのひとつになりそうですね。

 音楽スタッフの紹介に移ると、白石さんがスペシャルゲスト二人目として折戸伸治さんを会場にお呼びし、ここからは本作の音楽についてのトークが始まりました。折戸さんは原作ゲームの時点では本作に関わってはいなかったそうですが、今回アニメ化されるにあたってゲームをプレイしなおし、原曲のイメージを大切にしつつも今風かつ世界観をさらに広げるようなものを目指したとコメント。

 また、津田監督は昔から折戸さんのファンで、お会いする際には大層緊張されたそうです。しかし、それはそれとして折戸さんに音楽に関する要望を出し、”最初は可愛い感じの電子音から入って行き、徐々に弦楽器が増えて積み重ねてきた男の人生が感じられるように厚みが増していく”と発注。なので、折戸さんは序盤から弦を使っていこうと当初は考えていたそうですが、それを封印されてしまったことで苦心したとのこと。ですが、津田監督が「まさに劇伴」と太鼓判を押すほどのものとなっているので、本作の音楽にも期待です!

 原作で音楽担当を務めた戸越まごめさん、そして主題歌を歌う各アーティストからのコメント紹介を済ませたところで、最後は告知を挟んで本製作発表会は終了の時間となりました。ついに配信日・そして劇場公開の日程が決まったアニメ『planetarian』。ぜひ七夕の配信をお楽しみに!

■作品情報
 




【公開情報】
■それは、ある少女の物語 「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」
7月7日(木)よりニコニコ動画ほか下記動画配信サイトにて配信開始
J:COMオンデマンド / milplus / auビデオパス / dアニメストア / バンダイチャンネル / Playstation Store / U-NEXT / アニメ放題 / GYAO! ほか

■それは、ある男の物語 「planetarian~星の人~」
9月3日(土)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国順次公開

【STAFF】
原作:「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」(Key)
監督:津田尚克
脚本:ヤスカワショウゴ 津田尚克
シリーズディレクター:中山勝一 町谷俊輔
原作協力:Key/ビジュアルアーツ
キャラクター原案:駒都えーじ
キャラクターデザイン:竹知仁美
メカニックデザイン:海老川兼武
プロップデザイン:内田シンヤ
美術設定:泉寛
色彩設計:佐藤裕子
美術監督:竹田悠介 杉山祐子
3Dディレクター:長澤洋二
撮影監督:渡辺有正
編集:廣瀬清志
音響監督:山口貴之 津田尚克
音響効果:小山恭正
音楽:折戸伸治 どんまる 竹下智博(ビジュアルアーツ)
アニメーション制作:david production
製作:planetarian project

【音楽】
「planetarian~星の人~」主題歌「星の舟」: Lia
「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」エンディング・テーマ「Twinkle Starlight」: 佐咲紗花
イメージソング「Worlds Pain」: Ceui

【CAST】
ほしのゆめみ:すずきけいこ
屑屋:小野大輔

櫛田泰道
滝知史
佐藤利奈
篠塚勝
福沙奈恵
日笠陽子
津田美波
石上静香
桑原由気
竹口安芸子
大木民夫

>>アニメ公式サイト
>>公式twitter(@planetarian_pj)

(C)VisualArt's/Key/planetarian project

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