『天野喜孝展』天野氏が来場者と一緒にギャラリーを巡る、 SPICEへのオリジナル直筆イラストも

2016.5.14
レポート
アート

『天野喜孝展』ギャラリートーク

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5月22日までグランフロント大阪 ナレッジキャピタル イベントラボにて開催の『天野喜孝展~進化するファンタジー~』。5月11日・12日の2日間(4回)、天野氏本人が作品を紹介しながら来場者と一緒にギャラリーを巡るという、ファンにはたまらないイベントが実施された。

30歳頃から描いた『グイン・サーガ』については、「登場人物に入り込んで世界観を出して描いた」と話し、『アルスラーン戦記』『創竜伝』の前では「人間的に魅力的なキャラクターだから、中性的に自分なりにイメージをふくらませながら試行錯誤して描きました。今まで描いてきたキャラクターではなくファンタジーの部分も加え、リアルだけどアニメ的な画で冒険の要素も。それぞれ性格も違い、特徴や名前も面白いので楽しんで観ていただきたい」など、普段は聞くことができない、天野氏の作品への想いを直接うかがえる時間となった。

パンドラの箱

数々のキャラクターや作品の誕生秘話を話す天野氏

ギャラリートークイベント中には、来場者からの質問を天野氏が答える、という時間もあり「デジタル描画についてはいかがですか?」という質問に対して「デジタルは画材のひとつだと思います。僕は、絵の具で紙に描いた方が気持ちよくて楽しい。まだテクニックがないのかもしれないけど(笑)」と、ざっくばらんに笑顔で答えていた。

開催会場外観

今後挑戦していきたいことは沢山あるが、そのひとつは“和”と話す。今は和紙に墨で描いている作品もあるそうだ。「『Candy Girl』をレトロにしてみたいとも思う。父親が“和”関係の仕事だったので、幼いころから漆や金箔が身近にあったんですよね。その反発からなのか西洋的なものに憧れて描いていたつもりだったけど、海外から観ると天野の絵は東洋的。と言われるんです。なかなか考え深いですよ。父親の影響で根本的に“和”の心があるんだと思います。実際、“和”のイメージが強い赤と黒と金のカラーが好きだし、赤は漆のカラーだから好きなのかもしれない。『パンサー』も黒だし、想いかえすと赤と黒・金の作品が多い」と話す。

開催中の『天野喜孝展~進化するファンタジー~』では今年1月に逝去した伝説のロックスター、デヴィット・ボウイをイメージして描いた作品など、関西初公開の作品も数多く出展されている。金を基調とした『風神雷神図』の屏風、金箱『パンドラの箱』などにも是非、注目していただきたい。

関西初公開『風神雷神図』の前で❝SPICE❞特別直筆イラストと天野氏

そして、今回はなんと!特別に直筆『SPICE』オリジナルイラストを描いていただきました!大阪をイメージして、『Candy Girl』の頭が“たこ焼き”仕様に!天野先生、素敵なイラストをありがとうございました。

プロフィール
天野喜孝(YOSHITAKA AMANO)

1952年産まれ。静岡市出身。画家、キャラクターデザイナー、イラストレーター、装幀家。1967年アニメーション制作会社タツノコプロダクションに入社、「タイムボカン」などのキャラクターデザインを手掛ける。1982年、イラストレーターとしてデビュー。1987年「ファイナルファンタジー」キャラクターデザインを担当。同時期に「ヴァンパイアハンターD」挿画、「グイン・サーガ」挿画などを手掛ける。1995年頃からパリ・ニューヨークで制作。1997年大規模個展「THINK LIKE AMANO」をニューヨーク開催。近年は欧米アジア各国で数多くの展覧会を開催。

 

イベント情報
天野喜孝展 ~進化するファンタジー~
 
開催期間:2016年4月23日(土)~5月22日(日) 30日間                       
開催会場:グランフロント大阪北館 ナレッジキャピタル イベントラボ                   
開催時間:午前11時~午後7時                       
          ※最終入場は、 午後6時30分まで                       
          ※会期中無休
 
<入場料金>
一般:1,200円
大学生:1,000円
高校生・65歳以上:600円               
※中学生以下無料
※上記金額すべて税込
※障害者割引は、 本人と介添え1名まで当日料金の半額
(ただし、 高校生と65歳以上は除く)