行定勲監督、チャリティ上映の申し出相次ぐ。高良健吾、橋本愛、くまモンらと「映画って偉大」


熊本出身の行定勲監督が、熊本出身の出演者たちとともにつくりあげた映画『うつくしいひと』のチャリティ上映会が5月17日に有楽町マリオン朝日ホールで開催され、行定監督、橋本愛、姜尚中、高良健吾、米村亮太朗、柴田隆浩、くまモンが舞台挨拶に登壇。映画を通して復興支援を続けている行定監督が「全国の映画館、自治団体、映画祭含めて100か所から『チャリティ上映をしたい』と申し込みが来ている」と明かし、「改めて映画って素晴らしいと思った」と胸の内を語った。

熊本城や阿蘇山など熊本県内を舞台に撮影を敢行した本作。期せずして、熊本地震前の貴重な風景を記録した映画となった。避難所で出会った年配の女性から、「私の思い出にある熊本城が映っていた。あの映画を観ると自分の思い出がよみがえってくる。ありがとう」と声をかけられたという行定監督。「あんなに純粋にありがとうと言われたことはなかった。映画があるからこそ思い出と直結できたなんて、映画ってなんて偉大なんだと思った」と力強く語った。

行定監督は、その女性の言葉に「背中を押された」そうで、「この映画を携えて、一人でも多くの方に観ていただいて、募金活動をやろうと思った」という。その思いが全国の映画人に届き、チャリティ上映の申し出が続いており、「映画でみんながチャリティをやろうと思ってくれるなんて、こんなに胸が熱くなることはない。改めて映画って素晴らしいんだなと。それを信じてきてよかった」と心からの言葉を語り、大きな拍手を浴びていた。

また「継続の大切さ」を語ったのが、高良と橋本だ。被災地で給水支援をしてきた高良は、熊本の人たちが、お年寄りや子どもたちを優先して列を作っていることを目の当たりにしたそう。「どこに行ってもそうだった。そしてユーモアも忘れていない。熊本ってすごい。熊本っていい県だなと思った」と思いを馳せ、「避難所で見た光景は、大先輩から受け継がれてきた県民性」と故郷の伝統に惚れ惚れ。「自分は作品やエンタテインメントで、元気、勇気を届ける。自分たちのできることを長いスパンでやっていくことが大事」と心を込めた。

橋本は「自分の本業を通じて、心の復旧の助けを続けていく」と真摯な眼差しを見せ、「家族や友人も1か月経った今でも本当の安心は手に入っていない。疲れるけれど、油断だけはしないでくださいと伝えている。今を生き抜いてくださいということしか言えない」と不安な日々がいまだ続く、被災地に寄り添った言葉を口にしていた。【取材・文/成田おり枝】
 

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