MONO土田英生セレクション第3弾スタート

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2015.8.1
「算段兄弟」(初演タイトル「近松ゴシップ」)より(1999年3月メイシアターにて上演)

「算段兄弟」(初演タイトル「近松ゴシップ」)より(1999年3月メイシアターにて上演)

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 京都を拠点に活躍する劇団MONOの代表で、劇作家・演出家の土田英生が過去に発表した自作をリライト(再創作)し、土田自身が希望する俳優・スタッフとともに舞台を創作する企画が土田英生セレクション。気になる小劇場の才能に、「ここでしかできないこと」をチャレンジする機会を提供してきた三鷹市芸術文化センターだからこその企画と言える。

 2010年に第一弾として『―初恋』(田中美里 今井朋彦 犬飼若博 奥村泰彦 根本大介 川原一馬/千葉雅子/片桐仁)を、2012年に『燕のいる駅』(酒井美紀 内田滋 千葉雅子 土屋裕一 尾方宣久/中島ひろ子/久ヶ沢徹)を上演してきた。

 土田率いるMONOと言えば、メンバーが大学時代から長らく深めてきた関係性が生み出す、これ以上ないあうんの呼吸が見る者に心地よさを与えてくれる。時に、劇団ってやっぱりいいなあ、なんて思うこともある。そこにあえて背を向けた“セレクション”は、土田が演出をし(ここがポイント!)、新たなキャストとともに上演することで脚本の力が改めてクローズアップされる好企画だと思う。『算段兄弟』はプロデュース公演として『近松ゴシップ』というタイトルで1999年に初演された作品。わかぎゑふ、牧野エミ、久保田浩という関西の実力&個性派の面々が出演したとあって、どこか根本で“セレクション”に通じる部分もあるのかもしれない。また、2014年に開催した「私流俳優育成講座 土田英生・20代の俳優100人と出会う」で土田の目に留まったメンバーが出演しているそうで、それも興味深い。

 土田いわく「土田英生セレクションとして『─初恋』『燕のいる駅』の2作を上演してきた。初演はMONOだった。今回、上演する『算段兄弟』はプロデュース公演として『近松ゴシップ』というタイトルで1999年に初演され、好評をいただいた作品だ。血縁などに縛られる人々を描いている。素晴らしいキャストと共に、現在に通用する作品としてリメイクする。窮屈な時代になっている今、私たちが何で苦しんでいるのか、それを訴えられる舞台にしたい」

 院長が死の床にあり、今は閉鎖されている山奥の個人病院。そこに彼の子供たちとその配偶者が集められるが、院長が結婚、離婚を繰り返したため、皆、母親が違い、そのほとんどは初対面だ。ぎこちない雰囲気の中、遺産目当ての双子や、いきなり兄を「兄ちゃん」と呼び、初対面の兄や姉にいきなり「兄ちゃん」「お姉さん」などと話しかけ、そう呼ぶことで急激に家族関係を構築しようとする孤独な三男らの、珍妙な会話が続く……。 

 土田作品に、今までとはひと味違うザワザワ感が吹きそうな予感がする。


 
イベント情報

Cucumber+三鷹市芸術文化センター Presents 土田英生セレクション vol.3 『算段兄弟』

日時:2015年7月31日(土)~8月9日(日)
会場:三鷹市芸術文化センター
作・演出:土田英生
出演:村岡希美(ナイロン100℃)、竹井亮介(親族代表)、本多 力(ヨーロッパ企画)、もたい陽子、七味まゆ味(柿喰う客)、尾方宣久(MONO)/土田祐太、渡辺啓太(東京サムライガンズ)、大村わたる(柿喰う客)、高橋明日香(kitt)、石丸奈菜美

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