ビヨンセ 大規模ワールド・ツアー開幕!5万人が熱狂したライヴをレポート
ビヨンセ 撮影=AP/アフロ
世紀のスーパースター=ビヨンセが、通算6作目となる最新作『レモネード』を4月末に突如発表し大きな反響を呼んでいる。前作『ビヨンセ』同様、今作も<ビジュアル・アルバム>のコンセプトのもと、収録曲に呼応したミュージック・ビデオによって綴られる1本の映像作品と併わさせてのパッケージ作品だが、今作は赤裸々な告白で綴られるスーパースターの衝撃の真実と、身を引き裂くほどの苦しみの果てに見つけた希望と愛を謳う、ビヨンセ史上最もパーソナルでセンセーショナル、そしてエモ―ショナルな作品で、堂々米・英1位を飾っている。そんなビヨンセが、早くも新作を携えて開始した大規模な「フォーメーション・ワールド・ツアー」での5万人が集結したアトランタ/ジョージア・ドーム公演のライヴ・レポートをいち早くお届けする。
「オーケー・レイディース、レッツ・ゲット・イン・フォーメーション(隊列を組むのよ)!」とビヨンセの高らかな号令でスタートした『フォーメーション・ワールド・ツアー』。会場となったアトランタのジョージア・ドームには、約5万人のファンが集結。立体的にビヨンセの世界感を視覚化する高さ18メートルの巨大キューブ型スクリーンが90度回転し、最新アルバム『レモネード』を想起させる映像が映し出されると、「フォーメーション」(MV: http://www.beyonce.com/formation/)の印象的なイントロが流れ出し、先述したビヨンセのシャウトでショーがスタート。歌詞に登場する「I Slay(私がキメてやるわ!)」というフレーズを使い、「今夜ビヨンセを観に来たならこう叫んで!I Slay!自分たちがイケてると思うなら、こう叫んで!I Slay!」と、冒頭からオーディエンスを扇動するビヨンセの姿は、一人のシンガーという存在を超え、まるで大きな問題に立ち向かうアクティヴィスト。続いて新曲の「ソーリー」、2011年のヒット曲「ラン・ザ・ワールド(ガールズ)」と、アグレッシヴなガールズ・アンセムをパフォーム。浮気な夫に爽快に別れを告げる「ソーリー」では、「中指を立てて手を振るの、彼にサヨナラを告げるわ」という歌詞に合わせて、中指を立てた豪快なポーズで5万人(もちろん女子率高し!)が一斉に大合唱。会場のボルテージを最高潮まで引き上げた。
ビヨンセ 撮影=AP/アフロ
ショウは新作『レモネード』の楽曲を中心に、歴代ヒット曲を織り交ぜ進行していく。「どんなに辛い状況でも、決して1人じゃない。あなたには「自分」という味方がいる。自分の幸せは自己責任のもとに実現するの」と、ソロ初期の「ミー、マイセルフ・アンド・アイ」を熱唱。改めて彼女が女性に与えてきたパワーの大きさを再確認した。続いて「最新アルバムのなかで一番お気に入りの曲」と紹介して、同作のハイライトとなる感動のバラード「オール・ナイト」や、ジャック・ホワイトをフィーチャリングした「ドント・ハート・ユアセルフ」を披露。また前作『ビヨンセ』からはグラミー2部門を受賞した大ヒット曲「ドランク・イン・ラヴ」を熱唱し、さらなるビヨンセ・ワールドに観客を引き込んでいった。
ライブはいよいよクライマックスへ。スクリーンに家族のプライベート映像が投影された後、壮大なサウンドとともに再びダンサーを従えビヨンセが登場。ステージに設置された水槽で、全員が裸足で水に浸かりながらパフォームするのは、新作のなかでも特別力強いメッセージを孕んだ「フリーダム feat.ケンドリック・ラマー」だ。水を蹴散らしながらエネルギッシュに歌うビヨンセ。会場のエネルギーとの一体感は凄まじく、冒頭にオーディエンス全員で組んだ<フォーメーション>は、このときの為のものだったのだ!と実感した。そのまま「サヴァイブしている子はどれくらいいる?」と、デスティニーズ・チャイルド期の代表曲「サヴァイヴァー」、そして最後は「目を閉じて、愛する人のことを思い浮かべながら聴いてほしい」と観客に伝えながら「ヘイロー」を熱唱し、大熱狂のまま本編の幕が閉じた。
一分の隙もない、神秘的でパーフェクトなショウ。ゲスト・パフォーマーは誰ひとりいない、己のパワーだけで自らの世界観を完全なまでに創り上げたステージは、間違いなくビヨンセの「帝国」そのものだった。世界49か所での公演が決定している本ツアー。世界は、ビヨンセにひれ伏すしかない。
Text by Yoko Miyoshi (BlackRiverMobb)
2016年7月6日発売決定
SICP4838~4839|3300円+税|DVD日本語字幕入り | 対訳・解説付き
購入予約: https://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?cd=SICP-4838
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iTunes購入リンク: https://itunes.apple.com/jp/album/id1107429221/?app=itunes&ls=1
*iTunes は、Apple Inc.の商標です。
01. PRAY YOU CATCH ME/プレイ・ユー・キャッチ・ミ―
02. HOLD UP/ホールド・アップ
03. DON’ HURT YOURSELF (FEAT. JACK WHITE)/ドント・ハート・ユアセルフ(feat.ジャック・ホワイト)
04. SORRY/ソーリー
05. 6 INCH (FEAT. THE WEEKND)/6インチ(feat.ザ・ウィークエンド)
06. DADDY LESSONS/ダディ・レッスンズ
07. LOVE DROUGHT/ラヴ・ドラウト
08. SANDCASTLES/サンドキャッスルズ
09. FORWARD (FEAT. JAMES BLAKE)/フォワード(feat.ジェイムス・ブレイク)
10. FREEDOM (FEAT. KENDRICK LAMAR)/フリーダム(feat.ケンドリック・ラマー)
11. ALL NIGHT/オール・ナイト
12. FORMATION/フォーメーション MV: http://www.beyonce.com/formation/
13. LEMONADE FILM/レモネード・フィルム ※映像
※13=1~12曲目それぞれに呼応したミュージック・ビデオによって綴られる1本の映像作品。
※デジタルは12曲の音源と映像「レモネード・フィルム」を1アルバムとして配信中
※国内盤及び輸入盤は「レモネード・フィルム」をDVD化