Spotifyが2024年の総括&未来へ繋ぐ100曲をまとめたプレイリスト『Snake』公開ーーミーガン・ザ・スタリオンと千葉雄喜、Creepy Nuts、チャーリーXCX、チャペル・ローンなど厳選10曲を深堀り

特集
音楽
2025.1.1

2025年1月1日(水)に、Spotifyの公式プレイリスト『Snake』が公開! 今年の干支・巳にちなんだタイトルで、2024年を象徴するような楽曲のほか、今年の音楽シーンで活躍を期待するアーティストの楽曲をミックスした100曲がリストイン。選曲には、Spotify Japanのエディトリアル・チームのほか、毎週水曜に新曲を紹介しているポッドキャスト『New Music Wednesday [Podcast Edition]』のナビゲーターである竹内琢也、そしてSPICEチームが参加している。

また、このプレイリストをさらに深掘りする『Snake Podcast Edition
』も同時に配信がスタート。同プログラムでは、100曲から10曲を厳選して、プレイリストだけでは知ることができないエピソードを紹介する。今年は2024年に国内のみならずグローバルでも多く聴かれたミーガン・ザ・スタリオンと千葉雄喜、Creepy Nutsや星街すいせい、海外ポップミュージックシーンで大きく話題となったチャーリーXCXやチャペル・ローンなどをピックアップ。さらに。J-Hip Hopプレイリスト『+81 Connect』内でも多く聴かれたYENTOWNや、『パリオリンピック』の閉会式で行われたパフォーマンスでも披露されたビリー・アイリッシュ「BIRDS OF A FEATHER」などを、音楽ニュースとともに振り返っていく。

ミーガン・ザ・スタリオン「Mamushi (feat. Yuki Chiba)」

ミーガン・ザ・スタリオンの「Mamushi (feat. Yuki Chiba)」がプレイリスト『Snake』の1曲目を飾りました。ミーガンは昨年の春、Crunchyrollのアニメ・アワードに出席するために来日した際のInstagramに千葉雄喜との写真がアップされており、話題となっていました。(Crunchyrollは世界有数のアニメストリーミングサービスで、2024年にはSpotifyとのコラボで制作されたポッドキャストやプレイリストも公開されています)本楽曲は6月にリリースされたミーガンのアルバム『MEGAN』に収録されており、客演参加で千葉雄喜、プロデューサーとしてKoshyが参加しています。

(Koshyは、千葉雄喜の前名義であるKOHHがキッカケで音楽を始めた日本人プロデューサー。インタビューによると、千葉さんからKoshyさんに「ミーガン来るけど、来る?」と電話がかかってきて、その時別の場所でレコーディングしていたけれどすぐさまスタジオに駆けつけ、その場で「Mamushi」のビートが完成したそう。このタイミングで駆けつけなかったら生まれなかった曲かもしれません。他にもWatsonなど色々なアーティストの作品に参加しており、SpotifyではKoshyが手がけた作品を集めたプレイリスト『Koshy Works』も公開中)

リリース後すぐさまバイラルとなり、Spotifyではグローバルチャートでトップ50入りを記録。千葉はミーガンによるイギリス・ロンドンのO2アリーナ公演に出演しました。また『2024 MTV Video Music Awards』でのパフォーマンスに参加し、メインショーのステージに立った初の日本人アーティストとなりました。2021年末にKOHHとしての活動を引退し、今年の2月で本名名義で初となる楽曲「チーム友達」をリリースした千葉雄喜。「チーム友達」のバイラルや「Mamush(feat. Yuki Chiba)」のグローバルヒット、年末には1stアルバム『STAR』をリリースするなど大きな話題をふりまいた年となりました。更に2025年3月に更なるニューアルバムのリリース、7月には千葉雄喜としては初となるワンマンライブ『千葉 雄喜 ― STAR LIVE』を日本武道館で開催することも発表されています。

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」

Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」は2024年を代表する楽曲となりました。テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期のオープニング主題歌として2024年1月にリリースされた本楽曲は、アニメのオープニングムービーで主人公が踊るダンスのインパクトも相まって、TikTokやYouTubeでもダンス動画が多数アップされるなどリリース後すぐにバイラルに。

(ちなみにこの曲はジャージークラブのサウンドを取り入れています。ドンドンドンッドンのいう特徴的なリズム。実は「Bling-Bang-Bang-Born」の前後にリリースされた「ビリケン」と「二度寝」、そして10月にリリースされた「オトノケ」もそうで、昨年年のCreepy Nutsはジャージークラブモードでした。ここ数年海外ポップシーン、もちろん日本でもジャージークラブを使った楽曲は多く、ピンクパンサレス&アイス・スパイスの「Boy’s a liar Pt. 2」、NewJeansの「Ditto」、iriの「Roll」、私がSpotifyで対談インタビューをしたMega ShinnosukeとSkaaiの「iPhone」など一つのトレンドになっていました)

Spotifyのグローバルチャートでは最高52位にランクイン、リリース直後からアメリカや中南米、スペイン語圏を中心とするヨーロッパなどを起点に同時多発的にバイラルヒットを記録しています。年末に公開された『Spotifyまとめ2024』では、昨年国内で最も再生された楽曲&海外で最も再生された国内アーティストの楽曲と、Spotify史上初めて日本における両部門で2冠を達成。国別ランキングでもアメリカ、ブラジル、フランスの1位を筆頭に、インドネシア、韓国、インド、タイでもトップ5入りを果たしています。年末に発表された流行語大賞のトップ10にも選出されています。

星街すいせい「ビビデバ」

Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」のヒット、アメリカ・カリフォルニア州で開催された『コーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル2024』での新しい学校のリーダーズ、Awich、Number_i、YOASOBIが出演した2024年。ほかにもAdo、ONE OK ROCK、King Gnu、imase、ずっと真夜中でいいのに。、藤井 風、Eveなど多くのアーティストが海外公演やツアーを行うなど、日本のアーティストの海外進出が印象的な年でした。星街すいせいの「ビビデバ」も海外で多く聴かれた楽曲の一つです。

星街すいせいはVTuber、バーチャルアーティストで、2021年に『Still Still Stellar』、2023年に『Specter』をリリースするなどこれまでに2枚のアルバムをリリースしています。2ndアルバムにはYOASOBIのAyase、UNISON SQUARE GARDEN/THE KEBABSの田淵智也、キタニタツヤなど錚々たるアーティストが楽曲を提供している事でも話題となりました。2023年には『THE FIRST TAKE』にも出演しています。年末にVTuberを表彰する海外発のアワード『VTuber Awards 2024』にて音楽部門の「Best Music VTuber」を受賞、2025年2月にはCONVERSEとのコラボモデルの発売が予定されるなど、色々と話題になっています。

リストインした「ビビデバ」は2024年3月にリリースされ、Spotifyでは4,900万回を超える再生を記録。Spotify Japanのエディターが日本のポップカルチャーを海外に紹介するプレイリスト『Gacha Pop』ではリリース翌週にカバーを飾り、その際のアクセスが2024年上半期のトップとなるなど大きな反響がありました。ちなみにプレイリスト『Gacha Pop』は、年末に公開された『Spotifyまとめ 2024』にて2024年に海外で最も聴かれた日本のSpotify公式プレイリストの第3位にランクイン。『Gacha Pop』とボカロ曲の相性の良さも見られ、YOASOBIやヨルシカなどボカロPとして活動した音楽家がコンポーザーを務めるユニットや、初音ミクが『コーチェラフェスティバル2024』に出演した際に披露した雄之助&CircusPによる「Intergalactic Bound」も多くのリスナーに聴かれました。

チャーリーXCX「Guess featuring ビリー・アイリッシュ」

チャーリーXCXは、2024年のポップミュージックシーンを語る上で欠かせないアーティストとなりました。2013年にデビューアルバム『True Romance』をリリース。同年にアイコナ・ポップとの「I Love It」、2014年の「Boom Clap」、イギー・アゼリアとのコラボ曲「Fancy」などこれまでも多くのヒット曲をシーンに送り込み、その後ハイパーポップの先駆者として、実験的なエレクトロニックミュージックと耳に残るポップなメロディを融合させた独自のサウンドを確立。

自身6枚目のアルバムとして2024年にリリースされた『BRAT』はリリース後UKアルバムチャート1位、USアルバムチャートで自身最高位となる3位を獲得しました。2024年3月にはSNSで「自身はダンスミュージックを作るために生まれてきた”クラブ出身者”である」と投稿。その言葉どおり、彼女の代名詞となっているハイパーポップをはじめ、テクノやハウス、ダンスポップまで様々なダンスミュージックの要素が入ったアルバムとなっています。また「少し乱れていて、パーティーが大好きで、時々おバカなことを言うあの子になりきること。彼女は正直で、ぶっきらぼうで、少し気まぐれ。それが“ブラット”」と語る「brat」の価値観は若い世代に大きく受け入れられ「brat summer」という言葉が大流行しました。さらにネオングリーンの背景に低解像度のフォントでbratと書かれた印象的なジャケットはバズを起こし、SNS上ではフォントとカラーが一人歩き。同時期にアメリカ大統領選挙が行われ、米大統領選に名乗りを上げたカマラ・ハリスについて、チャーリーXCXが「brat」だとSNSに投稿した後に、ハリス陣営のSNSアカウントがネオングリーンになるなど社会現象にもなりました。

なおチャーリーXCXは『グラミー賞』にて「Record of the Year」、「Album of the Year」を含む9部門にノミネート。NME、Rolling Stone、ガーディアン、ワシントン・ポストが今年のベストアルバム1位に選ぶなど多くの音楽メディアのイヤーエンドリストの上位に選出されました。『Snake』には『BRAT』のデラックス版に収録されていた「GUESS」に、ビリー・アイリッシュが参加したリミックスverがリストインしています。

ビリー・アイリッシュ「BIRDS OF A FEATHER」

ビリー・アイリッシュが2024年5月にリリースしたアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』から、「BIRDS OF A FEATHER」が『Snake』にリストインしました。2019年の『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』、2021年の『Happier Than Ever』とも全く違うサウンドを示し、自身が「これまでに作ってきたものの中で、最も私らしいものである」と語るアルバムとなりました。収録曲のうち、リリースタイミングで『New Music Wednesday』にリストインし、Spotifyのグローバルチャートでも1位を獲得した「Lunch」は、昨年、意図せずにしてクィアであることを公表されたビリーが、そうあることにインスピレーションを得て作った楽曲。昼食というメタファーで女性に対して性的に惹かれている様子、恋愛として惹かれているのかもしれないという様子が描かれています。

『Snake』にリストインし、「Lunch」と同じくSpotifyのグローバルチャートで1位を獲得した「BIRDS OF A FEATHER」は、既にSpotifyで17億回を超える再生回数を記録。年末に公開された『Spotifyまとめ 2024』では今年世界で最も再生された楽曲の3位にランクインしました。また『パリオリンピック』の閉会式で行われた、2028年の『ロサンゼルスオリンピック』への引き継ぎ式でのパフォーマンスにも出演し、同楽曲と「THE GREATEST」を披露。LAで行われたこのパフォーマンスは、ビリー・アイリッシュの過去の楽曲の中でも特に明るいサウンドである「BIRDS OF A FEATHER」とLAの風が心地よく溶け合った雰囲気が印象的でした。

なお2024年2月に授賞式が行われた『第66回グラミー賞』において、映画『バービー』のための楽曲「What Was I Made For?」で「Song Of The Year」を受賞。2025年に授賞式が開催される『第67回グラミー賞』でも、主要3部門(年間最優秀レコード、年間最優秀アルバム、年間最優秀楽曲)を含む全7部門にノミネートされています。

チャペル・ローン「Good Luck,Babe!」

2024年海外ポップシーンで大ブレイクをしたアーティストといえばチャペル・ローン。米ミズーリ州出身のシンガー・ソングライター、チャペル・ローンは2023年9月にデビュー・アルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』をリリース。2024年の初頭から春にかけてオリヴィア・ロドリゴの『ガッツ・ワールド・ツアー』のオープニング・アクトとしてパフォーマンスしたことで更に注目度が上がります。

コーチェラフェスティバル2024』のステージでは、YouTubeで生中継され、現場にいた観客はもちろん、画面越しにその瞬間を目撃した多くの人を魅了しています。2024年4月にリリースされた「Good Luck,Babe!」はUKシングルチャートで2位、USシングルチャートで4位を獲得する大ヒットとなりました。楽曲単位ではなくアルバムを通して聴くリスナーが多かったため、1stアルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』のチャートも上昇。UKアルバムチャートで1位、USアルバムチャートでも2位を獲得しています。2024年の『MTV Video Music Awards』では最優秀新人賞を受賞し、2025年に授賞式が開催される第67回グラミー賞でも主要4部門全てを含む6部門にノミネートされています。

(ポップな楽曲、パワフルな歌唱はもちろんなんですが……そのルックスの奇抜さや、ステージでの衣装でも話題に。6月に行われたニューヨークでのガバナーズ・ボールでは、自由の女神の衣装をまとった衣装が注目され、ルックスやそのキャラクターが相まって非常に人気となっています。「Good Luck,Babe!」は自分が女性を好きだとまだ認められずにいる女の子に恋をするという、女の子同士の恋愛が描かれる楽曲です。性的マイノリティであることを公表していて、LGBTQからの支持を受けています。ライブやMVの世界観に表れている通り、メイクや衣装はドラァグクイーンからの影響が感じられます)

YENTOWN 「不幸中の幸い(feat. kZm, PETZ, JNKMN, Awich, MonyHorse & U-Lee)」

2024年5月にリリースされたYENTOWNの「不幸中の幸い(feat. kZm, PETZ, JNKMN, Awich, MonyHorse & U-Lee)」もプレイリスト『Snake』にリストインしています。Red Bullのサイファー企画『RASEN』のパフォーマンスとして公開され、その数週間後に配信リリースされました。Awich、 kZm、Chaki Zuluなど現在のヒップホップシーンの重要人物が多数在籍するYENTOWNが結成10周年にして初めてグループ名義で発表した楽曲という事でも大きな話題になりました。SpotifyのJ-Hip Hopフラッグシッププレイリスト『+81 Connect』内でも多くのリスナーに聴かれ、2024年の『+81 Connect』で聴かれた楽曲が並ぶプレイリスト『Best of +81 Connect』では千葉雄喜の「チーム友達」に次ぐ2位にランクインしました。サマソニ東京で開催された『+81 Connect』がステージをジャックする特別企画『+81 Connect Live: after hours』ではkZmのステージにYENTOWNメンバーが集結し本楽曲を披露しました。

なお『Spotifyまとめ2024』のプレイリストから、2024年に人気を集めた10の楽曲のジャケットのデザインをプリントしたTシャツをZOZOVILLAで受注販売する企画『Spotifyまとめ2024 in ZOZOVILLA』が展開されており、「不幸中の幸い(feat. kZm, PETZ, JNKMN, Awich, MonyHorse & U-Lee)」のジャケットのデザインをプリントしてTシャツも購入可能。1月14日(火)まで販売中です。

ジェイミーXX「Baddy On The Floor」

多くの素晴らしいダンスミュージックの作品がリリースされた2024年、『Snake』にもフレッド・アゲインの「places to be」(アルバム『ten days』収録)、カリブーの「Honey」(アルバム『Honey』収録)、サルートの「go!」(アルバム『TRUE MAGIC』収録/なかむらみなみが参加。なかむらみなみは海外プロデューサーとのコラボレーションも多い日本のラッパーでフジロックにも出演)など様々な楽曲が収録されています。ジェイミーXXの「Baddy On The Floor」もその一つ。The XXのメンバーで、ロックからソウル、ダンスミュージックまでジャンルレスなサウンドで幅広いリスナーから支持を受け、また数々のビッグアーティストのプロデュースも手がけるジェイミー・エックス・エックス。2015年にリリースされグラミー賞、ブリット・アワード、マーキュリー賞など様々な音楽賞にノミネートされた『In Colour』から9年ぶりとなるアルバム『In Waves』をリリースしました。

( 私が個人的のSpotifyまとめで、最も聴いたアーティストランキングで上位だったアーティスト。2024年はアルバムからの楽曲がどんどんリリースされ出す曲出す曲素晴らしかったです。ダンスミュージックファンにとってはJamie XXをたっぷり聴いた年になったんじゃないかなと。アジアツアーも行われ11月には来日公演もしてくれました!)

ヨルシカ「憂、燦々」

スキマスイッチ初のトリビュートアルバム『SUKIMASWITCH 20th Anniversary Tribute Album「みんなのスキマスイッチ」』、THE ALFEE(ジ・アルフィー) のトリビュート・アルバム 『五十年祭』、B'z の「Get Wild」が話題となったTM NETWORKのトリビュート・アルバム『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』、年末にリリースになったSalyuのトリビュート・アルバム『Salyu 20th Anniversary Tribute Album “grafting”』など2024年は素晴らしいトリビュートアルバムが多数リリースされた年でもありました。

クリープハイプのトリビュートアルバム『もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって』もその一つ。SEKAI NO OWARI、ヨルシカ、10-FEET、UNISON SQUARE GARDEN、ano、indigo la End、WurtS、東京スカパラダイスオーケストラ、ウルフルズ、My Hair is Bad、back numberといった錚々たる面々が参加したこの作品は多くのリスナーに聴かれました。『Snake』にリストインしている「憂、燦々」やSEKAI NO OWARIの「栞」はSpotifyのJapanチャートにもランクイン。トリビュート作品がチャートの上位に入る例はあまりなく、広く聴かれた作品となりました。また2024年に初期の楽曲から新曲まで幅広く聴かれたヨルシカは、『Spotifyまとめ2024』で発表された国内で最も聴かれたアーティストにて5位となり、初のトップ5入りを果たしました。

ビヨンセ「TEXAS HOLD 'EM 」

ビヨンセの「TEXAS HOLD 'EM」も『Snake』にリストインしています。「TEXAS HOLD 'EM」が収録された『COWBOY CARTER』は2022年の『RENAISSANCE』に続く3部作の第2部となるアルバムです。当初は3部作の最初の作品として発表される予定だったアルバムでしたが、制作期間中にパンデミックが発生したことにより、踊れる作品である『RENAISSANCE』が先にリリースされることになりました。アルバムには客演としてウィリー・ネルソン、マイリー・サイラス、ポスト・マローン、アフリカ系アメリカ人としてはじめてカントリーチャートに入り黒人女性としてはじめてカントリーの分野で成功を収めたリンダ・マーテルらが参加。タナー・アデル、ブリトニー・スペンサー、ティエラ・ケネディ、レイナ・ロバーツという4人の黒人カントリーシンガーが参加したビートルズの「Blackbird」(黒人女性の人権擁護や解放について歌われている楽曲)のカバー「BLACKBIIRD」、ドリー・パートン「Jolene」のカヴァーを含む全27曲が収録された大作となりました。

(カントリー・ミュージック界で封印されてきた黒人の歴史を浮き彫りにしようとするサウンド、客演に。僕も含めてこの作品をキッカケにカントリーミュージックの新たな側面や、歴史を調べたという方も多いんじゃないでしょうか。この「TEXAS HOLD 'EM 」はアルバムの先行配信曲としてリリースされ、ビヨンセがカントリーに接近したという点で大きな話題になりましたが、実際の作品はもっと複雑で色んな文脈があらゆるところに散りばめられており、様々なサウンドがミックスされた”ビヨンセ”のアルバムとなっています)

『COWBOY CARTER』は黒人女性史上初の全米カントリーアルバムチャート1位を獲得したアルバムとなり、第67回グラミー賞にも最多となる計11部門へノミネートされ、これによりキャリア累計グラミー賞®ノミネート数が99となり、グラミー史上最もノミネートされたアーティストとなりました。またビヨンセは3月の来日時に東京・タワーレコード渋谷店でサイン会を行いました。2024年はビヨンセに加え、ビリー・アイリッシュ、デュア・リパもサイン会を行っており、タワーレコード渋谷店でゲリラ的にサイン会を行なうのが海外大物アーティストのトレンドになりつつあります。

(余談ですが、大阪にHenry’s Pizzaというアーティスト・デザイナーのVerdyさんがやっているピザ屋があるんですけど、ここもここ数年、もちろん今年も海外アーティストが来日時に多数やってきました。Tyla、BLACKPINK ジェニー、BLACKPINKのロゼとブルーノマーズも二人で来てます)

ここまで文=竹内琢也


『New Music Wednesday [Podcast Edition]』とは……

毎週水曜日に、その週リリースされた注目の新曲を中心に更新される、Spotifyのプレイリスト『New Music Wednesday』をさらに深掘りするSpotify公式ポッドキャスト。この番組をチェックすると話題の新曲をいち早く、そして詳しく知ることができて、今の音楽シーンがまるわかりに。あなたの通勤、通学、スキマ時間に無料で聴くことができるので是非チェックを。また番組では、Spotifyアプリの「Q&A」からメッセージやリクエストも募集中。あなたのオススメ曲や思い出ソングが紹介されるかも!? 番組への感想やリクエストはSpotifyのコメント機能から投稿を!

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