『VIVA LA ROCK 2016』オフィシャル・クイックレポート ストレイテナー

2016.5.30
レポート
音楽

ストレイテナー 撮影=古渓一道

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『VIVA LA ROCK 2016』2016.5.29 さいたまスーパーアリーナ
VIVA! STAGE ストレイテナー

ストレイテナーがVIVA LA ROCKに初登場。新旧のバンドが群雄割拠の様相を呈するVIVA! STAGEにおいて、彼らは「キャリアの貫禄を示す」のではなく、あくまで「現在進行形の姿を示す」ことを意図し、新たなチャレンジへの心意気を強く感じさせるライヴとなった。

ストレイテナー 撮影=古渓一道

ステージに登場したホリエアツシはまずオーディエンスに向かって拍手をし、頭を下げる。「VIVA LA ROCK初登場、俺たちストレイテナーって言います」と始まったのは、ヘヴィなイントロの“DAY TO DAY”。ドラムのアクシデントで一度演奏が止まるものの、すぐに再開すると、サビのスケール感あるメロディが会場を包み込む。最新アルバム『COLD DISC』はホリエが「間口の広いメロディ」「聴いたことがありそうで、実はどこにもないもの」を目指した作品であり、この曲のサビは今のバンドのモードを明確に示している。

ストレイテナー 撮影=古渓一道

「踊ろうぜ、さいたまスーパーアリーナ!」と呼びかけて始まったのはダンサブルな“DISCOGRAPHY”で、この日披露された『COLD DISC』に収録されていない曲はこの一曲のみ。「新作をMUSICAのDISC OF THE MONTHに選んでもらいました。今日はそこから初披露する曲がたくさんあります」と告げ、“The Place Has No Name”から日向秀和のゴリゴリのベースで始まるパンキッシュな“Dark City”、音数を絞ったファンキーな“Alternative Dancer”へ。このあたりは「らしい」洋楽色も入っているが、この日より印象的なのはラストの3曲だった。

ストレイテナー 撮影=古渓一道

“原色”は中盤のサイケデリックな展開も強力だが、やはり何より耳に飛び込んでくるのはホリエの歌とメロディ。続く“シーグラス”はそんな「歌」モードの象徴と言うべき一曲で、表面的にはシンプルなアレンジが逆に覚悟を示している。「またライヴハウスで会いましょう」と言って最後に披露されたのは、アルバムでもラストに置かれている“覚星”。鍵盤の前に座ったホリエは最後まで丁寧に歌い、言葉を届けた。

ストレイテナー 撮影=古渓一道

安定よりも変化を選び、「フェスでは過去の定番を数曲」という暗黙のルールをも無視して、現在進行形の姿を示したバンドの心意気を心から支持したい。この歌たちが多くの人に共有されることを願って。


撮影=古渓一道 レポート・文=金子厚武

セットリスト
『VIVA LA ROCK 2016』2016.5.29 さいたまスーパーアリーナ
VIVA! STAGE ストレイテナー

1. DAY TO DAY
2. DISCOGRAPHY
3. The Place Has No Name
4. Dark City
5. Alternative Dancer
6. 原色
7. シーグラス
8. 覚星