銀座の画廊がお酒でおもてなし!アットホームすぎるアートイベント『画廊の夜会』とは? 体験レポート #前編

2016.6.1
レポート
アート

『画廊の夜会』(銀座柳画廊)

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現在、東京・銀座には100軒以上の画廊・ギャラリーが存在している。銀座は、古くより美術品が往来している日本屈指の「アートの街」だ。ところがあなたは、「銀座の画廊」と名のつく場所に、足を踏み入れたことがあるだろうか?「画廊って高額な作品を買わされそうで怖い」、そんなイメージを持ったあなたにこそ知ってほしいイベントがある。
その名も『画廊の夜会』だ。銀座4丁目~8丁目にある24 画廊 が夕方から夜にかけて一斉に開廊し、それぞれが開く展覧会でおもてなしをするという試みだ。この『画廊の夜会』に参加しているギャラリーの中から厳選した9箇所を、SPICEでもライターとして活躍しているアートテラー・とに~氏の先導のもと巡るアートツアーが開催された。今回はその様子を前編・後編2回に分けてお届けする。そのイメージとは裏腹に”アットホームすぎる”画廊の様子と、”チャーミングすぎる”ギャラリスト達の人間性を感じ取っていただければ幸いである。早速、銀座の街に繰り出してみよう。


午後6時、銀座5丁目にある数寄屋橋公園にアートツアー参加者が集まり始める。岡本太郎作の《若い時計台》がそびえるこの公園をアートツアーの出発地に選んだのも、とに~氏の粋な計らいであろう。

画像中央の男性がアートツアーを導くとに~氏

 

銀座柳画廊

最初に訪問したのは、「銀座柳画廊」。「今回のツアーで回る中で、1、2を争うほどオープンな画廊」ととに~氏が語るこの画廊、一歩足を踏み入れると、明るい照明のもとに照らされた数十点の書の作品と、画廊中央に存在するお酒とおつまみが目に飛び込んできた。このお酒とおつまみこそが、『画廊の夜会』の特徴である”各画廊のおもてなし”なのである。普段は飲食をしながら美術鑑賞をすることはご法度とされている中で、この体験はなかなかできるものではない。

銀座柳画廊


ツアー参加者は各々自由に作品を鑑賞。イベント開催時ということもあり賑わう画廊の中で、参加者同士で感想を述べ合ったり写真を撮ったりする場面も見られた。こういった、一人で画廊を訪れた時にはできないコミュニケーションの豊富さもアートツアーに参加する醍醐味の一つなのである。

 

表玄

次に訪れたのは、「表玄」という一風変わった名前の画廊。なんでも、元は掛軸の表装や額装を手掛ける表具屋さんから分社しできた画廊とのこと。

表玄

日本和室の中で、こじんまりと飾られた書画や日本画が立ち並ぶ。奥の部屋には、今年の3月~5月に東京国立近代美術館で企画展が行われていた安田靫彦の作品も。洒脱に飾られた作品と華のコントラストに、日本の美を感じる。

安田靫彦《菊慈童》

 

日動画廊

その次に訪れたのは、重厚な入口が特徴的な「日動画廊」だ。「東京海上日動のあるビルにあるから『日動画廊』。東京海上日動がやっている画廊ではありませんよ」と、とに~氏が解説をする。「上野の国立西洋美術館より歴史のある画廊なんです」というとに~氏の言葉に驚きの声を上げるツアー参加者。銀座のアートの歴史を感じられるスポットと言えそうだ。

日動画廊

 

銀座ジャンセンギャラリー

すっかり夕暮れとなった銀座の街を歩き次に向かったのは、アールデコ調のインテリアと仄かな照明で雰囲気満点の「銀座ジャンセンギャラリー」。

銀座ジャンセンギャラリー

第二次大戦後のフランスで活躍したジャン・ジャンセンの作品を中心に扱うこの画廊は、作品の値段をはっきりと明記して展示しているのが特徴だ。入口付近にて画廊スタッフより「持って行ってくださいね!」と威勢よく声をかけられ手渡されたのは、ジャンセンの作品が描かれたポストカード。『画廊の夜会』では、こんなうれしいお土産がついてくることも。

 

画廊の中には、何千万級の値段がついた作品がずらりと並ぶ。そんな作品たちを、これでもかと近い距離で鑑賞することができるのもこの画廊の面白い点だ。ギャラリーオーナーの向田氏も、来場者でにぎわう画廊の中で、生き生きと作品について語ってみせる。

向田氏

 

雑居ビルの中でしっとりとオープンしている「Galleria Col」、日本の近現代アートを見続けてきた「東京画廊」など、アートツアーはまだまだ沢山の画廊を巡ってゆく。詳しくは後編にて。

後編へ続く

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