藤原竜也×山本裕典の写真満載でお届け!『鱈々』ヴィジュアル撮影レポート

2016.6.17
レポート
舞台

『鱈々』に出演する藤原竜也(右)と山本裕典(左)

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栗山民也演出、藤原竜也×山本裕典の初共演で話題を呼んでいる『鱈々(だらだら)』。そのヴィジュアル撮影がこのほど行われた。今回はその模様を写真とともにご紹介。藤原、山本のソロインタビューと併せて、これから少しずつヴェールを脱ぐ『鱈々』の片鱗を感じ取ってほしい。

運ばれてきた荷物を、ただ決められた通りに並べるだけという単調な日々を過ごす倉庫番のジャーン(藤原)とキーム(山本)。しかし、彼らの代わり映えのしない毎日は、ミス・ダーリン(中村ゆり)の登場により、次第に狂いはじめていく――

そんな独特の世界観を再現するべく、撮影場所に選ばれたのは“倉庫”をイメージしたスタジオ。コンクリートの剥がれ落ちた壁の前で、藤原と山本が物語のキーとなる鍋をつつき合っている。注目はそのつなぎ姿。何気ない着こなしにも役の特徴がよく表れている。

几帳面なジャーンは、上着までしっかり着用。与えられた仕事をきちんとこなすジャーンの勤勉さが見て取れる。

一方、女好きのキームは大胆に着崩す。タンクトップから伸びる腕に野性的な色気が漂う。

ディレクターの指示に耳を傾ける藤原の眼差しは真剣そのもの。「一流のプロフェッショナルが揃っているので、僕はみなさんにお任せするだけです」と、スタッフに全幅の信頼を寄せていた。

実は山本にとって、藤原は憧れの人。藤原の代表作『ムサシ』も「09年の初演時から見てました」と熱く打ち明ける。それだけに最初は緊張の面持ちだったが、撮影の合間に藤原から話しかけられるうちに、自然とリラックスした笑顔が。

順調にツーショット撮影を終えると、今度は告知用の動画撮影に。藤原が質問に答えようとしたところ、すぐそばの川に船が通りかかり、その音が鳴りやむのを待つために撮影は一時ストップに。「せっかく用意してた台詞が…」と大げさに残念がる藤原に、スタッフが「絶対用意してないだろ」とすかさずツッコミ。コミカルな藤原の素顔に、山本も思わず吹き出していた。そんな藤原の印象を尋ねられた山本は「気さくに話しかけてくれるし、緊張もほぐしていただいたんで、役同様、兄貴的存在だなって」と尊敬の眼差しを向けた。

初共演ながら抜群の呼吸で、撮影は快調に終了。ふたりがジャーンとキームという対照的なキャラクターをどう演じるのか。期待の高まるヴィジュアル撮影となった。

ジャーン役・藤原竜也 ソロインタビュー

ジャーン役の藤原竜也

――まずは出演が決まったお気持ちからお願いします。

久々に栗山さんとお仕事できるということが大きいですね。栗山さんと初めてご一緒させていただいたのは08年の『かもめ』。その後も何度か一緒にやらせていただく機会があって、そろそろまた何かできればいいなと思っていた時期だったので、すごく嬉しいです。今回は、韓国人劇作家の李康日さんの戯曲。個人的に韓国映画が好きで、よく見ているんですよ。韓国映画は、人間の描き方や画が魅力的。このホン(脚本)にも、日本人である僕たちにはない、グツグツと煮え立った血のようなものが流れている。それを今、栗山さんとやらせていただけるのは、僕にとって非常にいいタイミングなんじゃないかなと思います。

――栗山さんの演出の面白さとは。

僕がご一緒していた頃は、非常に細かいタイプの演出家さんで、内面をえぐるような鋭い言葉をよく投げかけていただきましたね。あとは、稽古の後に、テーブルを囲んでテーブル稽古というのが始まるんです。それが印象的で、よく覚えています。ただ、聞くところによると最近はそうでもないそうなんですよね。だから、今回、自分にどんなことが求められるんだろうということは楽しみにしています。

――初共演の山本さんは、藤原さんのことが憧れだそうですが。

ありがたいですね。初共演というのは、僕も緊張します。今回は役者が4人しかいないわけですし、早めに余計な殻を破ってしまって、しっかり芝居を成立させるための準備をしていけたらいいな、と。

――ジャーンは、山本さん演じるキームに特別な感情を寄せているという役どころです。

今まで僕自身もやったことのないようなキャラクターですからね。難しい役だし、難しいホンだと思います。ただ、やっぱりお芝居は稽古をしてみないとわからないことが多い。答えはホンの中にしかないと思うので、今はとにかく繊細に役と向き合って成立させていけたらという想いだけです。

――4人芝居ならではの醍醐味はありますか。

あまり大勢の芝居とそう変わらないかなとは思っています。作家の書いている言葉を大事に、栗山さんに引っぱってもらいながら上手くやりとりしていけたら面白くなるんじゃないかなって。ただ、4人だけだと、お互いの芝居の腑に落ちない部分は語りやすくなるかな。少人数だからこそ、がっつり稽古をしながら、みんなでいろんな話をしていけたら。

――ちなみに、ジャーンとキーム、藤原さんはどちらの方がより自分に似ていると感じますか。

そこは両方ですね。後先考えずに突進していくキームのような部分もあれば、知らない外の世界に出ることを嫌がり、何事も綿密に計算を立ててしっかりやろうというジャーンの部分もある。両方の役にそれぞれ自分に近いものを感じます。

――では、読者のみなさんへメッセージをお願いします。

栗山さんのもとで、この個性的な4人の役者さんとやらせていただくことが、僕自身、とても楽しみです。みなさんに恥ずかしくないようなお芝居をしっかりとつくっていきたいと思いますので、ぜひ劇場へお越しください。

キーム役・山本裕典 ソロインタビュー

キーム役の山本裕典

――出演が決まったときは、どんなお気持ちでしたか。

普通に嬉しかったですね。蜷川(幸雄)さんの『じゃじゃ馬馴らし』で初めてシェイクスピア作品をやらせてもらって。竜也くんも蜷川さんのもとでシェイクスピアをやってたから、勝手に親近感を抱いていたんです。蜷川さんの作品に出ている竜也くんを見ながら、いつか共演したいとずっと願っていました。だから、こうして夢が叶えられて良かったです。それも今回は4人芝居。ものすごく密にお芝居できるのと思うので、それも僕にとってはラッキーだなと思います。

――栗山作品に対する印象はどうですか。

ちょうど昨日、栗山さんが演出をされている『あわれ彼女は娼婦』を見たところで。他にもいくつか見させていただいているんですけど、見ている方は楽しめるけど、やっている方は大変そうだな…(笑)っていうのが栗山さんの作品の印象です。あまりにすごすぎて、自分には無理だなって。自分がそっち(舞台)側に立っているのが想像できませんでした。今回も台本は決して分厚いものではないけれど、ここから栗山さんによっていろんなものがつめこまれてくるのかと思うと、自分に務まるのか不安でしかない(笑)。一筋縄ではいかないと思うので、今から自分なりに作品と向き合っていかないといけないなって気を引き締めています。

――キームという役柄について何か共通点などありますか。

台本を読む前から周りのみなさんに「お前のまんまじゃん」って言われてたんですけど、実際に読んだら本当に僕のまんまでした(笑)。僕も先のこととか、あまり考えない。もうすぐ30歳になるんですけど、いつまで経っても大人になりきれないというか、周りの大人によく怒られています(笑)。それだけにキームがくだした最後の選択は心が痛かったですね。「お前、バカか!」と思いながら読んでました。でも共感できることもあって。目先の幸せにとらわれて、本当の幸せが見えないというか、つい甘い蜜に吸い寄せられちゃうところは僕にもある気がします。

――今回は4人だけの芝居です。

4人しかいないから、もう台詞が膨大なんです。中村(ゆり)さんはドラマで共演したことがあるんですけど、こうやって生のお芝居でしっかり絡むのは今回が初めて。木場(勝己)さんは本当に素敵な役者さん。木場さんの役づくりを間近で見られるのも楽しみです。きっと感化されるところがいっぱいあると思うし、次に違う現場に行ったときに活かされるものがたくさんあるんじゃないかなという気がしています。

――ぜひ今の意気込みをお聞かせください。

たぶん今までで一番しごかれるだろうなあって覚悟しています(笑)。初めて蜷川さんとやった時以来になるんじゃないかな。僕自身は褒めて伸びるタイプ。最初に蜷川さんとやったときもメンタル崩壊しました(笑)。僕にとっては2016年を締めくくる舞台になると思うので、自分なりに喝を入れて臨みたいですね。観に来てくださった方に、「こいつ、成長したな」と思っていただけるようなものをお見せできれば。

プロフィール
藤原 竜也(ふじわら・たつや)

1982年生まれ。埼玉県出身。97年、蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』主役オーディションでグランプリを獲得しデビュー。主な出演舞台に『身毒丸』『ハムレット』『ロミオ&ジュリエット』『大正四谷怪談』『ジュリアスシーザー』『ムサシ』(蜷川幸雄演出)、『ろくでなし啄木』(三谷幸喜 作・演出)、『オイル』『ロープ』(野田秀樹 作・演出)、『かもめ』『黙阿弥オペラ』『木の上の軍隊』(栗山民也演出)などがある。

山本 裕典(やまもと・ゆうすけ)


1988年生まれ。愛知県出身。05年、第18回ジュノン・スーパーボーイコンテストで準グランプリ&フォトジェニック賞を受賞しデビュー。主な出演舞台に『じゃじゃ馬馴らし』『トロイラスとクレシダ』(蜷川幸雄演出)、『パレード』(行定勲演出)、『クザリアーナの翼』(岸谷五朗演出)などがある。
 
 
公演情報
舞台『鱈々(だらだら)』

◆作:李康白(イ・ガンペク)
◆演出:栗山民也
◆出演:藤原竜也、山本裕典、中村ゆり、木場勝己
◆公式サイト:http://hpot.jp/stage/dara

<東京公演>
◆日程:2016年10月7日(金)~10月30日(日)
◆会場:天王洲 銀河劇場 
料金:全席指定9,800円/U-255,500円
一般発売:7月16日(土)~
11月にツアーあり(長野、静岡、大阪、福岡、鹿児島)

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