青海亮太プロデューサー&庄知彦ディレクターに聞く! ゲーム『ドラゴンクエストヒーローズⅡ』発売1ヶ月後の今とこれから
(左から)青海プロデューサー、庄ディレクター
発売から約1ヶ月。『ドラゴンクエスト 』初の本格的アクションRPGシリーズ第2弾、『ドラゴンクエストヒーローズⅡ 双子の王と予言の終わり』は、無料追加コンテンツ配信など、まだまだ話題が尽きない。スクウェア・エニックス・青海亮太プロデューサー&コーエーテクモゲームス・庄知彦ディレクターに、今、感じる思いを直撃! ふたりの心には、すでに『Ⅲ』への意欲があるようで……!?
——2作目となった『ドラゴンクエストヒーローズ』ですが、『ドラゴンクエスト』をアクションRPGで制作する事の面白さ、難しさを、改めてどんな風に感じましたか?
青海:やっぱりコマンドですね。「たたかう」「じゅもん」「にげる」といった『ドラゴンクエスト』でおなじみのコマンドを、アクションとしてどんな見た目に変換させるか、前作から挑戦してきました。今回、PS4というハードによって、これまでにないリアルな表現ができるようになり、作り手としても楽しかったですね。
庄:RPGの『ドラゴンクエスト』の世界観をいかに自然に、違和感なく作るかがポイントでした。
青海:本格的なアクションゲームとしての『ドラゴンクエスト』は、本シリーズが初めて。『ドラゴンクエスト』ユーザーは、アクションが得意でない、苦手だという方も多くいます。そういう方でも遊びやすくする、手ざわりをよくする。その点で、コーエーテクモさんは相当悩んだと思います。
庄:そうですね……がんばりました(笑)。前作からの課題もフィードバックしましたし、まだ難しいというお声があるところはアップデートで対応していく予定です。
青海:もともと裏テーマとして、アクションが苦手な『ドラゴンクエスト』ユーザーに、本作をトリガーにして、アクションの面白さを知ってもらう、ということがありました。「こういう『ドラゴンクエスト』の料理の仕方もある」ということを示したかったんです。
庄:これをきっかけに、「アクションって楽しい」「他のアクションゲームもやってみよう」と思ってくれたらうれしいですね。
青海:実際、今、「アクションは苦手だと思っていたけど、『ドラゴンクエストヒーローズ』は楽しく遊べた」という声もあって、光栄です。
インタビュー中の様子
——『Ⅱ』での新要素であるマルチプレイですが、発売から約1ヶ月たち、マルチプレイについてはどんな声があがっていますか?
庄:私たちも1ユーザーとして、お客さんと一緒に遊んでいるので、プレイしながら生の声が聞けるんです。バランスを見ながら、より遊びやすいよう随時改善しているところです。
青海:みなさんのお声をふまえて、アップデート配信で、使い勝手の部分や弓の能力も調整したりしています。
庄:いろいろなキャラクターが使われているのを見るのは、うれしいですね。ほかには、簡易チャットで『ドラゴンクエスト』ならではのネタがセリフにされていたり。「こう遊んでるんだ!」という気づきが多いんです。
青海:マルチプレイに関しては、手探りの部分もあり、発売後の追加コンテンツで積極的にユーザーの声を取り入れています。コーエーテクモさんにも引き続き頑張っていただいています。
庄:はい(笑)。開発段階とは違い、何十万人がプレイすると、想定していなかった発見がありますから。あがった声には速やかに対応するようにしています。
——今後のアップデートも注目ですね。
庄:今は、カメラ設定を変えるアップデートをしたいと思っています(※6月16日に実装済)。もっと視点を離したいとか、もっと近寄りたいとか、ユーザーさん一人ひとりプレイスタイルが違うのでそれに合わせたいなと。プレイアビリティの向上も、アップデートのうちです。
青海:手ざわりの面のアップデートは重要ですからね。
庄:カメラ以外にも、細かなアップデートを加えています。ユーザーさんによっては気づかないようなものもあるかもしれないですが、よりよくなることは積極的に取り入れていきたいですからね。
青海亮太プロデューサー
——そもそも、なぜマルチプレイを導入したのでしょうか?
青海:実は前作の時点で構想はあって、企画書にもすでに書いてあったんです。
庄:前作を発表した当初から、「マルチプレイはないんですか?」という声もいただきましたし。でも、前作はアクションRPGとしてのドラゴンクエストをしっかりと作り上げることが何よりも大切だと思っていましたので、まずは一人用に専念しようと、方針を切り替えました。そのときから、「次回はやりたいですね」と話してはいたんです。
青海:前作で根本のアクションがしっかりでき、ユーザーも『ドラゴンクエスト』のアクションに慣れてくれたと思うので、「いよいよやれますね」と。このタイミングだからこそ、実現できたマルチプレイなんです。
——他に、前作から大きく変わった点は?
青海:前作がステージクリア型だったのに対し、フィールドを導入しました。「フィールドを探検する」という『ドラゴンクエスト』の世界を、今作で表現できたなと思います。
庄:より『ドラゴンクエスト』らしいゲームになったと思います。作り手の我々も、『ドラゴンクエスト』を作っているんだという感覚をより強く味わえました。
庄知彦ディレクター
——今の満足度としては、100点中何点ですか?
庄:難しいですね……。今回はやりきった感があるので、作り終わったときの気持ちとしては満点です。
青海:そうですね、発売時点の気持ちは満点です。
庄:ただ、発売されて1ヶ月遊んでいるうちに、「あれもやりたい」「これも……」「もっとこうしたかった」といろいろ欲が出てきています。
青海:次にやりたいことが、どんどんわいてくるんです。だからこの質問については、インタビュー時期によって回答が変わってしまうんです。
庄:発売直後は、確かに満点でしたが……。
青海:むしろ100点以上だと感じていましたが、今は95点くらいでしょうか。
庄:もっともっと伸ばしていける余地が見えてきましたからね。
——ちなみに、「次やりたいこと」とは……? 『Ⅲ』の構想ともつながってきそうですが。
庄:それは、企業ヒミツです!(笑)
青海:『Ⅲ』が実現できるかどうかは、『Ⅱ』をプレイしていただいたみなさんからの、続編の要望が強いかどうかにかかっています。どうぞ、よろしくお願いします!