綾野剛、ニューヨークでの主演映画『日本で一番悪い奴ら』反響に喜び「笑いながら楽しんで観ていただいたことに、とても感銘をうけています」
ライジング・スター賞を受賞した綾野剛
6月28日(現地時間)、ニューヨーク・リンカーンセンターで行われた第20回ニューヨーク・アジア映画祭の“ライジング・スター賞”授賞式に、映画『日本で一番悪い奴ら』主演の綾野剛と白石和彌監督が出席した。
『日本で一番悪い奴ら』は、覚せい剤取締法違反などの容疑で2002年に逮捕された北海道警察の元警部・稲葉圭昭氏の著書『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』の映画化した作品。「日本警察史上の最大の不祥事」と呼ばれる"稲葉事件"をモチーフに描いた問題作だ。悪事に手を染めた北海道警察の警察官・諸星要一の26年間の半生を、主演の綾野が狂気を持って演じている。
第20回ニューヨーク・アジア映画祭に出席した綾野剛(左)と白石和彌監督(右)
『日本で一番悪い奴ら』は、第15回ニューヨーク・アジア映画祭のオープニング作品として上映された。主演の綾野は“これからの世界的な活躍を期待する俳優”に贈られるライジング・スター賞を受賞し、授賞式に出席。会場は上映を待ち望む幅広い世代の男女で満席となっていた。映画祭ディレクターであるサミュエル・ジャミエール氏が綾野、白石を呼び込むと2人が登壇。今回がニューヨーク初上陸となる綾野が「会場の皆様、本日はご来場頂きありがとうございます。ニューヨーク、最高です!」と英語で挨拶すると、観客からは歓声と祝福の拍手が鳴り響いた。綾野は受賞に際して、「非常に光栄な賞を頂き、大変嬉しく思っております。私個人が、この賞を受賞したとは考えておりません。この『日本で一番悪い奴ら』という作品が評価され、私が代表として、今日この賞を頂いたのだと思っております。この作品に、白石監督に、そして本日この場にお越しくださった会場の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました」と感謝を述べている。同作は6月22日に、オープニング作品として上映されていた。観客と一緒に映画を見ていた白石監督は「ビッグスター!」と綾野を紹介。「映画の中でたくさん悪いことをしていますが、そのおかげでこの作品とライジング・スター賞を授賞した綾野剛がこの場います」とコメントし会場を沸かせた。
授賞式に続いては、会場で公式上映が行なわれた。「日本警察史上最大の不祥事」と呼ばれる事件を題材にした本作だが、エンタメ性の高さや現実離れしたキャラクター展開のためか、上映中は絶えず笑いが起こっていた。また、本編後半で悪に染まる諸星と同調するように観客は物語に引き込まれていた。上映が終了すると場内からは拍手が。客席で観客とともに鑑賞していた綾野と白石監督が紹介されると、さらに割れんばかりの拍手と賛辞が2人へ向けられた。ティーチインに登場した綾野は「笑いながら楽しんで観ていただいたことに、とても感銘をうけています。ある出来事をきっかけに、物語は重厚感を増していきますが、会場のリアクションもそれに応じて呼吸しているようで、そこは日本の劇場と似ていると感じました」とコメント。白石監督は「聞くところによると、ニューヨークでも警察の不祥事などがあるようですし、ギャングもいる。そのような環境で、どう観てもらえるのか不安だったが、楽しんでもらえて安心しました」とニューヨークの観客の反応に安堵の表情を浮かべていた。
また、ニューヨークの土地柄、数々のギャング映画を手がけるマーティン・スコセッシ監督に関する話題も。白石監督は「『グッドフェローズ』『カジノ』などギャングの一代記モノは好きですし、そういった作品へのリスペクトは頭の中にありました」と語っている。最後に綾野が「大変栄誉ある賞をいただきまして、感謝しかありません。今回、ニューヨークにきて、たくさんのパワーをいただきました。エンターテイメントのありとあらゆる可能性に満ちあふれていて、この地で体感したことを自らの糧にして、今後の作品にも活かしていきたいと考えています」と締めると、会場からステージの二人へ盛大な拍手が贈られた。
映画『日本で一番悪い奴ら』は、全国劇場にて公開中。
映画『日本で一番悪い奴ら』
(C)2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会
出演:
綾野剛 ・ YOUNG DAIS 植野行雄(デニス) ピエール瀧 ・ 中村獅童
脚本:池上純哉
音楽:安川午朗
原作:稲葉圭昭「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」(講談社文庫)
(C)2016「日本で一番悪い奴ら」製作委員会