Xmas Eileen主催『暁ロックフェス2016』 Dragon Ash、AA=、ヒステリックパニックらが繰り広げた5時間の熱演
『暁ロックフェス2016』 撮影=深野輝美
暁ロックフェス2016
2016.6.25(SAT)TSUTAYA O-EAST
謎めいた覆面ミクスチャーロックバンド、Xmas Eileen主催イベント『暁ロックフェス2016』が6月25日(土)に渋谷のTSUTAYA O-EASTで開催された。場所を大阪から東京に移して2回目となる本イベントのはソールドアウト。場内には開演前からハンパない熱気が渦巻いていた。
『暁ロックフェス2016』Dragon Ash 撮影=深野輝美
トップバッターを飾ったのはXmas Eileenが結成前から親交があるDragon Ashだ。メンバーがステージに現れ、HIROKI(G)はXmas Eileenと同じ白い仮面をつけて登場し、大歓声。攻めの熱いステージにのっけからハンドクラップ、クラウドサーフで盛り上がるオーディエンス。「For divers area」では灼熱のブラジリアンビートに早くも開放感マックスとなった。その光景にKjから笑顔がこぼれ、「Still Goin’ On」ではヒップホップグループ・YALLA FAMILYの3MCがフィーチャリングアーティストとして登場。MCではKjがXmas Eileenについてジョークを混じえながら触れる。
『暁ロックフェス2016』Dragon Ash 撮影=深野輝美
「全然、俺みたいに才能あるわけじゃないし、顔もブサイクだから隠してるんだけど、何年か前に“オマエ、いつか待ってろよ。いつか客演や前座とかじゃなくてマジで同じステージに対バンで立ってやるから”って言われて、ホントに叶えちゃって」
『暁ロックフェス2016』Dragon Ash 撮影=深野輝美
拍手と歓声の中、スーパーベーシスト、KenKenのスラップソロがフィーチャーされた「The Live」に突入し、「百合の咲く場所」ではKjがアグレッシブにステージを動き、ダイブしながら手を伸ばすみんなにグータッチ。再びXmas Eileenの快挙に賞賛の言葉を述べ、「俺はライブやっている時、みんなの前に立っている時だけは威風堂々、カッケー勝者でいたい」とラストナンバー「Fantasista」を投下した。ピリッとした緊張感が途切れることのない研ぎ澄まされた演奏、Kjの男気と繊細さを兼ね備えたボーカル、佇まいはまさに、ライブ1本、1本が勝負であることを物語っていた。
『暁ロックフェス2016』AA= 撮影=深野輝美
転換時にはDJタイムで楽しませてくれる本イベント。続いて登場したのは、2015年にKjとコラボした楽曲も話題となったAA=である。SEはエフェクトアレンジされたベートーベンの第九で、オープニングは上田剛士のシンセとDJのみで鳴らされた未発表曲。
「暁! 楽しんでますか?」と煽って上田がベースに持ち替え、メンバーが揃うと、攻撃的な爆音が叩きつけられ、「INEQUALITY」で場内の熱を上げていく。白川とのツインボーカル、凶暴でありながら、インダストリアルでどこまでもクールな音の洪水が脳内をひたすら刺激していく。疾走感と破壊力のカタマリのような「GREED...」では場内の興奮も最高潮に――。
『暁ロックフェス2016』AA= 撮影=深野輝美
「俺たちの名前はAA=。全ての動物は平等だぜ」と「ALL ANIMAL ARE EQUAL」を披露。未来を作っていくのは神様でも富を独占している1%の人たちでもなく、俺たちみんなだとメッセージし、「→MIRAI→(ポストミライ)」ではポジティブなエナジーを解き放ち、大歓声。ラストナンバー「WORKING CLASS」ではモッシュの嵐となり、ラウドシーンにはかりしれない影響を与えた上田のアティテュードを刻んだステージで圧倒した。
『暁ロックフェス2016』ヒステリックパニック 撮影=深野輝美
勢いのあるステージでフロアを盛り上げたのは“ラウドシーンの異端”、“ラウドシーンの風雲児”などと形容されている名古屋発のヒステリックパニックだ。ビジュアルからして分類不可能な感があるが、オープニング「憂&愛」からしてヘビーかつポップな予測できない展開。とも(Vo)のデスボイスとTack朗(G&Vo)の女子のようなハイトーンボーカル、$EIGO(G&Cho)のクリーンボイスが絡みあい、演奏もテクニカル。どこを見たらいいのか心がザワつくエンターテインメントで騒がしいステージを展開し、7月20日にリリースする2ndアルバム『ノイジー・マイノリティ』から新曲「しぐなる」を披露した。
『暁ロックフェス2016』ヒステリックパニック 撮影=深野輝美
「ちょっぴりお茶目でキュートな5人組、ヒステリックパニック。よろしくお願いします! 今日は先輩たちの胸を借りるつもりで負けないようにロックして帰ろうと思います」と“盟友DJダイノジの大地洋輔”がダンサーに飛び入り参加した、ヒステリックパニック流パーティチューン「シンデレラ・シンドローム」、猫の手の振りつけが楽しい「ねこ地獄」で初心者も巻き込む自由奔放なステージでみんなを笑顔にさせた。コール&レスポンスとサークルモッシュでハイにさせ、ともが「もっともっとエクストリームでもっともっとポップな音楽を作っていきたいと思います」と宣言。ラストをメジャーデビューシングル「うそつき。」で締めくくった。
『暁ロックフェス2016』ヒステリックパニック 撮影=深野輝美
そしていよいよ本イベントの主催者であるXmas Eileenが「ジングルベル」のSEの中、登場すると大歓声。Gtが出演バンドの名前とともに感謝の言葉を述べ、Xmas Eileenのミクスチャー感がポップに昇華された「Keep on A・B・C・ing」が始まると、早くもクラウドサーフ続出。顔はもちろん名前も謎に包まれている6人組が鳴らす音にはメタル、EDM、レゲエ、パンクなど様々なエッセンスが盛り込まれ、親しみやすいツインボーカルの声質やパフォーマーの在り方も含めて、初めて聴いてもその音楽にダイブできるキャッチーさがある。
『暁ロックフェス2016』Xmas Eileen 撮影=深野輝美
MCではVo.右が「2年前はお客さんがたった5人だった」と思い出を振り返るとPerf/Cho.が「メンバーより少なかったからね」と笑わせ、「歯をくいしばってここまで来て、これだけの人に見てもらえて嬉しいですね」とKjのMCを受けてコメント。さらに8月31日にフルアルバム『ONLY THE BEGINNIG』でメジャーデビューを果たすことを発表し、フロアーを沸かせた。
『暁ロックフェス2016』Xmas Eileen 撮影=深野輝美
モチベーションが上がらずにはいられないナンバーを次々に披露し、「同じアホなら踊り狂おう!」とハイブリッドなダンスチューン「No justice in this world」を投下。「こんな格好してますけど、かよわい男のコたちなので、これからもお手やわらかにね」と「March」ではみんなタオルを振ってシンガロング。ビジュアルに怖いイメージを持っている人もいるかもしれないが、そんな先入観を塗り替えてしまう風通しのいい音楽で楽しませてくれるのが彼らの魅力だ。「あと1曲、俺たちとバカみたいに遊んでくれますか?」とVo.左が煽り、ラストナンバーはDJがフロアーにダイブした「Kiss me Kill me tonight」。
約5時間にわたって繰り広げられた『暁ロックフェス2016』。汗まみれの参戦者がすがすがしい顔をしていたのは言うまでもない。
撮影=深野輝美 レポート・文=山本弘子
『暁ロックフェス2016』Xmas Eileen 撮影=深野輝美
2016.6.25(SAT)TSUTAYA O-EAST
◆Dragon Ash
Art of Delta
01. House Of Velocity
02. Run to the Sun
03. For divers area
04. 繋がりSUNSET
05. Still Goin' On
06. Head bang
07. The Live
08. 百合の咲く場所で
09. Fantasista
◆AA=
01. タイトル無し 1
02. タイトル無し 2
03. INEQUALITY
04. WARWARWAR
05. 増悪は加速して人類は消滅す~Hatred too go fast, Vanishing all human~
06. posi-JUMPER
07. Such a beautiful plastic world!!!
08. GREED...
09. The Klock
10. ALL ANIMALS ARE EQUAL
11. →MIRAI→ (ポストミライ)
12. WORKING CLASS
◆ヒステリックパニック
01. 憂&哀
02. MISSION 5
03. しぐなる
04. ねこ地獄
05. シンデレラ・シンドローム
06. TeaR
07. puple haze
08. ライジングさん
09. うそつき。
◆Xmas Eileen
01. Keep on A・B・C・ing
02. Liar
03. Love the life, you live
04. Calling Rainy Days
05. FATE
06. And be My Friend
07. Escape to Paradise
08. No justice in this world
09. March
10. Walk the Talk
11. Kiss me Kill me tonight