柏木由紀、AKB48卒業前に「教えられることは教えたい」

2016.7.10
インタビュー
イベント/レジャー


メンバーとしてグループを支えるか、卒業して個人の活動をするか。グループ結成10周年のAKB48と、最も後発のグループNGT48を兼任し、いまやベテランメンバーとなった柏木由紀は、自身の卒業をどう考えているのか。『存在する理由 DOCUMENTARY of AKB48』が公開中の柏木が現在の心境を語る。

以前の取材で「ドキュメンタリーであっても素の部分はあまり見せないようにしている」と語っていた柏木だが、今回の映画のインタビュー映像では「普段あまり話さないようなことを話した」という。

柏木が赤裸々に語ったのは、先日行われた総選挙の話や、初のソロ全国ツアー、次世代メンバーやAKB48グループの今後のこと。「私はあまり本音を語りたくないタイプなんですが、監督の石原(真)さんはAKB48について、細かい部分も知っているので、思わず本音が出ちゃいました」。

しかし、柏木は「インタビュー映像より舞台裏の映像の方が不安です…(笑)」と笑う。「前作に、(大島)優子ちゃんの卒業コンサートが雨天中止になりますという発表のシーンがあったんですけど、みんなボサボサの髪で、すっぴんで、ヒドい顔をしてて(笑)。だから今回もドキドキです」。

AKB48の節目を描いてきたこのドキュメンタリーシリーズ。今作では初期メンバーであり、初代総監督として指揮を執った高橋みなみの卒業も描かれている。先日卒業を発表した小嶋陽菜を除けば、柏木の先輩は峯岸みなみだけ。改めて、柏木も「そろそろ私の番かな?」と感じているという。

「卒業したメンバーが女優や歌手として活動しているのを見て、正直羨ましく見ていた部分もあります。でも、『なぜ卒業したいのか?』と聞かれても答えが見つからなかった。だから私は、その答えが見つかった時に卒業しようと思っています」。

柏木は今年その“答え”の一端を見つけたという。「ソロの全国ツアーをやらせていただいたんですが、AKB48のスケジュールとかぶってリハーサルができなくなることもあったんです。もちろんAKB48も大好きだけど、1人で公演をすることも楽しいなって感じたので、これまでの中では、一番、卒業を感じた瞬間でした」。

とはいえ、いますぐにでも…ということでもなさそうだ。柏木は「私が卒業した後のグループのことも真剣に考えているんです。NGT48がもうちょっと軌道に乗るまでというか、まだ私がAKB48グループ全体に貢献できることがあると思うので…」と、揺れる思いを口にする。

「NGT48を兼任するようになって、必然的に後輩と接する機会が多くなりました。もともとAKB48はメンバー同士は仲間だけど、でもライバルなわけだから、自分の必殺技は隠しておきたいという気持ちがあったんです(笑)。最近やっと、後輩たちに『私が教えられることは教えたい』って思うようになりました」。

先日の総選挙で9万2110票を獲得した柏木は第5位。その場で「まだまだ先陣を切ってAKB48グループを支えていきたい」とスピーチした。卒業発表はそう遠くない将来かもしれないが、その時は、彼女の中で先輩としての役目を終えたと感じた瞬間かもしれない。【取材・文/トライワークス】