第3回 めぐろバレエ祭り

2015.8.9
ニュース
クラシック
舞台

東京バレエ団がおくる豪華な夏休みイベント

 2013年からめぐろパーシモンホールで開催されている「めぐろバレエ祭り」は、東京・目黒区を拠点とする東京バレエ団が中心となって行われ、夏の風物詩として定着してきた。3回目となる今回は一層パワーアップし、大人から子供までがバレエの幅広い魅力を味わえる。

 メインは東京バレエ団の公演。12年に初演された子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』は、クラシック・バレエの最高峰の華やかな大作を2幕に仕立て1時間40分(休憩含む)にまとめている。式典長カタラビュットを語り手に、絵本の世界の中へと誘われるようなファンタスティックな味わいが魅力的だ。踊りの見せ場もバッチリおさえられており、ぐいぐいと引きこまれる。全国各地で上演を重ね、家族連れを中心に絶大な人気を集めているのは当然といえるだろう。オーロラ姫/デジレ王子を、三雲友里加&岸本秀雄、河谷まりあ&原田祥博という、活きのいい売り出し中の気鋭たちが競演する。

 今年は待望の新作がお目見え。子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』は、看板レパートリーであるウラジーミル・ワシーリエフ版『ドン・キホーテ』のエッセンスを生かして1時間半(休憩含む)に改訂する。キトリとバジルの恋物語を、老騎士ドン・キホーテのお供をするサンチョ・パンサが語り部となって進める趣向だという。痛快無比、とびきりに明るくて盛り上がること請け合いである。キトリ/バジルを上野水香&柄本弾、沖香菜子&梅澤紘貴という人気のペアが踊るのも楽しみだ。

 イベントも盛りだくさん。「東京バレエ団公開レッスン」をはじめ、東京バレエ団公演来場者が対象の「バレエダンサーと写ろう!」、お子様とお父様のためのレッスン「お父さんといっしょ」、人気の「大人のための、はじめてのバレエ」、ピアノ付レッスンが体験できる「一緒に踊ってみよう!」など、バレエを身近に感じられる機会が惜しみなく提供される。そして、注目の新企画が「スーパーバレエMIX BON踊り」。元モーリス・ベジャール・バレエ団の小林十市が振付・指導するユニークな盆踊りに参加して暑気払いといきたい。また小林直々にバレエ・レッスンを受けられる公開レッスンも貴重な機会だ。

 海外公演も多く世界水準の活躍を続ける東京バレエ団が、地元・目黒で展開するバレエによる夏祭り。“グローカル”(グローバル+ローカル)を地で行く文化イベントとして大いに注目される。

文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)

第3回 めぐろバレエ祭り 8/20(木)〜8/23(日) めぐろパーシモンホール
※詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:日本舞台芸術振興会03-3791-7000 
http://meguro-balletfes.com

東京バレエ団 子どものためのバレエ 
『ドン・キホーテの夢』(新制作) 8/22(土)11:30 15:00
『ねむれる森の美女』8/23(日)13:00 16:00 
めぐろパーシモンホール
問:NBSセンター03-3791-8888