劇団壱劇屋の名作再演シリーズ、ついに最終章へ。

ウォーリー木下の生んだ「100人の群像劇」をマッシュアップ！

パントマイムを駆使したアート系作品から破天荒なエンターテインメントまで、様々なスタイルの芝居で関西をにぎわせている気鋭の劇団「劇団壱劇屋」。彼らが今年から始めた新企画が「MASHUP PROJECT」だ。2つの曲のヴォーカル部分と伴奏部分をミックスして新しい楽曲にする「マッシュアップ」の手法よろしく、関西小劇場の先輩劇団の名作芝居を、自分たちの個性を活かして再演する。第一弾『GOLD BANG BANG!!』（ピースピット）、第二弾『Windows5000』（ヨーロッパ企画）を経て、今年度の最終章となるのが『サンプリングデイ』だ。

本作は、東京ワンピースタワー内のアトラクションや「東京パフォーマンスドール」のライブなど、多方面で才能を発揮しているウォーリー木下が率いる「sunday」で上演されたもの。100人近い人々が1日のうちに繰り広げる人間模様を、たった5人の役者だけで演じきってみせた快作だ。壱劇屋版は役者が7名に増えたとはいえ、それでも一人が演じなければいけない役柄は、単純計算しても約14名！ とはいえ、役者一人ひとりの身体性の高さと芸達者度は若手随一で、過去2作でもそれを生かして見事にマッシュアップさせてきた壱劇屋。今回もまた、一風変わったハーモニーを響かせてくれるはずだ。