楠本桃子のゲームコラムvol.8 サイコスリラーな動物ハンティング『リンダキューブアゲイン』

コラム
アニメ/ゲーム
2016.8.8
 ※画像は製品紹介サイトより引用

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【"王道"RPGへのアンチテーゼ『リンダキューブアゲイン』】

※画像は公式サイトより引用

※画像は公式サイトより引用



今回紹介するゲームは『リンダキューブアゲイン』!
1997年9月25日にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたPSソフトです。
 

時代は、AMD1991年夏。 
惑星ネオ・ケニアに、 通称「死神」と言う直径200㎞の惑星サイズの隕石が迫っていた。衝突時期は、1999年夏。残された日数は、わずか8年。
連邦政府による必死の移住計画が進む中、 突如、未知の生命体「アナビス」からメッセージが届く。「この星の動物をひとつがいずつ集め、他の星へ逃がして欲しい」と。 そして、脱出用宇宙船「箱船」が人類に贈られた。
この突拍子も無く確実性も安全性も無い「箱船計画」に こともあろうに連邦政府はGOサインを出す。やがて、箱船の乗務員として、人類という種の雌雄として、 若き男女各1名が選出された。

 そして今、この困難な使命に挑むふたりの冒険が始まる…
(公式サイトより引用)

といったストーリーからもわかる様に、本作は魔王を倒すでもなく、世界を救うでもなく、決まってしまった惑星滅亡にただただ備える、といったゲームです。8年の歳月が過ぎてしまえば否が応でも隕石の衝突は起こります。その前にたくさんの動物を集め、その遺伝子を守るべく他の星へ送る、ということかが目的となります。

本作の前身である『リンダキューブ』が発売された当時は、斬新なシステムと従来のRPGと異なったエログロ感溢れるストーリーが話題となりました。(※本コラムで紹介している『リンダキューブアゲイン』は、『リンダキューブ』に追加要素や調整などを加えた移植ソフト)

シナリオはABCDの4種類に分かれていて、それぞれ個性的すぎるシナリオを楽しむことかできます。ショッキングなグラフィックやシーンも多いのですが、むしろそれが段々とクセになってくるはず。奇妙な生物達が闊歩する世界の中で、ヒロインであるリンダの可愛さと明るさには、何度も救われました……!

本作を紹介される際によく用いられる言葉は"サイコスリラー"と"ハンティングRPG"。一度プレイをしてみると、その言葉がぴったりだと大きく頷かせられることとなります。
 

【奇怪な見た目の動物たちとのアツいバトル!】

※画像は公式サイトより引用

※画像は公式サイトより引用



本作の見どころのひとつとして多く挙げられるのが、私達が知っている動物とはまた違った見た目の動物たち。イヌ、パンダ、カバ、ウマなどなどお馴染みの名前の動物が揃い踏みですが、見た目は私達が知っている動物のものとは異なります。

動物たちは、巨大な鼻に真っ赤の唇を持つトナカイ、大きな一つ目のヤギ、クリーチャーにしか見えないゾウや、身体能力の進化が凄まじいゴキ○リなど、捕獲することをためらってしまう様な見た目のインパクト!上記画像、雌雄のコアラは鼻水が出ちゃってますが可愛らしい部類に入ります……。

摩訶不思議なビジュアルの動物たちを眺めていると、「これはもしかして可愛いのでは…?」という錯覚に陥ることも、そんな動物を捕獲するための戦闘も、一筋縄ではいかない手に汗握るものとなっています。どうしても倒せない動物は、罠を設置してとらえたり、お店で購入したり、ハンターに依頼してとってきてもらったりと様々な方法で手に入れることができます。

箱舟に動物を登録することこそが目的なので、そこに至るまでの過程はプレイヤーに委ねられます。そういった自由度の高い部分もまた、本作のゲーム性を高めています。

ちなみに、動物は捕獲してそれで終わり、ではありません。箱舟への登録が済んだ動物は加工して装備や食料にしたり、資金を稼ぐために売ったりもできます。動物の使用方法も、プレイヤー次第です。

更に、動物は全100種以上。

特定の地域や特定の時間にしか現れず、時間が経つと絶滅してしまう動物までいるため、全種を集めることは大変困難です。やり込み派ゲーマーの血が騒ぐ部分でもあります……! シナリオCはストーリーよりも動物集めがメインとなっているため、じっくりとコンプリートを目指すことができます。それでも8年の時間制限はあるので、効率的にやりくりしないと難しいんですけどね!
 

【動物だけじゃない! ブッ飛んだ登場人物が暴れまわる!】

※画像は製品紹介サイトより引用

※画像は製品紹介サイトより引用

個性的なのは動物だけではありません!本作はストーリーを彩る登場人物たちも曲者ばかり。

口が悪く明るいヒロインリンダや、異性育ちのサチコ、超過激な言動のサンタクロースコスプレのネクなど、一癖も二癖もあるキャラクターが揃っています。リンダの父、ヒュームの狂気的な愛には誰しもがぞっとすること間違いなし☆

本作のストーリーは大人向けであるため、幅広い年代の方が楽しめるものだと思います。ストーリーの内容自体は万人向けとは決して言い難いものですが、「王道ファンタジーは飽きた!もっとぶっ飛んだRPGをやりたい!」との想いを持っている方ならプレイして損はありません!ケンとリンダの箱舟計画を、是非手伝ってあげてください!

ひとつのエピソードクリアにかかる時間も短めなので、やりこみ抜きでストーリーをただ追いたい方でも手軽なプレイが可能です。
 

【ちょっと変わったRPGを探し求めている方へ】

※画像は公式サイトより引用

※画像は公式サイトより引用

剣と魔法とドラゴンの世界はお腹いっぱい!というオトナなあなたにオススメしたい『リンダキューブアゲイン』。今までこのコラムでは女の子やライトゲーマーの方でも楽しめるゲームを多く紹介してきましたが、本作は登場人物の狂気と愛憎劇を好むオトナなゲーマーの方に贈ります。たまにはファンタジーから離れて、パンチのきいたサイコな世界を冒険するのも楽しいですよ。

現在、ゲームアーカイブスで配信中のため、ダウンロードも簡単にできちゃいます。ポケモンをあらかた集め終わった方も、今度はキュートでグロテスクな動物をゲットしてみてはいかがでしょうか?クリアする頃には、リンダキューブの世界にどっぷりと浸っていることでしょう。

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