5万6000人が熱狂!新たな夢も語られた、GLAYファンクラブ限定ライブ2日目をレポート

2016.10.29
レポート
音楽

GLAY

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HAPPY SWING 20th Anniversary SPECIAL LIVE~We ♡ Happy Swing~Vol.2
2016.7.31 幕張メッセ国際展示場

GLAYのファンクラブ20周年を記念し、スペシャル限定ライブ『HAPPY SWING 20th Anniversary SPECIAL LIVE~We ♡ Happy Swing~Vol.2』が、7月30日と31日の2日間、通算5万6千人を集めて幕張メッセで開催された。その2DAYSの2日目。メンバーは20年間の感謝を熱い音楽とアクトに換えて、たっぷり3時間超、完全燃焼で届けた。

会場中央に設営された回転式ステージ。オーディエンスのフロアはその周りを360度ぐるりと取り囲む形になっている。客電が落ちると、まずは20年間のGLAYの軌跡がスクリーンに映し出され、その後、メンバー4人とサポートドラマー・Toshi Nagaiが登場。「熱くいこうぜ!」とTERUが叫び、ライブはファンクラブ名と同タイトルの「HAPPY SWING」で文字通りハッピーに幕開けした。ドカン!と鳴る特効。会場中が笑顔で曲に合わせて手を振る。1曲目からものすごい一体感だ。

GLAY・TERU

そして、2曲目に入る前にJIROの映像が流れ、ここからはメンバー各人が選んだ曲を披露するという、限定ライブならではの展開となった。その1番手『JIROセレクト』では、ライブで演るのは16年ぶりという「TIME」や、ライブ初披露という「neverland」をはじめ、レア曲が並ぶ。なかでも「ストロベリーシェイク」は、JIRO曰く「いろんなところで“絶対やらない”と言ってきた」ナンバー。だが、「せっかく20年も皆さんにおつきあいいただいたので、ちょっとやってみようかなと思って……」(JIRO)。ということで、JIROがメインボーカルを取ると、会場には驚きと歓喜の大歓声が上がった。デビューから20年以上経っても丸くなるどころか全くサビない鋭利さを感じさせる「Scoop」、TERUがアコギを弾きながら歌い、その声がどこまでも伸びていった「運命論」。「JIROコーナー、ラストソング!」というコールに続いて放たれた「MUSIC LIFE」では、ベースを弾くJIROの肩にTERUが手を回して歌い、そんな2人の熱い絡みが会場をよりいっそう沸かせた。

「カモン、俺!」。映像でTAKUROがそう叫ぶと、そこからは『TAKUROセレクト』に突入。チョーキングを多用した渋いTAKUROのギターソロから、極太サウンドが腰を直撃する「HIT THE WORLD CHART!」へ。演奏陣が激しくプレイすれば、TERUもマイクスタンドを振り上げて熱唱。「LOVE SLAVE」ではTERUが連続投げキッスを送り、会場に狂喜の悲鳴が上がる。アッパーな「LEVEL DEVIL」ではTAKUROがステージ最前まで出てきてオーディエンスを煽る。この3曲だけでも相当ハードだが、「ロックですよね、TAKUROは。まだまだ皆さんを休ませませんから。でもたまには水を飲んでね(笑)」(TARURO)と短いMCを挟んだ後も、容赦なくハード&アッパーな曲を連打。「ACID HEAD」では4人がさらに激しいパフォーマンスで魅せ、2万8千人がジャンプする壮絶な絶景が広がった。

GLAY

そんな『TAKURO セレクト』がゴリッゴリのロックに振り切った選曲だとしたら、続く『TERUセレクト』はメロディックな曲あり、聴かせる曲あり、明るく開けた曲ありと、起伏に富んだ構成になっていた。タンバリンを鳴らしながら歌った「Lock on you」でのTERU の歌声はとても色っぽくて思わずドキリ。HISASHIのダブルギターも魅せ場になっている「RainbirD」では、切ない想いをしみじみと丁寧に歌い上げた。またMCではこんな発言も。「みんなと付き合って20年。20年やってきて、やっと自信が持てるようになりました」と、それまでは自分に自信が持てなかったというTERU。だが、50枚目のシングル「BLEEZE」を作詞作曲したことでやっと自信が付いたのだという。さらに彼は2015年の東京ドーム公演以降、デッカイ夢を失っていたが、少し前にベネチアを訪れ、サン・マルコ広場でライブをやりたいと思うようになったと告白。「TAKURO、JIRO、HISASHI、スタッフの皆さん、Toshi、ファンクラブ30周年記念ライブをベネチアでやらせてくれ! あの素晴らしい景色をみんなに見せてあげたいんだ」。「あと10年ある。みんなもお金を貯められるよね?(笑)」とファンに語りかけると、約束を交わすように会場には大歓声が沸き起こった。

GLAY・TERU

たった今公言した新たな夢に向かっていくような「疾走れ!ミライ」、キラキラと輝いた「BLEEZE」を経て、『HISASHIセレクト』へ。テレビアニメ『クロムクロ』のオープニングテーマにもなっている新曲「デストピア」で口火を切ったこのセクションでは、「HISASHIあるある、曲タイトルにカタカナ多め(笑)」などと自虐ネタも含んだMCを挟みながら、スリリングな「アイ」、ヒリヒリするような「1988」、本編を明るく締め括った「彼女はゾンビ」まで、トリッキーだったりスパイシーだったり、一癖も二癖もある曲がズラリ。HISASHIの個性あふれる存在感が際立った。

アンコール前には映像で、控え室にいるメンバーが生中継された。TAKUROが進行役を務め、メンバーにインタビュー。すると、話題は今日突然ライブ中にTERUが宣言した“ベネチア・ライブ”のことになり、HISASIは「あれぐらいの想いがあったら実現するんじゃないですか?」とあたたかく笑いながら、JIROは「ファンの人にアンケートを取って、ダメだったら日本のどこかにある“喫茶・ベネチア”でTERUさんに弾き語りライブをやってもらいましょう」とみんなの爆笑を誘い、新たに生まれた夢を後押し。TERUは「ファンクラブのみんなには夢を語れる気がしたんです。だって20年、兄弟よりも長く一緒にいるから」と照れながら語っていた。

GLAY

そしてアンコールは、新曲「超音速デスティニー」と、お馴染みのナンバー「彼女の“Modern…”」。全28曲、すべての力を出し切ったメンバーは、改めてみんなへの感謝を口にした。「20周年、本当にありがとう! これからもずっとずっと一緒にいようぜ!」(TERU)。「GLAYは幸せ者です。皆さんからいただいた幸せを必ず音楽で返していきますので、これからも期待していてください!」(TAKURO)

よけいなものはなく、自分達の音楽を全力で伝えることで感謝を示す、とても真摯で楽しく濃厚な3時間だった。選曲はどちらかというとマニアックだったが、マニアックな曲でさえどの曲もいいメロディといい歌詞(このライブでは全曲、歌詞がスクリーンに映し出された)というしっかりした骨格で成り立っていることを今更ながら痛感した。20年経ってもファンクラブ会員だけで6万人近くを(しかも2日間で)動員できるバンドはどれだけいるだろう。その根強い人気の理由は、グッドミュージックと愛すべきメンバーの人間性。そんなわかりきったことを今一度明確に気持ちよく思い知らせてくれるライブでもあった。それにしても……10年後、新たな夢の行方は? デビュー22年目にして彼らの今後にますます目が離せなくなった。
 

レポート・文=赤木まみ 

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セットリスト
HAPPY SWING 20th Anniversary SPECIAL LIVE ~We ♡ Happy Swing~ Vol.2
2016.7.31 幕張メッセ国際展示場

 
01. HAPPY SWING
02. TIME
03. neverland
04. ストロベリーシェイク
05. Scoop
06. Ruby's Blanket
07. 運命論
08. MUSIC LIFE
09. HIT THE WORLD CHART!
10. LOVE SLAVE
11. LEVEL DEVIL
12. YOU MAY DREAM
13. Lovers change fighters,cool
14. ACID HEAD
15. 週末のBaby talk
16. Lock on you
17. RainbirD
18. Little Lovebirds
19. 疾走れ! ミライ
20. BLEEZE
21. デストピア
22. アイ
23. 1988
24. Cynical
25. 微熱(A)girlサマー
26. 彼女はゾンビ
[ENCORE]
27. 超音速デスティニー
28. 彼女の“Modern…”

 

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