平幹二朗と浅利陽介らが熱い演劇魂と人間模様を描く！『CRESSIDA　クレシダ』

 

舞台『CRESSIDA クレシダ』が9月4日（日）からシアタートラムにて初日を迎える。2日（金）、この舞台の公開稽古が披露された。

先に断っておくが、『クレシダ』というタイトルで、おそらくシェイクスピアの悲劇『トロイラスとクレシダ』を思い出し、フライヤーや公演ポスターのビジュアルイメージ、また平幹二朗というビッグネームを目にして、重厚な作品、敷居が高いかも、ある程度覚悟を決めて観に行かねば…などと二の足を踏んでいる方、どうぞご安心いただきたい。おそらくそのイメージは劇場に足を運ぶことで大きく覆されるはずだ。

舞台は1630年代頃のロンドン・グローブ座。劇団は男性のみで構成され、女役は若い少年俳優が演じていた時代。かつての名優シャンク（平）は、この劇場で少年俳優たちに演技指導をしていた。そこにとある養成所から見た目はまるで浮浪児のような少年スティーヴン（浅利陽介）がやってきて入所を希望する。ところが彼の話し方は非常に幼く、シャンクは一度は入所を断るのだが…。

やがてスティーヴンはとある思惑から『トロイラスとクレシダ』のヒロインを演じることになり、シャンクから猛レッスンを受ける――

ときに自分勝手でいい加減、コミカルなフシもある元・名優シャンクが、本気で熱のこもった演技指導をするその姿、またシャンクに必死でくらいついていくスティーヴンの姿は観る者をとらえ、グイグイとひきこんでいく。シャンクを演じる大ベテラン・平の圧倒的なパワーと演技力に、若手実力派・浅利が互角の勝負を挑んでいる点は必見。また少年俳優たちの女役の美しさにも注目していただきたい。