体感時間15分! キュウソネコカミが赤城ステージを全力疾走で駆け抜ける
キュウソネコカミ
山人音楽祭2016 【赤城ステージ】 キュウソネコカミ
ヤマサキセイヤ(Vo/G)の「やっほー! キュウソネコカミです。よろしく!」という短めの挨拶から、早速「ビビった」へ突入。バンドの最近の勢いを象徴するロケットスタートだ。まるで回転数を上げたレコードのように性急なビートが叩き込まれ、セイヤが振るタクトに合わせて、フロアは一人残らず飛び跳ねる。
キュウソネコカミ
一瞬の静寂の間にスマホの着信音が鳴り響くと、それは「ファントムヴァイブレーション」が始まる合図。キュウソで1、2を争う人気曲の投入にフロアは一気に沸き立つ。それにしても、数年前までは坂道を全力で転げ落ちるようなスキだらけの演奏がある意味魅力だったキュウソが、今や驚くほどどっしりとしたアンサンブルを聴かせるんだから、これまで全国各地でどれだけのライブを重ねてきたかがよく分かる。著しい成長だ。
キュウソネコカミ
平凡な自分が写った写真をどうか修正してくれと歌う「サギグラファー」まで、演奏を止めたら死ぬ魔法がかかってるんじゃないか?ぐらいの勢いで矢継ぎ早に3曲をプレイし、ようやく一息。
しかし、ここからがキュウソの真骨頂。“ヤンキー怖い!”と叫ぶ「DQNなりたい、40代で死にたい」だ。「ドン◯ホーテは貴様のたまり場ではないぞ!」という絶叫の後、ヤマサキはフロアへ突っ込んでいく。なぜか、楽屋に置いてあった緑色のダルマを持って……。そして彼は観客の上で仁王立ちし、そのまま一歩ずつ前へ進むという。まず、“山人”の“や”のコールで一歩前へ。そして、“山人”の“び”でもう一歩。さらに、“山人”の“び”でフラつきながらももう一歩。ラスト、“山人”の“と”で一歩を踏み出し、そこで成功の証としてダルマに目を入れた。文章にしてみるとなんのこっちゃ意味がよく分からないが、これがキュウソなのだ。“Don't think, feel”の境地である。
キュウソネコカミ
最後は、彼らにしては拍子抜けするほどストレートな構成の新曲「わかってんだよ」~「ハッピーポンコツ」とメロディアスな楽曲をたたみ掛け、体感時間15分ぐらいのスピードでキュウソの4人は嵐のようにステージを去っていった。
レポート・文=阿刀“DA”大志 撮影=HayachiN
キュウソネコカミ
1. ビビった
2. ファントムヴァイブレーション
3. サギグラファー
4. DQNなりたい、40代で死にたい
5. わかってんだよ
6. ハッピーポンコツ