歴史はこれからも続いていく!FM802『RADIO∞INFINITY』15周年記念『電波無限祭 -15の夜-』にキュウソ、ハンブレ、四星球、Chevon、電波無限大、ドアラとなかまたち、Blue Mashと祝宴

レポート
音楽
2025.6.12

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2025年3月24日(月)・25日(火)の2日間、大阪・なんばHatchで行われたFM802の番組『RADIO∞INFINITY』(毎週木曜 深夜00:00〜3:00)の15周年記念イベント『RADIO∞INFINITY 15th Anniversary pre. 電波無限祭-15の夜-』。DAY1の余韻さめやらぬままで迎えたDAY2は、DAY1以上に予測不可能で、大盛り上がりの展開に。歴代DJの飯室大吾、樋口大喜、ハタノユウスケもアーティストからの「無茶ぶり」に応えて身体を張り、またさらに愛と絆を深めた、実に『RADIO∞INFINITY(以下、『INFINITY』)』らしい1日となった。涙あり笑いあり、大感動のDAY2のレポートをどうぞ。

『RADIO∞INFINITY 15th Anniversary pre. 電波無限祭〜15の夜〜』DAY2 2025.3.25(TUE)@大阪なんばHatch

大充実のDAY1を終え、迎えたDAY2は2日目にして最終日。飯室曰く「INFINITY味の濃い、クセの強い、DJ3世代それぞれが一緒に色んな景色を見させてくれたバンドが揃っている」というDAY2のラインナップは以下の通りだ。

前半「無限 TIME」には四星球、Chevon、ドラマチックアラスカと大吾のなかまたち(大吾のなかまたち:GIMA☆KENTA/愛はズボーン、コザック前田/ガガガSP、森良太/Brian the Sun・YOWLL、米田貴紀/夜の本気ダンス)が出演。

そして後半「INFINITY TIME」にはキュウソネコカミ、ハンブレッダーズ、電波無限大(Vo:ひこ/CAT ATE HOTDOGS、柄須賀皇司/the paddles、汐田泰輝/Bye-Bye-Handの方程式、高木一成/Re:name)(Gt:岩橋茅津/Bye-Bye-Handの方程式、Soma/Re:name)(Ba:ハナッペ/CAT ATE HOTDOGS)(Dr:渡邊剣人/the paddles)、OAにはBlue Mashが出演した。

開演時間の少し前になんばHatchに到着すると、the paddlesの面々が物販に立ってファンと話しているのを見かけた。ライブハウスの雰囲気があって、とても良い光景だ。ロビーにはこの日も「出席確認」のボードが設置されており、早速ラジオネームとメッセージを書き込むリスナーの姿が。また、番組オリジナルグッズも販売。各日出演アーティストの名前が入った「小のぼりさん」や「ライブPASS風ステッカー」「RADIO∞INFINITY手ぬぐい」といったグッズが用意されていた。

会場内で流れていたBGMは、歴代DJsの3人が選曲したもの。イベントのため、毎週火曜日の朝にDJsが集まって色々と準備を行ってきたとDAY1でも話していたが、3人の番組愛やアーティスト愛を、電波を超えた現場で感じられたのも素敵だった。

定刻になり、この日もラジオジングルとFM802 DJ・落合健太郎の声が流れる。イベントのために特別に収録したものだそうだが、DAY1とバージョン違いで、芸が細かくて驚いた。落合は「『RADIO∞INFINITY』15年の集大成ということで、INFINITYの仲間たちが大集合ですよ。何が起こるか予測不可能。とんでもない日になりそうです。大吾ー! 大喜ー! 一緒に楽しんで! あっごめん、ハタノー!」とDJs最年少のハタノをいじり、3人にバトンを渡した。

やがて時報とジングルが流れ、DJsがステージに登場。「皆さんようこそー! 初代DJの飯室大吾です」「2代目樋口大喜です」「(谷絹)茉優ちゃんに許可もらったんで……3代目ハタノユウスケでーす!」と、ハタノはChevonのお立ち台を借りて元気に挨拶。期待でそわそわする客席を見て嬉しそうな飯室は、『RADIO∞INFINITY』はアーティストに無茶ぶりしてきた番組だから「無茶ぶり返し」があるかも、とアナウンスして「今日が最終日ですから、さらに大きい熱量にして、皆さんと一緒に良い思い出を作りたいと思っています」と意気込み、ラインナップ紹介からDAY2をスタートした。

Chevon

DAY2のトッパーは2021年結成の北海道発・Chevon。「このステージでChevon観たってラッキーだね、と言われるのが確定しているバンド」というハタノの紹介通り、今破竹の勢いで人気と実力を伸ばす彼らは、昨年4月にハタノが番組を休んだ際、北海道から駆けつけて代打で3時間番組を担当した。サポートドラムの小林令がビートを放つとKtjm(Gt)、オオノタツヤ(Ba)、谷絹茉優(Vo)が登場。ミドルナンバー「春愁い」「ノックブーツ」に続けてアンセム「冥冥」でギアを上げ、「うちらのことを1番最初にラジオでかけてくれたのは、他でもないINFINITYでした。今日は恩を返しにきました!」とシャウトし、2024年12月度ヘビロの「銃電中」をプレイ。圧倒的な声量、ボーカルスキルと佇まいで唯一無二の存在感を放つ谷絹、クールで熱いサウンドを生み出すKtjmとオオノ。2階まで総立ちの客席は懸命に手を上げ、1曲ごとに熱量を増していった。

「『RADIO∞INFINITY』15周年! 15年続けるったらすごいことでございますよ! 我々北海道札幌市のバンドなんですけども、地元よりも先に見つけて曲をかけてくれたのがハタノくんで。我々は大阪を勝手に第2の故郷だと思っております。15周年という大事なライブのトッパーに選んでいただきやして、とってもとっても嬉しいでございます。来たからには思い切り楽しめますか?」と煽り、「サクラループ」、イベント翌日の谷絹の誕生日に配信リリースされた新曲「さよならになりました」を続けて披露(この曲も初OAは『RADIO∞INFINITY』!)。ラストは「ダンス・デカダンス」で思い切り疾走! フロアを一体にしてすさまじいシャウトで圧倒した。春ソング多めのセットリストと天井知らずのライブパフォーマンスで会場全体を魅了した。

ドラマチックアラスカと大吾のなかまたち

続いては、ドラマチックアラスカ(以下、ドアラ)と大吾のなかまたち。神戸発のドアラがホストバンドとなり、GIMA☆KENTA(愛はズボーン)、コザック前田(ガガガSP)、森良太(Brian the Sun、YOWLL)、米田貴紀(夜の本気ダンス)の4人こと「大吾のなかまたち」をゲストボーカルに迎えた、この日だけのスペシャル編成だ。

まずはヒジカタナオト(Vo.Gt)、サワヤナギマサタカ(Gt)、タケムラカズキ(Ba)、ニシバタアツシ(Dr)のドアラ4人で「リダイヤル」を超絶ロックにかまして勢いを加速! 続々とゲストボーカルを呼び込んでいった。

1人目は夜の本気ダンス・米田。米田は「15周年おめでとうございます」と祝福。「こんな形でステージに立つとは」と再会を喜ぶ両者は、かつてドアラ、夜ダン、フレデリックの3バンドで「アラウミドス」としてツアーを廻った間柄。お馴染みの「踊れる準備はできてますか?」の確認から「WHERE?」を投下する。さすが旧知の仲、息ぴったりの演奏で、瞬く間に会場をダンスフロアに変身させた。米田は「これからも愛し続けます『RADIO∞INFINITY』!」と愛を伝えた。

続いてはBrian the Sun、YOWLLの森。ラフに登場し、ヒジカタの真っ赤な髪をいじる。ヒジカタは「Brian the Sun時代にたくさん対バンしたね。Brianの曲聴きたいな」と言うと、森は嬉しそうに「この世は気に入らない事ばっかりだ!」と「ロックンロールポップギャング」を力一杯叩き込んだ。

オールバック、上裸に上下真っ白なスーツというロックンローラーな出で立ちで現れたのは、愛はズボーンのGIMA☆KENTA。ノリノリで「アナコンダ」を熱唱し、「電波は無限大、ライブハウスは自由だってことを証明しに来ました。友達紹介していいですか?」との言葉で登場したのは、ネオンできらめくアナコンダ(蛇)! さらに巨大な龍も!

ステージを動き回る2体と共に、インパクト大のステージを見せてくれた。自分が面白いと思うものを信じて形にし続ける彼だからこその、唯一無二の時間だった。

そして1番先輩の、ガガガSP・コザック前田を呼び込む。前田は、メンバーの桑原康伸(Ba)がこの2月に逝去したことに触れ「心がかき乱される月日が経ったんですけど、ガガガSPはサポートを入れて、前向いて頑張っていきます。やり続けることが大事だと思うんですよね。それをアラスカもやってくれてるということで、今日ここに立たせてもらいました」と述べ、ヒジカタのリクエストで桑原作詞作曲の「はじめて君としゃべった」を前のめりにプレイ。情熱と決意を見せてくれた。

全ボーカリストが登場し終え、「大吾さん、俺たち頑張りました」とホッとしたようにヒジカタが言うと「ステージの袖がフェスみたいになってる」と飯室が登場。「好きで続けてきたラジオだけど、こんなに祝って集まってくれて、バンドマンがひと肌脱いでくれて。感謝です!」と述べる。ヒジカタは「当時売れないバンドマンたちが、深夜に車で乗り合わせて『RADIO∞INFINITY』に遊びに行ったのを今でも覚えてて。これからもそういう場所でいてほしいです」と想いを口にした。

最後は「頑張ったので、もう1曲自分たちの曲やらせてもらっていいですか(ヒジカタ)」と、全員でドアラの「人間ロック」をにぎやか&パワフルに演奏。ヒジカタに「イントロの間に曲紹介するやつ、やってください」と無茶ぶりされた飯室はばっちりプロの技を見せつけていた。

DAY2も転換中に番組にゆかりのあるアーティストのビデオメッセージが到着。DAY2はフレデリックの三原健司(Vo.Gt)、hockrockb、OKAMOTO’S、THE ORAL CIGARETTESの山中拓也(Vo&Gt)からのメッセージが流れたが、どのアーティストも番組やDJについて話す表情が本当に幸せそうで、いかに『RADIO∞INFINITY』チームが大好きかということが伝わってきた。

四星球

「無限 TIME」のトリは四星球。『RADIO∞INFINITY』で四星球ということで一体何が起こるのか! ドキドキが止まらない。北島康雄(Vo)が「今日は名前、顔、曲、そしてDJ樋口大喜の元カノは四星球のお客さんてことだけ覚えて帰ってください!」と叫ぶ。そして「皆春休み、ディズニーランド行きたかったんちゃう?」と言うなり「エレクトリカルパレード」が流れ、ミ◯キーマウス姿のU太(Ba)、ランプの精・ジ◯ニー姿のモリス(Dr)、ア◯エル姿のまさやん(Gt)が登場! 「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」と「クラーク博士と僕」ですっかりフロアの心を掴み「UMA WITH A MISSION」では、生まれたての馬が立ち上がるのを応援する助っ人として樋口とハタノが登場。ステージをぱっぱか駆け回ったりダンスをしたりと活躍した。

北島は「802に初めて出してもらったのは『RADIO∞INFINITY』でした。きっとそういうバンド、日本中にいっぱいいると思う。皆1番尖ってる時に出てんのよ。それを全部優しく包んでくれるのが『RADIO∞INFINITY』! マジでその愛は無限だと思います」と感謝と愛を叫び「あと初めて『RADIO∞INFINITY』に出してもらった2012年以来、僕たち『レディクレ』に呼ばれてません! 今日、今年の『レディクレ』出場権、勝ち取って帰ります!」と力強く宣言。

「Mr.Cosmo」ではミ◯クミャク姿の北島の後に続いて「私は四星球をレディクレに推薦します」というのぼりを持った樋口とハタノが、ミステリーサークル(フロア)を練り歩く。ラストの「ミッドナイトレインボーピーターパン」まで熱狂させると「祝 『RADIO∞INFINITY』15周年 四星球より」と書かれた花輪や段ボールアートのパーツで「We♡802」の言葉を贈り、最高のフィナーレを迎えた。

まさかのアンコールもあり「ちょんまげマンのテーマ」では、「ちょんまげマン大吾」に変身した飯室が「拙者も四星球をレディクレに推薦します」ののぼりを持ちステージに登場! 北島は「大吾がいなきゃ、俺たち802に相手されなかったぜ! 当時、尖り狂っていた4人のバンドマンを大吾が優しく包んでくれたんだよ!『RADIO∞INFINITY』よ永遠に!」と大声で感謝を伝えた。最後はちょんまげマン大吾からのお願いで、ちょんまげマン(北島)に小道具のフラフープを渡し「輪っかが2つで無限マーク」を完成させた! 飯室は「『RADIO∞INFINITY』はこれからも電波無限大に続いていきますので、よろしくお願いします!」と華麗に締め括った。今年の『レディクレ』がとても楽しみだ。

DAY1よりも明らかにステージでの稼働が多いDJs。前半を終えて疲れているかと思いきや「四星球の皆さんには何でもやりますよとお伝えしてたんですが、何が来るか全く聞いてなくて。とんでもないものを担がされました。でも普段ラジオで届けてる音楽をライブで見られるだけでもすごいのに、色んな無茶ぶりでDJとコラボレーションさせてもらって、ほんまにすごい」と樋口。飯室も「アーティストにラジオで遊んでもらってる感じがして嬉しいな」と喜び、後半戦「INFINITY TIME」へ突入した。

Blue Mash

ライブハウス出身の誇りと矜持、熱をリハーサル含めた30分で出し尽くしたのは、寝屋川発のBlue Mash。優斗(Vo.Gt)は「初めまして! ガラガラのライブハウスから来ました!  すごいですね、大きいですね」と、初めてのなんばHatchに目を輝かせる。4日前に大学を卒業したばかりの彼らは、ライブハウスの楽屋や機材車でZoomで授業を受け、努力と工夫で卒業を勝ち取ったことを明かす。気さくな雰囲気ながら、感じるのは与えられた時間を一瞬も無駄にしないぞという気迫。

優斗は「寝屋川VINTAGEという150人のキャパでずっとやってきて、今日初めてなんばHatchに立たせてもらいます! 楽しまなくて大丈夫です。楽しませて帰ります!」と思い切り叫び「2002」「春のまま」を連続で投下した。振り絞るような歌声と、爆音ながらもスキルを感じるげんげん(Gt)、荒川ソラ(Ba)、マサヒロ(Dr)のプレイ、そして優斗の飾らない言葉。これらが一体となったBlue Mashの音楽は、人の心を動かす力がある。

昨年12月、ハタノの『RADIO∞INFINITY』で初めてスタジオライブをしたのがBlue Mash。優斗は樋口の『RADIO∞INFINITY』でハンブレッダーズのスタジオライブを聴いており、そのライブのようにしたいと自ら提案したそう。「ハンブレッダーズと同じステージに前後で立てて嬉しいです。しかも四星球もthe paddlesも、普段一緒にやってる先輩もいて。このステージを任せてもらえてすごい嬉しいです。ここに立ちたくても立てなかった大阪の友達、後輩、先輩いっぱいいるんですよ。その分まで死ぬ気で楽しんで帰ります!」と叫び、「セブンティーン」「海岸線」まで全4曲を豪速球でかまして大暴れ。「俺の生きる意味、Blue Mashでした!」全てを音楽に賭けて、若さほとばしるライブで爪痕を残した。

ハンブレッダーズ

後輩Blue Mashからバトンを受け取ったのは、ムツムロアキラ(Vo.Gt)、でらし(Ba)、ukicaster(Gt)、木島(Dr)からなるハンブレッダーズ。2020年2月度FM802ヘビロの「ユースレスマシン」から爽やかに音を飛ばすと「BGMになるなよ」「ワールドイズマイン」を連投。名曲揃いで、改めて音楽スキルの高さを認識する。

『RADIO∞INFINITY』は特に樋口の代にお世話になったと話す4人。木島は「俺とでらしは、1分間自己紹介で洗礼を受けた」と初出演の日を振り返った。彼らは10月に大阪城ホールでフェスを主催する。ムツムロは「昔は音楽性と人間性は別々でいいやと思ってたんですよ。でも今日もハンブレッダーズに憧れてますという後輩がいて、そういうのを聞くと真面目にやっていった方がバンドを続けられるだろうなと思って。バズらなくても一歩一歩やっていけば、ちゃんと花開くんだということを、俺たちが大阪で見せないとと思っています」と想いを語った。

ハイライトは終盤の「ライブハウスで会おうぜ」。オープニングトークで樋口がハンブレッダーズを「コロナ禍を支え続けてくれたバンド」と紹介したように、樋口はコロナ禍で『RADIO∞INFINITY』を担当していた。現場との繋がりが大事な番組において、どれほどの苦労があったかは想像に難くない。そんな時期を乗り越えてたどり着いた最終回、ハンブレッダーズのスタジオライブで号泣しながら歌った思い出の曲が「ライブハウスで会おうぜ」だった。

樋口は歌声を張り上げて「辛い辛い5年前も、あの夜を一緒に越えて、今日ライブハウスで皆と歌うことができました。めちゃめちゃ嬉しいです! これからも電波を通して、ハンブレッダーズみたいなカッコ良いバンドを、カッコ良いロックンロールを流していきます。FM802から樋口大喜が生放送でお送りしています。またあなたの声をラジオで聞かせてください。これからもどうぞよろしく!」とラジオで楽曲のアウトロ紹介をするかのように、泣きそうなほど渾身の力で叫び、最後はハンブレッダーズが作った『RADIO∞INFINITY』のジングルで締め括った。DJsとメンバーが肩を組む光景に胸が熱くなる。双方の絆の深さを感じる、あたたかな空間だった。

電波無限大

トリ前は、番組で生まれた関西4バンドからなるドリームバンド・電波無限大。ボーカルにCAT ATE HOTDOGSのひこ、the paddlesの柄須賀皇司、Bye-Bye-Handの方程式の汐田泰輝、Re:nameの高木一成が、ギターにBye-Bye-Handの方程式・岩橋茅津とRe:name・Somaが、ベースにCAT ATE HOTDOGS・ハナッペが、ドラムにthe paddlesの渡邊剣人が参加した。

ステージに立った8人が向き合い、渡邊が大きくスティックを振りかぶったのを合図にバーン! と音を出すと、フロントマン4人が一斉に弾けて会場を煽り、2022年に番組内で作った「サカサマデイドリーム」を披露。ポップで華やかなロックサウンドに牽引されて、フロアも自然に手を上げる。ポップながらも力を込めた雄々しい歌声や煽りからは、メンバーの気合いが感じられる。

ここからは各バンドの楽曲を順にプレイ。ボーカル1人で歌い切るのではなく、4人でスイッチしながら歌を紡いでいく連帯感が、彼ららしくてとても良かった。1曲目はBye-Bye-Handの方程式の「darling rolling」。冒頭の汐田の全力歌唱から、まさに転がるようなスピード感でフロアをジャンプでひとつにして勢いづけ、the paddlesの「ブルーベリーデイズ」ではそれぞれの歌声を気持ち良さそうに響かせた。

「口々に「最高! すごいな!」と、興奮しきりのメンバー。自己紹介の後は「サカサマデイドリーム」ができたキッカケやプロセス、お互いの『RADIO∞INFINITY』出演時のエピソードを話して笑い合う。話が弾んで止まらなくなりそうなところを、番組で「ネヤドラBLUEBERRY GUYS」コーナーDJを担当した柄須賀の見事なトーク回しで、Re:nameの「24/7」へ。高木のクリアな歌声が際立つ楽曲だが、全員でのコーラスがパワフルで新鮮で、「2・4・7!」と指を繰り出すフリも楽しく、ハッピーな空気に元気をもらう。

ひこは「今回4バンドから1人ずつ出してバンドを組んでもらいました。これってめっちゃスペシャルで、オリジナルの演奏なんですよ。度あるかわからへんのですよ。今日限定の電波無限大のグルーヴをめっちゃ感じてほしいねん!」と想いを伝え、CAT ATE HOTDOGSの「CANKERI」を投下。呼応したフロアはしっかり手を上げ、特別な時間を楽しんでいた。

「ラストは電波無限大の新曲「僕らも誰かの羅針盤」。イベントの2ヶ月前に樋口の一声で制作が決まり、急ピッチで作られたという1曲だ。作詞作曲を手がけた柄須賀が「802はライブハウスみたいな場所」とMCで言った言葉がそのまま表れた歌詞で、まるで『RADIO∞INFINITY』のテーマ曲のようにも感じられる。一度聴くと耳に残るメロディーとポジティブな歌詞に身を委ね、くまなく手を上げるフロア。メンバーもリラックスした様子で音を届けていた。『RADIO∞INFINITY』への感謝と愛、仲間と作る表現の喜びを全身で伝えるような、幸福感とエネルギーに包まれたステージだった。2日間のイベント後にこの曲がBGMで流れていたように、同世代4バンドがこれからの関西のロックシーンを引っ張ってくれることを願ってやまない。

キュウソネコカミ

2日間の大トリを飾るのは、『RADIO∞INFINITY』とは切っても切り離せないバンド・キュウソネコカミ。本イベント開催を発表したのも『RADIO CRAZY 2024』のキュウソのZ-STAGEであったし、DJsとも非常に関係性が深い。ヤマサキセイヤ(Vo.Gt)は「『RADIO∞INFINITY』15周年おめでとうございます! まずはこの曲からいきましょう!」とインストナンバー「ネコ踊る」を投下。生ジングルよろしく「飯室大吾と樋口大喜とハタノユウスケの『RADIO∞INFINITY』〜!」と叫び、「良いDJ」へ(恒例の飯室大吾コールも!)。続く「ビビった」では「2日間の大トリの盛り上がりがこれですか!?(ヨコタシンノスケ/Key.Vo)」と煽られたフロアが本気を出して食らいつく。さらに「ファントムヴァイブレーション」までノンストップでぶち上げた。

「この10年間たくさん『RADIO∞INFINITY』と絡ませてもらい、地元に住んでるがゆえに、もう何回出たかもわからない。初めての出会いがいつだったのかも忘れるほど、よくしていただいてます!」とヤマサキ。「大吾さんは実家のような安心感があって。『RADIO∞INFINITY』のDJたちは現場をよく見に来てくれて。現場を大事にしてそれをリスナーに紹介して、僕らと繋げてくれて、15年も続いてるんだと思います。ほんとに信頼できる人たちです。特に樋口は同志。ずっと戦ってきてる仲だなと思います」とDJsとの関係性を明かす。

「ここからは、DJと絡んだり絡まなかったりしながらやっていきたいと思います!」との言葉通り、「住環境」では飯室がスーツで登場、管理会社の人のセリフを生披露。次の「伝統芸能」では早着替えをして浴衣姿でバシッとキメた飯室が「エントリーナンバー8番、ヤマサキセイヤ。今日は愛する妻へ日頃の感謝を込めて歌います」と、のど自慢風の曲フリでコラボ。さらに「エントリーナンバー9番、樋口大喜。FM802看板DJ。もはやそのポテンシャルはラジオのみにとどまらず、落語界、ハンバーガー業界にまで及ぶ。そんな彼が心を込めて歌います」との紹介で赤い浴衣姿の樋口が登場し、aikoの「カブトムシ」を熱唱。合格の鐘が鳴ったが「クセすごっ。練習してきてって言ったやん」とヤマサキにいじられる。

ヤマサキは「当時ふざけきってた時期に、INFINITYは俺たちをロックバンドとしてちゃんと紹介してくれて、関西で力をつけさせてもらった。そこから関係が長く続いて、お互い生き残って、今なんばHatchでやれてるのが嬉しく思います。これからも音の届くところ、電波の届くところにいてください。必ずあなたの毎日を少し変えられる、そんな存在で居続けたいと思います。これからも一緒に『RADIO∞INFINITY』しましょう!」と叫び、ラストチューンの「ハッピーポンコツ」まで、『RADIO∞INFINITY』へのリスペクトを込めながら、キュウソらしくフロアの隅々まで人々を踊らせ、湧かせ、歌わせ、一歩を支えさせて、最高の一体感を作り上げた。

アンコールは「お願いシェンロン」。まずはお決まりの展開で、ヤマサキとフロアで「カメハメ波」でエネルギーの交換を行う。そして現れた筋斗雲! 「今日の対戦相手は、現『RADIO∞INFINITY』DJ・ハタノユウスケー!」と呼ばれたハタノは、小ぶりの筋斗雲を手にステージに登場。ハタノはDJになる前は、お客さんとしてずっと(セイヤを)支えていたそう。ヤマサキは「セットアップで筋斗雲乗る奴、初めてやぞ! 足を大きく広くと安定するぞ! 両手離したりすな!」とハタノに乗り方を教えつつ、オーディエンスに支えられ、見事なカメハメ波対決!「やるじゃんか! ありがとう!」とハタノの健闘を讃えたヤマサキと、ホッとしたように笑顔でステージに帰還したハタノは、拳を合わせて仲良くステージに寝っ転り抱き合う。トークパートで樋口に「まだ安全運転で(番組)やってんの?」と言われていたハタノだったが、筋斗雲に乗ったハタノは少し大人びた良い顔をしていた。飯室曰く「この日キュウソによって変えられたハタノの新しい人生」、今後もっと深く長い付き合いになっていくのだろう。

全てのライブを終えて飯室は「セイヤも言うてたけど、15年も歴史があるから、1番最初に会ったタイミングを覚えてないと言うけど、ライブハウスで会ったことは確実なんです。絶対最初にライブハウスで俺たちと出会って、電波に乗っけて皆に届け続けてきた『RADIO∞INFINITY』でした。15周年はまだまだ続きますので、一緒に音楽でラジオでライブハウスで遊んでください!」と充実した表情で述べた。樋口も「ほんまにすごかった。またこのエネルギーの交換が電波に乗って皆さんに届いていく。皆さんも今日の感想を送っていただきたいと思います!」と想いを口にした。

現DJのハタノは「まさに最後は物理的に皆さんに支えられてるなと思いました。平日にも関わらず来ていただいた皆様、本当に本当にありがとうございました。今年は引き続き15年イヤーですので、16年目以降もまたライブハウスで、ラジオで会いましょう!」と清々しい表情で締め括った。

こうして2日間の『RADIO∞INFINITY 15th Anniversary pre. 電波無限祭 -15の夜-』は大団円で終了した。3代のDJが、それぞれ時代の影響も受けながら試行錯誤して15年間築いてきた番組。その中で生まれた出会いや別れ、様々な人間ドラマ、愛と感謝とリスペクト、そして最高の音楽と大切なリスナー。それらが全て凝縮された感動の2日間だった。『RADIO∞INFINITY』の歴史はこれからも続いていく。また木曜深夜12時にFM802にアクセスしよう。

取材・文=久保田瑛理 写真=FM802提供(撮影:ハヤシマコ)

セットリスト

FM802『RADIO∞INFINITY』
⚫︎オンエア:毎週木曜24:00-27:00
●DJ=ハタノユウスケ(X=@Hatano_dj)
●番組 X=@RI_802 (番組ハッシュタグ= #RI802)
●番組 TikTok=@fm802_ri
●番組 URL=https://funky802.com/infinity/
『RADIO∞INFINITY 15th Anniversary pre.電波無限祭-15 の夜-』
2025年3月25日(火)@大阪・なんば Hatch
 
【セットリスト】
Chevon

1.春愁い
2.ノックブーツ
3.冥冥
4.銃電中
5.サクラループ
6.さよならになりました
7.ダンス・デカダンス
 
ドラマチックアラスカと大吾のなかまたち
1.リダイヤル(ドラマチックアラスカ)
2.WHERE? (夜の本気ダンス)
3.ロックンロールポップギャング(Brian the Sun)
4.アナコンダ(愛はズボーン)
5.はじめて君としゃべった (ガガガSP)
6.人間ロック(ドラマチックアラスカ)
 
四星球
1.鋼鉄の段ボーラーまさゆき
2.クラーク博士と僕
3.UMA WITH A MISSION
4.エラ-むかしむかしあるところに-
5.Mr.Cosmo
6.薬草
7.ミッドナイトレインボーピーターパン
 
Blue Mash
1.2002
2.春のまま
3.セブンティーン
4.海岸線

ハンブレッダーズ
1.ユースレスマシン
2.BGMになるなよ
3.ワールドイズマイン
4.バタフライエフェクト
5.⚡️
6.ライブハウスで会おうぜ
7.802ジングル
 
電波無限大
1.サカサマデイドリーム
2.darling rolling(Bye-Bye-Handの方程式)
3.ブルーベリーデイズ(the paddles)
4.24/7(Re:name)
5.CANKERI(CAT ATE HOTDOGS)
6.僕らも誰かの羅針盤
 
キュウソネコカミ
1.ネコ踊る
2.良いDJ
3.ビビった
4.ファントムヴァイブレーション
5.住環境
6.伝統芸能
7.ネコカミたい
8.DQNなりたい、40代で死にたい
9.ハッピーポンコツ
En.お願いシェンロン
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