楠本桃子のゲームコラムvol.17 108人の仲間と共に正義を貫く『幻想水滸伝』

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 ※公式サイトより引用

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ゲームが大好きな女性筆者が贈るゲームコラム連載、今回紹介するゲームは『幻想水滸伝』! 1995年12月15日にコナミより発売した、プレイステーション用ゲームです純粋なナンバリング作品だけでも5作が発売され、今なお多くのゲームユーザーに愛されています。今回はそんな幻想水滸伝シリーズの始まり、第1作目となる『幻想水滸伝』を紹介します。
 

【解放軍と帝国軍が織りなす戦の物語】

※公式サイトより引用

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帝国五将軍の1人テオ・マクドールの息子であるきみは今、緊張した面持ちで時間がゆっくりとすぎていくのを感じていた。黄金の皇帝バルバロッサとの謁見が迫っていた。きみは控えの間をキョロキョロと見回す、ふと父と目があった。無骨だがどこか優しい父の瞳が心配するなと語り掛けていた。 波が引くように緊張が遠退き、あたたかな安心感を感じた。いつしか思いは昔日の思い出へと移っていた。

付き人のグレミオ、幼い頃に母を失ったきみにとっては母親がわりだった。いくどとなく、わがままを言いグレミオを困らせたあの幼い日々がよみがえる。

クレオ、家族同然にいっしょに時をすごした彼女は、父の部下という以上に大きな祖存在だった。

パーン、父が彼を最初に紹介したときに、きみは大きなおそれをいだいた。 はじめて会った彼は殺気をギラギラと燃え立たせた闘志だった。 しかし、その奥にひそむあたたかなものに気付いた時に、おそれは消え、信頼が芽生えた。

そして、テッド。出会ったのは数年前、だけど、おさないころからの親友のような気のおけない少年。きみは彼に心を許し、彼がそうすることを認めた。 だが、かの陽気な少年は時折、ひどく大人びた目をすることがある。

「謁見の準備ができました。こちらへどうぞ」

侍女の声できみは現実の世界へとひきもどされる。

「いくぞ。」

重い父の声。そして大きな背中。
圧倒的に思えたその父を、やがて追い越す時がくることをきみはまだ知らない。

(※公式サイトより引用)

 

国で育ちながら、帝国の在り方に疑問を抱き、解放軍のリーダーとなる主人公。本作は濃密なストーリーも魅力的で、正義や命について考えさせられるものとなっています。

主人公は自分の意思で好きなようにしゃべるタイプではなく、プレイヤーが選んだ選択肢の言葉を発する、という形になっています。そのため、感情移入もしやすく『幻想水滸伝』の世界にも違和感なく入り込むことができます。

この選択肢もユーモアに富んだものが結構あり、それを選んで仲間の反応を見ることも面白いです。「◯◯に向かおう!」という仲間に対して「いくのは嫌だな」と、わがままを言ってみたり、貴族に対して「うさんくさいやつだな」 と、悪態を吐いてみたり、竜騎士にお願いをしに行く時には「ちょっと、竜にのせて」と、緊迫の最中にお茶目さをアピールしてみたり……。私が操る主人公君は、周りからしてみれば相当扱い辛いやつだったんだろうな、と思います(笑)。

そんな主人公君もおどけてばかりはいられず、物語中、時には辛い選択をしなければならないことも……。死に急ぐ仲間を止めようとしても止められない場面では、涙を飲んで辛い選択肢を選ばなければなりません。
 

【"水滸伝"といえば108星! 108人の仲間を探せ!】 

※公式サイトより引用

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ストーリーに欠かせないのが、主人公の手助けをしてくれる仲間たちです。主人公の手助けをしてくれる仲間はなんと全部で108人! 中国の伝記歴史小説『水滸伝』と同じく、様々な星の名を持ったキャラクターが登場します。

仲間はイベントで加入したり、街中で声をかけてスカウトしたりと、加入条件はそれぞれ異なり、108人全員を見つけるのは至難の技。仲間にするために必要な条件が難しいキャラクターもいて、やり込みがいがあるものとなっています。

この仲間集めがとても楽しく、中毒性も抜群! 街中で他とは違うビジュアルのNPCを見つけた時は、言葉では表しきれない興奮が襲ってくること間違いなし!!

仲間になる全員が戦闘パーティとして戦うわけではなく、宿屋、道具屋、兵器開発、鍛冶屋……といったように、仲間がそれぞれの得意分野を活かして活躍をしていきます。どのキャラにもきちんとした役割が与えられ、あまり使えないな……というキャラであっても戦争イベントでは貴重な戦力として重宝。仲間を集めれば集めるほど、ゲームも有利に進められるようになります。

仲間はストーリー上で強制的に入れ替わることが多くあるため、自分ではパーティに入れることがないだろうなー、というようなキャラを使うことも。デメリットに見えるかもしれませんが、ワンパターン化せず、新しい発見ができるパーティ編成になるため、ひとつの魅力であるとも言えます。

本作の戦闘はシンプルなターン式バトルでありながら、仲間同士による"合体技"という強力な技も存在します。誰と誰をパーティに入れたら合体技が発動するのか、ということを考えて自分なりのパーティを考えることも楽しいです。

また、仲間が増えると主人公たちの拠点もしっかりした拠点になっていき、施設でできることも増えていきます。宿屋や道具屋などの冒険に使える施設はもちろん、ギャンブルができるようになったり、図書室ができたりと、冒険以外の部分での楽しみを提供してくれる仲間もいます。

新しく入った仲間はレベルが低くても取得経験値が調整され、レベルが低いキャラはレベルがガンガン上がるため、気に入ったキャラのレベル上げもノーストレスで行えます。巨大な拠点にたくさんの仲間を集め、それを眺めていると、大きな達成感を得られます!

後半になり、キャラも揃うと「これだけ集めたのにゲームをクリアしちゃうのがもったいない!」という気持ちになってしまいます……。
 

【奥深い戦闘イベントでは、軍師になりきって戦を指示!】

本作では"戦争イベント"というイベントをこなしながら、自軍である解放軍を拡大していきます。この戦争イベントでは、じゃんけんゲームのように"突撃"、"弓矢"、"魔法"を駆使し、帝国軍と解放軍が入り乱れて大がかりな戦闘を行います。

プレイヤーは攻撃だけでなく、相手の策を盗み見たり、相手を寝返らせたり、こちらの攻撃力を上げたりと、様々な指示を自軍に出すことが可能。シンプルながらもかなり奥が深いこのシステムは、本作『幻想水滸伝』で既に洗練され、完成されています。

戦争イベントは軍と軍の大きな戦い。軽い気持ちで挑むと、仲間が戦死してしまうこともあります。「これも運命だね」と言い残し、大事にしていた仲間が戦死してしまった時には、そっとリセットボタンを押してしまいました……。

戦死した仲間は拠点から消え、今後ゲーム内で使用ができなくなってしまうので、戦争イベントのときはじっくりと考え、最強の軍師として活躍しましょう!
 

【たくさんの仲間との出会いと別れの物語】

※製品紹介サイトより引用

※製品紹介サイトより引用

『幻想水滸伝』はシリーズの中でもファンが多く、人気が高い作品です。魅力的なキャラクターたちは皆それぞれ、自分なりの信条を持って仲間となります。

仲間同士の繋がりを覗き見できるイベントもあり、クリアする頃には108人もいる仲間たち全員に愛着が湧きます。エンディングでは仲間たちのその後を知ることも出来るので、続編への期待も高まります。

ストーリーを追うだけであれば、20時間ほどでクリアが可能なため、気軽に面白いRPGをやってみたい!という方にオススメ! ストーリーが薄いということもなく、『幻想水滸伝』の世界観にどんどんと引き込まれていくので、短いとは感じませんでした。

仲間全員を集めて育てる、というやり込み要素もあるため、長く遊べる一本です。不朽の名作を、ぜひ一度手にとってみてください!!

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