[韓国PLAY]2人の男とピアノの競演『オールド・ウィキッド・ソング』制作発表会

劇中歌「詩人の愛 No.7」を歌うスティーブン役のイ・チャンヨン(左)とチョ・ガンヒョン

劇中歌「詩人の愛 No.7」を歌うスティーブン役のイ・チャンヨン(左)とチョ・ガンヒョン


キム・ジェボム、イ・チャンヨンら実力派ミュージカル俳優が揃った音楽劇『オールド・ウィキッド・ソング』の制作発表会が8月12日に開催された。

制作会社のShow & NEWは『7番房の奇跡』『新しい世界』『弁護人』など、近年大ヒット映画を次々と世に送り出した配給会社NEWの舞台制作部門。2014年にはキム・ジュンス、パク・コニョン主演、演出にチャン・ジン監督を迎えたミュージカル『ディセンバー:終わりなき歌』を制作して話題を呼んだ。その後、イ・ハンウィ、ソ・ヒョンチョルらが主演の演劇『ベトナムスキー部隊』を制作したのに続き、本作はNEWの3番目の舞台作品となる。

韓国初演となる『オールド・ウィキッド・ソング』は、劇作家ジョン・マランズが1995年に発表し、米・ペンシルベニアで初演後、翌年オフブロードウェイで上演。現在までに世界12カ国で上演され、作品性に評価が高くピューリッツァー賞ドラマ部門の最終候補にもなっている。

舞台はオーストリアのウィーンにある大学の音楽室。変わり者の老教授マシュカンと、若きピアニストのスティーブンが出会って物語が始まる。ピアノを弾けば必ず同じところを間違うが、演奏に感情を込める術を知っているマシュカン。対するスティーブンは演奏は完璧にこなせるが、音楽を奏でる楽しさを忘れたピアニストだ。実はそれぞれに胸に秘めた過去をもつ対照的な2人が、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家シューマンの連作歌曲「詩人の恋」の演奏を通して心を通わせていく。

楽器を通した師弟の交流と言えば、今年のアカデミー賞で3部門受賞した映画『セッション』(Whiplash)を彷彿とさせるが、演出のキム・ジホは、「『セッション』がスリラーだとしたら、この作品はヒューマンドラマに近い」と語り、深い感動を得られる作品となりそうだ。
​劇中歌をドイツ語で歌う、マシュカン役のソン・ヨンチャンと伴奏するスティーブン役のパク・ジョンボク。右の写真の女性はMCも務めたドイツ語指導のユン・アンナ

​劇中歌をドイツ語で歌う、マシュカン役のソン・ヨンチャンと伴奏するスティーブン役のパク・ジョンボク。右の写真の女性はMCも務めたドイツ語指導のユン・アンナ


江南にあるクラシック・サロンのような会場で行われた制作発表は、俳優たちがドイツ語で歌われる劇中歌を初披露し、司会進行をドイツ語指導を担当しているユン・アンナが担当するなど、通常の制作発表とは一風変わった雰囲気で行われた。

老教授マシュカン役には映画、ドラマ、舞台と精力的に活躍を続けるソン・ヨンチャンと、数々の演劇で見せた人間味あふれる演技が魅力のキム・セドンが演じる。
老教授マシュカン役のソン・ヨンチャン(左)とキム・セドン

老教授マシュカン役のソン・ヨンチャン(左)とキム・セドン


『ディセンバー』『深夜食堂』など近年はミュージカルにも出演しているソン・ヨンチャンはこの日パク・ジョンボクの伴奏で「詩人の恋」の1番を歌った。現在、歌のレッスンも熱心に受けているというソン・ヨンチャンは「この公演が終わったころには真のミュージカル俳優になれるのではないか?」と笑っていたが、前作『ゴドーを待ちながら』や『愛別曲』で大先輩のイ・スンジェらと共演し、「80代になっても舞台に立っている先輩方を見ていると勇気づけられる。年を取ってもレッスンをしっかりと受ければ発展でき、さらに活動の幅が広がるのではないか」と期待を述べた。

一方のキム・セドンは、詩人ハイネによる「詩人の恋」の歌詞を朗読で披露した。「主に演劇を中心にやってきましたが、素晴らしい音楽とともに多くを得られる作品に出会えてうれしい。私の演劇人生の勉強になればと思い、稽古に取り組んでいる」とこの作品に出会えた喜びを語っていた。
(写真左から)スティーブン役のキム・ジェボム、パク・ジョンボク、イ・チャンヨン、チョ・ガンヒョン

(写真左から)スティーブン役のキム・ジェボム、パク・ジョンボク、イ・チャンヨン、チョ・ガンヒョン


そして、ピアノが唯一の自己表現方法である青年スティーブン役には、キム・ジェボム、パク・ジョンボク、イ・チャンヨン、チョ・ガンヒョンと、大劇場から小劇場作品まで経験豊富なミュージカル俳優が揃った。彼らは口々に“台本が良かった”ことが出演のきっかけになったという。

スティーブンはピアノの演奏シーンもあるため、キム・ジェボムは「稽古しなくてはならないことが多いが、劇中でマシュカンと内面的な疎通をしなくてはならないのが大変な部分だ」と演技派のベテランらしいコメント。

そしてパク・ジョンボクは、画家マーク・ロスコの助手を演じた前作『RED』に続いて、芸術家師弟の物語を描く2人芝居に出演することになる。「似ている部分はあるが、音楽で意思疎通をはかることに重きを置いていることが一番の違い」と、語った彼は絵筆を持ち替え、ピアノへ新たな挑戦をすることになる。

注目は『TRACE U』以来、約1年ぶりに舞台復帰するイ・チャンヨンだ。「1年の間、大学院に通ったり、もうすぐ公開になる映画『オフィス』(8月27日韓国公開)にちょっと出演したりしていましたが、舞台に立ちたいと切実に思うようになった。台本を読んだとたん涙が出るほどドラマチックで、スティーブンは感情の揺れが激しいが、頑張って表現し、観客に感動を与えたいと思う」とひさびさの舞台への意気込みを見せた。

一方、「実は英語やドイツ語が多くて台本を一度には読めなかった(笑)」と吐露したチョ・ガンヒョンは、『ジキル&ハイド』10周年公演の大役を終えて、大学路に戻ってきた。小劇場の魅力について「観客と一緒に呼吸できること。自分が表現したことを観客が受け止め、その反応を見てまた感じられること」と語った。


演出家のキム・ジホ曰く「壊れた時計が、音楽を通じて心を通わせ、再び動き出すような物語」になるという。実力派俳優たちが、ピアノの演奏やドイツ語歌曲に挑み、この秋、大学路に新しい風を吹きこんでくれそうな音楽劇『オールド・ウィキッド・ソング』は、9月8日からDCFデミョン文化工場2館で開幕する。


【公演情報】


音楽劇『オールド・ウィキッド・ソング』〈올드위키드송〉
2015年9月8日~11月22日 DCFデミョン文化工場2館 ライフウェイホール

<出演>
●マシュカン役:ソン・ヨンチャン、キム・セドン
●スティーブン役:キム・ジェボム、パク・ジョンボク、イ・チャンヨン、チョ・ガンヒョン

プロデューサー:キム・ウテク/共同制作:ハン・ヒョンギ/芸術監督:キム・スロ/演出:キム・ジホ/音楽監督:ソ・ウンジ/翻訳:ヒョン・ウニョン/ドラマターグ:ユン・アンナ/舞台:パク・ドンウ/音響:クォン・ジフィ/照明:マ・ソンヨン/小道具:イ・ミヨン/ヘアメイク:チョン・ウニ/衣装:イ・へジ

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