人気マンガ『こどものおもちゃ』が舞台化、宇宙人アイドル「CHaCK-UP」も登場??[稽古場レポート]
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「りぼん」の大人気マンガ『こどものおもちゃ』が舞台になって帰ってくる!
小学生タレント倉田紗南(小椋梨央/奥田こころ)と、紗南のクラスの問題児・羽山秋人(相澤侑我/板垣李光人)を中心に巻き起こるハートフルコメディとして、マンガはもちろんTVアニメも放送された人気作『こどものおもちゃ』。今回、“りぼん60周年記念公演”として舞台化されるとのことで、その稽古が行われている現場を直撃。今作には、宇宙人アイドル「CHaCK-UP」も登場するとのことで、いったいどんなストーリーに描かれているのか…? 子供たちや山本一慶らキャスト陣が奮闘する稽古場をレポートする!
思わず笑ってしまうシーンも満載
ばびっと組:小椋梨央/相澤侑我
まろちゃん組:奥田こころ/板垣李光人
稽古開始前のスタジオでは、たくさんの子供たちが何やら楽しそうに話す姿が見られ、和気あいあいといった雰囲気だった。だが、稽古が始まると一転。みんな集中して稽古の様子を見つめている。今作では、主人公の紗南や羽山などWキャストが多いため、同じシーンをキャストを替えて稽古することになる。そのため1人が受けた注意を同じ役をやるキャストも共有し、効率を上げているのだ。
この日の稽古は、紗南と紗南のタレント仲間であるCHaCK-UPが共演するというシーンから。ピコピコハンマーを持った紗南演じるピコピコハンマーの介と、宇宙人侍を演じるCHaCK-UPが戦うシーンでは、自己紹介しているCHaCK-UPを紗南が遮るその振る舞いや倒れ方、動きの1つ1つに丁寧な指導が入り稽古は進んでいく。小学校6年生の紗南が大人のCHaCK-UPの頭をピコピコハンマーで叩くには「もっと高くジャンプしたほうがいい」、「このセリフで動き出す」など……より良い舞台にするために細かな指導が度々入っていた。
紗南とCHaCK-UPは共に人気タレント仲間という設定だ。 彼らが出演する番組収録が終了して、マネージャーの玲が紗南を急かし別現場に移動すると、紗南が司会をつとめる歌番組にもCHaCK-UPが登場。お互いに大活躍中で、もちろんかっこいいシーンもたくさんあるのだが、ちょっと間抜けな笑えるシーンも盛り込まれた楽しい場面になっている。 番組を終え学校に向かう車中での玲と紗南の短いシーンでも、稽古場では細かい打ち合わせが度々入り、本番の演出の仕上がりに期待が高まる。
その後稽古は、紗南が登場人物を順番に紹介するというシーンに移った。ここでは、先ほど出てきたCHaCK-UPの他、紗南のクラスメイトたちも登場するのだが、1人1人のアピールポイントも稽古の最中で次々と決まっていく。紗南の手下扱いの剛(伊藤壮吾)、一匹狼を気取る羽山への演出にも熱が入る。
印象的だったのは、出番を待つ子供たちの横で、玲役の山本一慶が子供たちに話しかけて笑っている様子だった。子供は子供、大人は大人で分かれてしまいがちだが、子供の横でさりげなく話しかけて笑っていたり、自分が出ているシーンの稽古中でも、指導が入った時に、自ら「ここはこうしましょうか」と演出の提案をしたりして、現場の雰囲気を盛り上げている印象だった。
登場人物紹介で注目なのは、羽山父(本郷弦)と、紗南の母(三石琴乃)だろう。羽山父は見かけはどう見てもエリートなのだが、実は紗南ファンだというさりげないアピールにも注目。さらに、『新世紀エヴァンゲリオン』の葛城ミサト役や、数々のTVのナレーションでもお馴染みの三石琴乃が紗南の母・実紗子役を演じているのだが、稽古の段階からすでに、役と同じく着物で臨んでおり、意識の高さが伺えた。
全員が「もっとおもしろくするために」という共通意識でのぞんでいる稽古現場を目にして、本番にますます期待を膨らませずにはいられない。公演は8月20日~30日まで、銀座の博品館劇場で行われる。笑って泣ける夏の楽しい思い出に一度足を運んでみてはいかがだろう?
[取材・文=海梨]