楠本桃子のゲームコラムvol.18 世界はイメージでできている『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』

コラム
アニメ/ゲーム
2016.10.15
 ※製品紹介サイトより引用

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筆者のオススメするゲームを紹介する連載企画 第18回目は『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』。

ファイナルファンタジーの外伝として発売された聖剣伝説シリーズの更に外伝的立ち位置となっているソフトです。1999年7月15日、PlayStation用のアクションRPGソフトとして、スクウェアより発売されました。本作はゲームアーカイブスからもダウンロードができるので、今からでもプレイが可能です。

独特な世界観と、キャラクター達の哲学的なセリフ、自由度の高いゲーム性やシナリオに、熱中した方も多いはず。自分だけの物語を選ぶことができる本作の魅力を、今回は紹介します。
 

【物語の進め方は自分次第。自由に世界をつくり出す】

※製品紹介サイトより引用

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本作の特徴のひとつに、"ランドメイクシステム"というシステムがあります。これは、プレイヤーが街やダンジョンを自由にワールドマップ上に置ける、というもの。もちろん、活動の拠点となるマイホームの隣にラストダンジョンを置く、ということも可能。一度街やダンジョンをワールドマップへ置いてしまったら変更はできないため、慎重に世界をつくりだしましょう!

また、どのイベントを起こし、どういった順番でストーリーを進めていくのかも全てプレイヤー自身が選択可能。全イベントコンプリートを目指し、試行錯誤を繰り返す日々はとても充実していました……。アトリエシリーズやペルソナシリーズのように、試行錯誤をしながら進めていくRPGが好きな方に、オススメのシステムです。
 

【育成要素は無限大! 最強を目指して研究しよう!】

※製品紹介サイトより引用

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本作のやり込み要素は、聖剣伝説シリーズ随一を誇ります。武器・防具作成、楽器作成、ゴーレム作成、ペット育成といった4種類の強化要素があるのですが、ひとつひとつの要素がしっかりと作りこまれています。

特に武器・防具作成とゴーレム作成は、基本仕様や各アイテムの効果などを理解することで熱中すること間違いなし! これはこうかな? ここはこうすればいいのかな?という試行錯誤を行いつつ、自分が求めた作品ができたときの興奮といったら、なかなか味わうことができません。私自身も、作成作業のみで何十時間も費やしていました。

ストーリーはもちろんのこと、作成作業の楽しさも、他ゲームには無い大きな魅力となっています。自分が目に見えて強くなっていくことがわかるので、やめ時がわからなくて作成小屋にこもって1回のゲームプレイが終了する、ということもしばしば……。

作成だけではなく、可愛いペットたちの育成にももちろん熱が入ります。育てたペットは主人公と共に戦闘に参加させることができ、育成を行うことでペットの性格やパラメーターが変化。エサをあげたり撫でたりと、可愛いペットたちと触れ合っていると、まるで育成ゲームをプレイしているかのような気持ちになってしまいます。

しかし、この育成によってバトルが有利になる確率がグッと上昇。ペットも大事な仲間のひとりなので、手塩にかけて育てた分だけ、戦闘でも活躍してくれます。ラビやチョコボといったシリーズおなじみのモンスターに加え、カーミラやポロンなどの亜人もペットとして育てることも可能です。是非、お気に入りのペットとファ・ディールを旅してみてください!
 

【まるで大人向けの絵本をめくるような旅】

※製品紹介サイトより引用

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美麗でありながらどこか儚げなイメージを持つ『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』の世界。たくさんのイベントからは、様々な名言が生まれました。

・「人は誰も愛さなくても、生きてゆける。けれど、愛すれば豊かになる。

・「楽しいことばかりだと、お腹一杯になっちゃって、つまんないぜ。きっと。悲しいことも、寂しいことも、なんだって起きればいいさ。

・「生きてるってゆーことは 生きてるってゆーことなの。

・「それを信じるだけでいい。キミのイメ-ジが力になる。キミの言葉が世界になる。信じるだけでいい。

・「人の愚かさばかり見る、キミの生き様に光明はあったかい?

・「あなたは謎が尽きたことはありますかな? あなたは常に疑問をもち、その答えを求めておられる。それはあなたが、そのことに意味があると考えるからだ。あなたがそれを欲する限り、あなたの人生には意味がある。」

上記のように、考えさせられる言葉も数多く出てきます。

普段は絶対に喋らない主人公が一言だけ発するあの言葉や、アナグマたちによるアナグマ語など、テキストには『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』らしさが散りばめられています。

そして本作に欠かすことのできない要素が"サボテン君日記"。イベントをひとつクリアして、マイホームにいるサボテン君に話しかけると、そのお話を聞いた感想を日記に書いてくれます。飾らない素の言葉で綴られたサボテン君日記は、とってもキュート!

少しの毒舌も良いスパイスとなっていて、独特の着眼点に驚くことも。イベントクリアが楽しみになると同時に、サボテン君に対しての愛着がどんどん湧き出します!幻想的であたたかみのあるビジュアルはもちろん、下村陽子氏によるサウンドも人気が高い本作。

「ホームタウンドミナ」や「滅びし煌めきの都市」などは、ゲーム好きであれば一度はその曲名を目にしたことがあるのではないでしょうか。
 

【秋の夜長にぴったりなのは、本を読むようにプレイできるRPG】

哲学的なストーリーやセリフが多い本作は、プレイをしているとまるで哲学と冒険活劇が混ざり合った絵本を読んでいるような気分にさせられます。とはいえ、難易度選択もできるのでRPGとしての歯応えも十分! ストーリーや育成要素、BGMにグラフィックなど、ゲームを構成する全ての要素が、本作の面白さを際立たせてくれます。

豊富なイベントを体験したり、最強を目指して育成を極めたり、大好きなあのキャラクターに会いに行ったりと、本作を繰り替えし遊んだ方も多いはず。今でも多くのファンに遊ばれている本作は、秋の夜長にぴったり。

皆様も是非、コーヒーを片手にプレイしてみてください。ぐま!

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