古家正亨の「韓 I help you ?」◆アーティスト・インタビュー ~MINUE
MINUEというアーティストがデビューする。初めて耳にする名前かもしれないが、ノ・ミヌという彼の本名を知れば、自ずと納得いくだろう。
そもそもX JAPANのYOSHIKIがプロデュースしたバンドTRAXのドラマーとして2004年に活動をスタートさせ、2006年に脱退後は、俳優に転身。これまで、映画『霜花店』やドラマ『パスタ~恋が出来るまで~』、『僕の彼女は九尾狐』、『フルハウスTAKE2』といった人気作への出演を通じて、俳優として日本でのその存在は知られることになった。
一方で、音楽への情熱は衰えるところを見せず、ICON名義や自身名義で、デジタルシングルのリリースやライブを開催。日本でも2011年にソロイベントを開催して以降、定期的にライブやイベントを実施してきた。出演作のOST(Original Sound Track)も手掛けるなど、演技、音楽、そして時にモデルとして、またバラエティ番組でそのタレント性を発揮するなど、マルチに活躍してきた彼が、ついに11月16日、ポニーキャニオンから日本メジャーデビューシングル「GRAVITY」をもって、ソロのロックシンガー、シンガーソングライターとして満を持してデビューを果たす。
TRAX時代から仕事を共にしてきた筆者にとっては、デビュー12年目でのソロデビューは、遅すぎたと感じるほど彼には“特別な才能”を感じていただけに、嬉しさと同時に、これからノ・ミヌではなく、自身のバンド名義“ICON”でもなく、MINUEとしてどのような音楽を放っていきたいのか、そして、兵役という現実と向き合い、今後どのような活動をしていきたいと考えているのか。直接、“MINUE”に聞いてみた。
古家: MINUEさんと呼べばいいですか?
MIN: はい、MINUEです。
古家: 驚いたんですけど、これが日本で正式デビューになるんですよね、ソロとしては。
MIN: そうです、日本デビューです。
古家: お仕事で長いお付き合いをさせていただいているので、すごく不思議が感じがするんですが、改めておめでとうございます。
MIN: ありがとうございます!頑張りました!日本でのソロデビューは目標でしたし、僕が表現したかったことを表現できて、それを形にできて、20代、僕は頑張ったなって思います。本格的とは言えませんでしたが、これまで何年も日本でコンサートやイベントなどを通じて活動してきたので、その経験が生かされていると思うんです。日本でロックをやるということは、実際に演奏できないとダメですし・・・。ですから、ようやく自分でそのタイミングを迎えるだけの準備ができたと思って、今回の日本デビューに至りました。
古家: バンド時代から数えると、もう12年ぐらいですよね?音楽活動は。
MIN: そうですね、12年ぐらいになりますね。実は俳優をやりながらも音楽活動をするという目標があったので、韓国ではそれを実践してきたんですけど、本当に自分のやりたい音楽って何なのかを自問自答したときに、その明確な答えが出てこなかったんです。でも、去年の冬ぐらいから、その答えとそれに伴って音楽がたくさん生まれるようになって、このタイミングで日本で音楽活動を・・・って思ったんですよね。
古家: 今回リリースされる日本デビュー曲の「GRAVITY」もその時期に生まれた曲なんですか?
MIN: そうなんです。「GRAVITY」の意味には、重力とか引力っていう意味がありますけど、僕のLOVEもあなたのLOVEもGRAVITYによって、互いに導かれるものだから。そして、それって運命だったんだよっていうことを歌詞では表現したかったんです。
古家: この曲をシングルのタイトル曲にした理由は?
MIN: 最初に皆さんにMINUEというアーティストとしてご挨拶するにあたって、まっすぐに表現された曲がいいんじゃないかって思ったんです。ストレートに気持ちが伝わる曲って言えばいいですか。自分がこれから、こんな音楽をやっていきたいっていう、そのスタイルがわかってもらえるような曲が、名刺代わりとして一番理想なんじゃないかと。
古家: 今回、アーティスト名を日本デビューにあたって、ノ・ミヌではなく、MINUEにされましたが、そのこだわりには、どんな思いがあったんですか?やっぱり、一度音楽的にリセットしたいっていう思いがあったのかな?
MIN: ノ・ミヌでデビューするか、ICONでデビューするか、悩みましたし、周りの友達にもすごく相談したんですけど、先を見据えると、本名がいいんじゃないかっていう意見が多かったんですね。ただ、今までのファンの人だけではなくって、より多くの人にその名前を覚えてもらうために、“ミヌ”だけでいいんじゃいなかっていう意見が多かったんですね。それと、将来的に欧米での活動も考えているので、そうなると、アーティスト名をアルファベットでMINUEにすることが一番理想的じゃないだろうか・・・ということになって。
古家: よりワールドワイドに活躍するためにっていう思いですよね。さて、MINUEさんと言えば、これまでも自分で作り出した音楽には責任をもって、セルフ・プロデュースで、ミュージック・ビデオ(MV)からジャケット、アートワークに至るまで手掛けてきたじゃないですか。そして、今回のデビューシングルも当然、セルフ・プロデュースを手掛けているわけですが、どんなところに一番こだわりを持って、作品作りに取り組んだのでしょうか?
MIN: まず、今回、自分でほとんどの楽器を演奏しています。最初は、バンドのメンバーと一緒にレコーディングしてみたんですが、自分が思い描いていた表現や色とちょっと違ったんですね。言葉で表現できないニュアンスみたいなものってありますよね。同じギターでも誰が弾くかによって、雰囲気って変わってくるじゃないですか。それに対して、自分が直接弾いてみたら、それが自分の求めていた答えだったわけです。今回は、思い描いていたものを、アレンジすることなく、そのまま形にしたいと思っていたこともあって、体力は何倍も使いましたけど、これまでで一番自分が表現したかった色を表現できたと思いますし、結果として、デモの段階とほとんど変わらない形で最終形を作り出すことができたと思います。OSTの時は、やっぱり自分の音楽の色にはロックが色濃く出ているので、OSTらしさを表現するときは、アレンジの場面などで、いろんな方にHELP MEってしていたんですけど、今回はかなり自分で組み立てることにこだわりましたね。
古家: これまでもMINUEさんの音楽を聴いてきた一リスナーの立場から感じた事なんですが、今回の曲って、これまでのファンはもちろん、新しいファン層を開拓しようっていう思いで、この曲を書かれたんじゃないかって思ったんですね。
MIN: ありがとうございます。そう言ってもらえてうれしいです。まず、今回、音楽ファンの人にも興味を持って欲しいっていう気持ちで作ったのは間違いないです。今僕のことを支えてくれているファンの皆さんのことは、もちろん大事だし、すごく大切な思いを持って、これまでも届けてきたわけですが、これからは、僕の顔やスタイルや演技の面だけでなく、音楽そのものに対しても興味を持ってもらえるように、このデビューシングルでは、僕の音楽に対する本気を感じていただけたら嬉しいです。
古家: 日本のロックファンとしては、シングルがリリースされたら、次はアルバム、そして、それを引っ提げてのツアーという展開をどうしても期待してしまうのですが、スケジュール的に、どうですか?
MIN: まず、今回シングルリリース記念のイベントとライブを行う(10月3日に実施)わけですが、デビューライブになるので、本気で準備に取り組んでいます。そして、11月にシングルをリリースして、その後は韓国での活動に入りますが、これまで15曲ほど、もう完成させてあるんですね。ですから、これからも来年にかけて作品を発表していきたい気持ちはあります。そして、再来年には、また日本でも本格的に活動していきたいですね。兵役の問題もありますから。去年の秋ぐらいから今年にかけては、日本にいる時間が長かったんですが、もっとイントネーションも含めて日本語を極めたいですし・・・アイテムとして売っていたら、買いたいぐらいですよ・・・日本語のイントネーション。俳優としては、今話している作品が1つあるんですけど、兵役のタイミングもあるので、現時点ではどうするか、考えているところです。30代には、ドラマだけじゃなく、映画にも出演したいっていう気持ちがあります。
古家: 映画って言ったら、MINUEさん自身で映画のOSTも手掛けたいでしょ?スケールはドラマよりもさらに大きくなりますから。
MIN: やりたいですよ・・・。すっごくやりたいです。
古家: じゃ、夢は膨らみますね。
MIN: だから、これからもっといろんなことに対して、貪欲に準備をしっかりしていきたいと思います。
古家: その前に、デビューシングル「GRAVITY」で、MINUEさんの引力に引き寄せられていただきましょうか!
MIN: 引き寄せられてください(笑)。
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