舞洲の現代アート宮殿、一日だけ特別一般公開

2015.8.20
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舞洲工場のパンフレットより

舞洲(大阪市此花区)といえば、サマーソニック大阪の会場としておなじみの人工島だが、この地区に「宮殿」のような建物が二棟もそびえたっていることは御存知であろうか。一つは「大阪市・八尾市・松原市環境施設組合舞洲工場」(ゴミ処理施設)、もう一つは「大阪市舞洲スラッジセンター」(下水汚泥処理施設)である。いずれも、オーストリア人建築家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(1928年生~2000年没)が設計したものだ。

フンデルトヴァッサーは、無機質で画一的な近代建築に異を唱え、自然との共生を信条とした。直線を嫌い、曲線や渦巻を取り入れた独特の建築様式は世界的に高く評価され、ファンも多い。宮崎駿が三鷹市にジブリ美術館を建設するにあたってフンデルトヴァッサーを参考にしたことはあまりに有名だ。作例としては、フンデルトヴァッサー・ハウス(集合住宅)やシュピッテラウ焼却場、聖バーバラ教会などが著名だが、日本でも4作品を鑑賞することができる。前述2つ以外では、扇町のキッズプラザ大阪4階「こどもの街」と、赤坂のTBS敷地内「21世紀カウントダウン時計」である。つまり大阪市は、なんと国内4作品中3作品を鑑賞できる特権的な地域なのだ。ただ、そのことがあまり地元の人々には知られていない。こちらを全然知らずに、スペインまでガウディを観に行ってしまう大阪市民がいるとしたら、いかがなものであろうか。

で、大阪3建築物の中でもとりわけ壮麗無比な建築物が「舞洲工場」である。基本的には「ごみ焼却工場」である。橋下徹登場以前の「税金無駄遣い」批判の標的とされることもしばしばあったが、例のザハ・ハディド「新国立競技場」計画などに比べれば遥かに低コストで作られ、しかも芸術的換算をすれば充分なおつりも来るくらいに、極めて高い価値のある建築物であるという(詳しいことは「舞洲工場」広報係にお問い合わせあれ)。

ここは観光施設ではないゆえに、普段は事前に予約をしないと内部見学ができない。が、ときおり稀に予約なしで見学可能な「オープンデー」がある。今年はそれが、8月29日(土)10時~16時(最終受付15時)に実施される。工場見学のほかに楽しいイベントもあって、しかも無料だ。編集子が数年前に見学した際には桂米朝似の職員のおっちゃんが名調子でガイドツアーしてくれたものだが、今でもいるだろうか。

現代アートに興味をお持ちのかたは、夏休みも終わろうとするこの時期のチャンスに、ぜひ。「糞出るとワッサー」だけに、便秘の人にもオススメ…な~んて「言わせねーよ!」


◆舞洲工場
住所:〒554-0041 大阪市此花区北港白津1‐2‐48

◆日時
平成27年8月29日(土)
10時~16時(最終受付15時)

◆交通アクセス
JR西九条から、市バス81系統(約30分)此花大橋西詰下車すぐ
JRゆめ咲線 桜島から、北港観光バス2系統(約10分)環境局前下車すぐ
地下鉄コスモスクエアから、北港観光バス3系統(約20分)環境局前下車すぐ

◆問合せ先
大阪市・八尾市・松原市環境施設組合 舞洲工場
電話:06-6463-4153(月曜日~金曜日 9時~17時 ※祝日を除く)